ビットコイン(Bitcoin/BTC)とは?
ビットコインとは、2009年にSatashi Nakamotoという人物の論文がきっかけで作られた仮想通貨のことです。そこから約3ヶ月後にはその論文の理論を実現するためのソフトが作られ、公開されました。
仮想通貨とは、日本円や米ドルなどの法定通貨(Fiat)のように実際には存在しないが、通貨としての価値はある物で、ビットコイン以外にもイーサリアム(ETH)やリップル(XRP)など、アルトコインと呼ばれる1000種類以上の仮想通貨が存在しています。
通貨であるため、ビットコインには1BTC(1ビットコイン)という単位も存在しています。以前は「通貨」と呼ばれているにも関わらず、使用できる場所がほとんどありませんでしたが、最近ではビックカメラを筆頭に、カフェやバー等もこの仮想通貨で支払える店舗も増えてきており、通貨としての役割が実際に現実化してきています。
また、国内大手取引所である、ビットフライヤー(bitFlyer)は、bitWire Shopというビットコイン決済を導入できるサービスを開始するなど、これまで投機目的として注目されることが多かったビットコインの実用的な側面が注目されるようになってきました。
ビットコインの価格は高騰・下落を続けており、2017年12月には1BTCが200万円を超える日もありました。2017年の12月8日には、ビットコインの時価総額が2,500億ドルにまで登り、日本企業トップのトヨタ自動車の時価総額を超えています。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)の特徴、仕組み
管理者が存在せず、P2Pネットワークで管理されている
ビットコインの大きな特徴として、銀行や政府といった特定の管理者が存在しない、P2Pネットワーク上で取引が行われているということがあります。
P2Pとは、Peer to Peerの略語で、サーバーによって中央集権的に管理されるのではなく、ネットワークに参加するユーザーの端末同士が直接やり取りや取引をする、分散型のネットワークのことです。
以下の図を見てみると、P2Pネットワークの場合、中央に管理するサーバーが存在しておらず、ネットワーク参加者同士が直接やり取りをしていることが分かります。
ビットコインの取引は、P2Pネットワークに参加している全ての参加者のPCに記録されあるため、管理者のみが実態を把握できる、従来の取引形態とは異なり、取引の透明性が高いという特徴があります。
「ブロックチェーン」という革新的な技術によって支えられている
先ほど説明した通り、ビットコインは管理者が存在しないため、銀行や政府といった信頼性のおける管理者が不在であっても、取引の正当性を担保することが必要になってきます。
ビットコイン取引の信頼性の担保を担っているのが、「ブロックチェーン」という革新的な仕組みになります。
これまで行われたビットコインの取引は、「ブロックチェーン」と呼ばれる分散型の取引台帳(参加者全員で管理する取引台帳)に全て記録されています。
ブロックチェーンに記載されている取引は、後述するマイニング(採掘)という仕組みによって、改竄ができないようになっているため、ビットコインは中央管理者なしで、取引の運用をすることが可能になっています。
ビットコインのマイニング(採掘)
ブロックチェーンは、新たに実施されたいくつかの取引がまとめられた「ブロック」が鎖(チェーン)のように繋がれたもので、新しく作成されたブロックが正しいものと認められるためには、マイニング(採掘)と呼ばれる承認作業が必要とされる仕組みになっています。
マイニングのアルゴリズムにはPOW(proof of work)やPOS(proof of stake)など、様々な種類があり、仮想通貨ごとに異なっていますが、ビットコインは、プルーフ・オブ・ワーク(POW)と呼ばれるアルゴリズムを採用しています。
プルーフ・オブ・ワーク(POW)とは、一言で言うと、膨大な計算を最も早く解いたものに新しいブロックの承認の権限が与えらえる仕組みのことです。
最も早く計算を解いたマイナー(マイニングをする人)は、報酬として新しく生み出されるビットコインをもらうことができます。
ブロックチェーンには、「チェーンが分岐した場合、長い方のチェーンを正しい取引とする」というルールがあるため、取引内容を改竄しようとする場合、膨大な計算をし続けて、誤ったチェーンを伸ばし続ける必要があります。
不正なチェーンが正しいチェーンよりも伸ばし続けるのは、非常に難しく、またそれほど優れた計算能力がある場合、正しい取引の承認をして、マイニング報酬を受け取った方が割りが良いという話もあるため、不正が非常に起こりにくくなっています。
発行上限枚数が決まっている
ビットコインは円やドルなどの法定通貨とは異なり、発行上限枚数が決まっています。
ビットコインはマイニングの際に、マイナーに渡される報酬として新規発行されますが、発行上限は2100万枚になっており、それ以上発行されることはないようになっています。
発行上限はそれぞれの仮想通貨ごとに設定されており、発行上限がないものもあります。
また、4年に一度の半減期という時期を迎えると、マイニングによる報酬が半分になります。現在すでにビットコインは、約75%が発行済ですが、半減期がある影響で、2040年までは発行上限に達しないと言われています。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)のメリット
送金手数料が安い
ビットコインなどの仮想通貨は、法定通貨に比べて送金手数料が安いという特徴があります。例えば、日本からアメリカに三井住友銀行を利用して送金した場合、送金手数料は4000円かかりますが、ビットコインなどの仮想通貨で送金する場合は、法定通貨よりもずっと安く送金をすることができます。
取引時間に制限がなく、24時間365日取引が可能
ビットコインを始めとする仮想通貨は、中央集権的に管理されている訳ではないため、送金や売買などの取引が24時間365日いつでもできる点も魅力的と言えます。
ビットコイン(Bitcoin/BTC)のデメリット
スケーラビリティ問題による送金の遅延
ビットコインには、「スケーラビリティ問題」と呼ばれているブロックの容量の問題があります。ビットコインの1つのブロックは、1MBと定められているため、ビットコインが広まり、取引が増加するにつれて、ビットコインの送金スピードが遅延するという問題が発生しています。
こうした送金スピードの低下が、他の仮想通貨と比較したときに、ビットコインの優位性を失わせ、ビットコインの地位を揺るがすきっかけになる可能性があります。
スケーラビリティ問題の解決のために、Segwitという取引サイズを圧縮する技術が導入され、さらにライトニングネットワークという技術の導入も期待されています。さらに詳しく知りたい方は、【Segwit(セグウィット)とは?仕組みやメリット、導入された仮想通貨を徹底解説!】を参考にしてください。
ボラティリティ(Volatility)が高すぎる
ボラティリティとは、「資産価値の変動」のことです。ビットコインだけではなく、仮想通貨全体に言えることですが、株やFXなど他の金融商品と比べて、非常にボラティリティが高く、価格の変動が激しすぎるため、急激な価格の下落によって大きな損失を出す可能性が高いと言えます。
特にレバレッジをかけた証拠金取引の場合は、証拠金維持率が一定の水準を下回り、追証やロスカットが発生し、多額の損失を出すリスクも低くありません。
取引所の安全性・信頼性
2014年に経営破綻した国内取引所の「マウントゴックス」で、100億円以上のビットコインが消失したという事件が起こりました。さらに、国内取引所のZaifでは、ビットコインを始めとする3種類の通貨が流出しました。
Zaifの流出について詳しく知りたい方は、【Zaifがハッキング被害で約67億円相当の仮想通貨が流出!】を参考にしてください。
また、その他の取引所でも、二段階認証をしていなかった投資家のビットコインが不正出金されたという事件も後を絶ちません。こうしたセキュリティリスクは、ビットコインだけではなく、仮想通貨全体の大きな課題であると言えます。