仮想通貨取引所コインチェックとは?
2018年1月末に発生し被害総額580億円相当、被害者数は約26万人にものぼる仮想通貨史上最悪の事件としてセンセーショナルに報じられた「仮想通貨不正流出事件」の記憶はまだ新しいのではないでしょうか?
コインチェックは「XEM不正流出事件の舞台となった仮想通貨取引所」として知られ、未だにコインチェックに対してネガティブなイメージを持つ方が少なくないのではないかと考えられます。【最新版コインチェックを使う理由】を紹介する前に、まず純粋に仮想通貨取引所としてのコインチェックを改めて振り返ってみたいと思います。
国内の仮想通貨取引創生期から普及に努めたコインチェック
2009年に公開されたビットコインによって仮想通貨の時代の幕が切って落とされましたが、徐々に国内で取引が行われるようになったのは2014年頃からでした。
コインチェックは2012年にレジュプレス株式会社として設立され、2014年8月から仮想通貨取引所としての運営を開始します。仮想通貨に対する理解が国内市場で進み始めると共にコインチェックを利用した取引額は順調な成長を見せ、同時にコインチェックも取扱う仮想通貨銘柄数を最大13銘柄に増加させたことで仮想通貨への投資環境が整いました。
XEM不正流出事件発生でコインチェックの資金力が証明された?
2018年1月26日未明にコインチェックから外部へ5億2300万XEMもの不正送金が発生し、コインチェックは仮想通貨史上最大の被害額となった不正送金事件の舞台となりました。
しかし、翌27日にはコインチェックから自己資金を原資として「保持ネム数 × 停止期間中加重平均レート(88.549円)」を日本円でウォレットへの返金を行うことがアナウンスされ、3月12日に返金が行われました。
仮想通貨への投資熱の高まりでマーケット価格が最高値に達した2017年末から事件発生まで、取引量の激増で発生した多額の内部留保も影響していると考えられますが、コインチェックの企業体力に驚いた方も少なくないでしょう。
事件後のコインチェック
事件後コインチェックに対しては金融庁から2度にわたる業務改善命令が下され、立ち入り検査によって運営体制の不備などが指摘されました。
コインチェック側は補償後も債務超過に陥らないことやセキュリティ強化を行った後の業務再開を発表し、2月13日に日本円の出金のみ再開しますが、4月5日にマネックスグループ株式会社が主要株主となります。
マネックスグループの買収により旧コインチェック運営人は退任し、新体制での運営が開始され事件発生以降停止していた新規口座開設の受付が10月30日から再開しました。
【仮想通貨交換業者登録に関するお知らせ】
コインチェック株式会社は、2019年1月11日に資金決済に関する法律に基づく仮想通貨交換業者として関東財務局への登録が完了しましたので、お知らせいたします。https://t.co/a0fjEgu8Rw— Coincheck(コインチェック) (@coincheckjp) January 11, 2019
2019年1月11日には金融庁から仮想通貨交換業者としての認可(関東財務局長00014号)を受け、正式に仮想通貨取引所としての運営が認められました。
これによってコインチェックはみなし業者ではなく、金融庁の認定を受けた正式な仮想通貨取引所としての運営が可能となりました。
経営陣の刷新を行い新体制で運営に臨むコインチェック
コインチェックはマネックスグループの買収によって生まれ変わり、現在は正式な仮想通貨取引所として運営されています。買収によって旧コインチェックの経営陣は退任し、経営陣の刷新も行われています。
現在のコインチェックの経営陣として取締役会長に松本 大氏、代表取締役に蓮尾 聡氏、取締役に上田 雅貴氏が就任し新体制でコインチェックの経営を行います。(2019年9月10日付けで元代表取締役和田氏が副社長執行役員に異動。2020年1月31日付けで上田氏が退任)
新たな経営陣三氏の略歴は次のとおりです。
取締役会長 松本 大氏
ソロモン・ブラザーズ、ゴールドマン・サックスの証券会社でキャリアを積み1999年4月にソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックスを設立、マネックスグループ株式会社発足後も代表取締役社長CEO・代表取締役会長兼社長CEO・取締役会長兼代表執行役社長CEO、2008~2013年まで東京証券取引所社外取締役など歴任しています。
代表取締役 蓮尾 聡氏
日本長期信用銀行でキャリアをスタートさせ2005年にマネックスグループ株式会社に入社、マネックス証券 取締役、マネックスファイナンス株式会社代表取締役などを歴任、2019年11月よりコインチェックの代表取締役に就任。
取締役 上田 雅貴氏
大和証券でキャリアをスタートさせ1999年9月に現マネックス証券株式会社に入社、取締役・取締役常務執行役員・常務執行役員に就任しマネックスグループ株式会社 執行役員・取締役・執行役を歴任する。
退任後の旧コインチェック運営陣も新体制で運営されるコインチェックで尽力
不正流出事件発生時にマスコミによって大々的に報じられたコインチェックの記者会見で、大バッシングを受けたのが経営陣である社長の和田晃一良氏と最高執行責任者の大塚雄介氏でした。
当時の論調ではあまりにもずさんな管理体制などがやり玉に挙げられましたが、両氏は事件発生直後から全額補償をアナウンスし実際に約460億円もの額の補償を行い、被害者救済に奔走したと言えるでしょう。
460億円もの資産があれば一生遊んで暮らすことも可能ですが、コインチェックが社会に与えた責任を負い逃げることなく事後処理を行った点は評価に値すると言えます。マネックスグループの買収により両氏退任しましたが、和田氏は上級執行役員、大塚氏は執行役員として新体制で運営されるコインチェックの経営に参加しています。
両氏は現在も積極的にTwitterなどで情報発信を行っており、新体制で運営されるコインチェックの運営に尽力していると言えるでしょう。
和田晃一良氏について詳しく知りたい方は【和田晃一良(元コインチェック社長)とは?経歴や年収、現在について徹底解説!】を参考にしてください。
コインチェック(Coincheck)の登録で分からないことがあったら【コインチェック(Coincheck)口座開設、登録、本人確認方法】を参考にしてください。新体制で運営されるコインチェックの特徴は?
旧コインチェック時代から継承された取扱通貨銘柄の多さ!
流出事件前のコインチェックは13銘柄の仮想通貨を取り扱っていましたが、匿名性の高い通貨銘柄Monero(モネロ/XMR)・DASH(ダッシュ/DASH)・Zcash(ジーキャッシュ/ZEC)とギャンブルの決済通貨とされるAugur(オーガー/REP)は除外されました。その後、モナコイン(MONA)、ステラルーメン(XLM)、クオンタム(QTUM)、ベーシックアテンショントークン(BAT)、アイオーエスティー(IOST)が、追加され、14銘柄となりました。
- BTC:ビットコイン
- ETH:イーサリアム
- ETC:イーサリアムクラシック
- LSK:リスク
- XRP:リップル
- XEM:ネム
- LTC:ライトコイン
- BCH:ビットコインキャッシュ
- MONA:モナコイン
- XLM:ステラルーメン
- QTUM:クオンタム
- BAT:ベーシックアテンショントークン
- IOST:アイオーエスティー
一時は13銘柄から11銘柄まで取扱銘柄が減少したものの、常に国内仮想通貨取引所取り扱い銘柄数ナンバーワンで有り続け、IOSTを取扱う国内の取引所はコインチェック以外に存在せず、取扱銘柄の多さは旧コインチェックから新体制で運営されるコインチェックへと継承された特徴だと言えるでしょう。
シンプルなデザインで直感的な操作が可能なコインチェックアプリ!
コインチェックアプリはiOS・Androidに対応しておりiOSはApp Atore、AndroidはGoogle Playから無料でダウンロードすることができます。アプリの設計は公式サイト同様に非常にシンプルで、扱いやすさは国内トップクラスだと言っても過言ではなく、仮想通貨取引を始めたばかりのビギナーでも、直感的な操作ができるデザインになっています。
iOS版
Android版
ダウンロードしたアプリから登録や本人確認手続きを行えますが、事前に公式サイト内で新規登録・本人確認を行っておけばアプリのダウンロード後からスムーズに取引きを行うことができます。
コインチェックの本人確認手続きは2日前後で完了しますが、完了報告のハガキ到着までに2~3日を要しますので手続き開始から完了報告を受けるまでに5日前後かかります。アプリで手軽に取引するためにも事前に登録と本人確認手続きを行うことをおすすめします。
2019年4月末現在でiOS版はファイナンス内で87位にランキングされ7.2万人から4.3の評価を受けています。またAndroid版はインストール数が230万を突破していますので、既にコインチェックアプリユーザーは家族や友人、知人など意外と身近にいるのかも知れません。
コインチェックアプリでできることは?
登録・本人確認手続きが完了しダウンロードしたコインチェックアプリには次に挙げる7つの機能が実装されています。
- レートの確認
- チャートの確認
- 日本円の入金・出金
- 仮想通貨の現物取引
- チャット
- ウィジェット設定
- 画面ロック設定
アプリ経由でコインチェックにアクセスし、レート・チャートの確認後に現物取引を行い追加購入用の入金や利確後の出金をネット環境があればいつでもどこからでも行えます。
またチャット機能を利用して他のトレーダーとの情報交換を行ったり、スマホの画面に仮想通貨のレートを反映させるウィジット機能、セキュリティ能力を向上させるアプリのロック機能が搭載されています。
次項からコインチェックアプリの使い方を具体的に各機能ごとに紹介します。
まず最初に行うのはコインチェックアプリへのログイン!
スマホなどのモバイル端末にコインチェックアプリをダウンロードしてもログインをしなければアプリ経由での仮想通貨取引は行えません。ログインはFacebookアカウントか登録しているメールアドレスとパスワードを入力してログインします。
ログイン画面は次のようになっています。
アプリ使用後にセキュリティが気になる場合は、次回のアプリ起動時に再ログインすることになりますが、都度ログアウトしておくといいでしょう。
左上の青矢印のメニューをタップして開いた画面の一番下のログアウトをタップすればログアウトできます。
リアルタイムで仮想通貨のマーケット価格を確認できるレート機能
コインチェックアプリを開くと画面の下半分に表示されるのがレート画面です。現物取引で利用できる日本円・ビットコインで取扱通貨銘柄のマーケット価格がリアルタイムで表示されます。
表示レートを切り替える場合は右上の設定ボタンをタップすればビットコイン建て表示に切り替えられます。
仮想通貨トレードに役立つチャート機能
仮想通貨取引をはじめとするトレーディングで頻繁に登場する用語としてチャート表が挙げられます。既に市民権を得ている単語ですので、ご存知の方も少なくないのではないでしょうか?
レートと共に通貨銘柄のマーケット価格の価格変動を図表化することで、より直感的に価格の推移を捉えられるのがチャート表です。コインチェックアプリでは線・ローソク足の2つのチャート表に対応し、マーケット価格の変動を視覚的に捉えることができます。
画面上の青矢印をタップすると線チャート・ローソク足チャートが切換えられ、赤矢印をタップすると円建て・ビットコイン建ての切り替えが行えます。
コインチェックアプリ経由で行う入金・出金方法は?
コインチェックアプリの設定画面中の入出金をタップすると入出金メニューが開きます。メニュー上部の入金では上から、銀行口座から入金・コンビニ入金・クイック入金と3つの入金方法が選べます。また、入金メニューの下には出金メニューがあり、登録時に指定した口座への出金が可能です。
コインチェックへの入金に対しては次の手数料が発生します。
- 銀行振込:無料(振込手数料は利用者負担)
- コンビニ入金:30,000円未満(756円)・30,000~300,000未満(1,000円)
- クイック入金:30,000円未満(756円)・30,000~500,000未満(1,000円)
- 500,000円以上(入金額の10.8%に486円を加算した合計額)
※コンビニ入金・クイック入金共に入金額から手数料が差し引かれます。また現在サービス停止中で利用できません。
出金には1回につき400円の手数料が発生します。
コインチェックアプリを使えば仮想通貨の現物取引も簡単!
仮想通貨取引には日本円と仮想通貨の取引きを行う「現物取引」と仮想通貨取引所に預けた証拠金を担保に証拠金の何倍化のレバレッジをかけた取引が行える「レバレッジ取引」があります。
仮に手元に100万円ある場合、現物取引では100万円分の仮想通貨しか取引できませんが、100万円を証拠金として取引所に預ければ2倍のレバレッジなら200万円、5倍なら500万円の取引を行えます。
コインチェックでは過去にレバレッジ取引ができましたが、現在はレバレッジ取引を停止中です。取引きは現物取引のみとなります。取引はチャート画面下に表示されている購入・売却ボタンをタップして行います。
コインチェック(Coincheck)の登録で分からないことがあったら【コインチェック(Coincheck)口座開設、登録、本人確認方法】を参考にしてください。コインチェックアプリの便利な機能の使い方は?
コインチェックアプリのチャット機能
コインチェックアプリのチャット機能は掲示板機能だと捉えると良いでしょう。全体のチャットルームと各通貨銘柄ことのチャットルームが設定されており、通貨銘柄ごとのチャットルームは現在コインチェックが取扱う11銘柄と取扱いのない12銘柄が設定されています。
参加したいチャットルームをタップすればチャットに参加できますが、嘘の情報やウィルス感染したURLが貼られていることもあるので、チャット機能は気を付けて使用するべきでしょう。
ウィジット設定でより積極的にトレードが行える
コインチェックアプリを活用すれば積極的な仮想通貨取引が行えますが、アプリを立ち上げることなく取引き通貨銘柄のマーケット価格を確認できれば、さらに効果的なトレードの実現が可能となります。
コインチェックアプリに実装されているウィジット機能は、スマホのホーム画面に同期したマーケット価格を表示する機能で、設定すれば簡単にマーケット価格のチェックが行えます。
ウィジット機能の設定は左上のメニュー画面(青矢印)をタップし、ウィジッド設定(赤矢印)をタップしながら行います。
画面ロック機能を利用したセキュリティ対策は必須!
モバイル端末で仮想通貨取引が行えるのは非常に便利ですが、紛失や盗難被害に遭った際には手軽さが諸刃の剣となりリスクが向上します。コインチェックアプリはモバイル端末本体のロック機能とは別にロック機能を搭載しているので、万一の紛失や盗難被害が発生しても不正アクセスが難しくなっています。
画面左上のメニュー画面を開き設定をアップして開いた画面のセキュリティ設定を開き、「PINロックを有効にする」を起動させると4ケタの暗証番号の入力が求めらます。入力後確認画面で再入力を行えばロック機能が有効化します。
新体制で運営するコインチェックは積極的にサービスの拡充を推し進める!
経営陣を刷新し新体制での運営を行うコインチェックは、不正流出事件で停滞したサービスの見直しを行い積極的にサービスの拡充を推し進めて行きます。
コインチェック電気の再開
コインチェックが提供していたサービスの1つに「コインチェック電気」があります。コインチェック電気は月々の電気代をビットコインで支払う「ビットコイン決済プラン」と電気代の支払額に応じてビットコインが還元される「ビットコイン付与プラン」の2プランで構成されるサービスです。
月々の固定費と言える電気代の支払いによって仮想通貨と実体経済を結びつけようとする実験的なサービスだと言えますが、不正流出事件の影響でサービスの提供が停止されていました。
しかし、新体制の本格的な運営が始まり2019年2月13日から再びサービスの提供が行われるようになっています。
コインチェック・ペイの再開時期は?
旧コインチェックがリクルート社と2017年7月に提携し実店舗での支払いにQRコードと仮想通貨が対応できる新たな支払いシステムのサービス提供を計画していましたが、不正流出事件の影響でサービス提供が停止しました。
リクルート社はQRコード・クレジットカード・電子マネーに対応する決済方法としてAirペイのサービス提供を行っています。既にAirペイは広く普及した決済方法であり日本政府が推し進めるキャッシュレス化の波にのれば、一気に利用者を増やせることが予想されますが、コインチェックが予定していたコインチェック・ペイに関しては残念ながら新たなアナウンスが行われていません。
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