仮想通貨LISK(リスク)とは?
Lisk(リスク)は、仮想通貨の時価総額ランキングで不動の2位のイーサリアム(ETH)に似た特徴を持っていることから、アメリカ版イーサリアムと例えられることが多い仮想通貨です。現在国内取引所では、コインチェック(Coincheck)がLISKを取り扱っており、LISKを購入することができます。
2016年2~3月にかけてICOを行い14,000BTC以上を調達し同年5月にリリースされてのが仮想通貨LISK(リスク:LSK)です。
現在、仮想通貨の時価総額ランキングでは20以内にランクインする人気のアルトコインの1つです。
Liskとイーサリアムの共通の特徴は、仮想通貨のネットワーク上にサービスを作ることができるスマートコントラクトという概念を持っている通貨であることです。
ビットコインのように通貨の取引情報だけを管理するのではなく、取引条件や契約書などの付帯データを取引情報に紐付けて管理できる、スマートコントラクトシステムを採用しています。
※本家のイーサリアムはロシア生まれの仮想通貨で、他にも中国版イーサリアムと呼ばれるNEO(ネオ)という仮想通貨もイーサリアムやLiskと同様、仮想通貨ランキングで上位にランクインする人気の仮想通貨です。
仮想通貨LISK(リスク)の特徴や仕組み
スマートコントラクトの概念を持つ
ビットコイン(BTC)のように通貨の取引情報だけを管理するのではなく、取引条件や契約書などの付帯データを取引情報に紐付けて管理できる、スマートコントラクトシステムを採用しています。
ビットコインのブロックチェーンには、「AさんからBさんに対して3BTCを送金」といったように通貨の取引データだけが記録されていきます。
しかし、実際の取引には「契約書」や「支払い条件」など、さまざまな契約情報が発生しますが、ビットコインのブロックチェーンでは、それらの情報を管理することができませんでした。そこで、それらの契約情報と通貨の取引データを一元管理する目的で開発されたのがスマートコントラクトという概念です。
Liskは、このスマートコントラクト概念を持ったブロックチェーンに紐付ける分散型アプリケーション(DApps)のプラットフォームを持つ点がとても大きな特徴です。
分散型アプリケーション「DApps」とは?
分散型アプリケーションの説明は難しいのですが、一言でいうと、「Liskという仮想通貨のネットワーク上にサービスを作ることができる」というものです。
Liskは、仮想通貨の名称ではなく、分散型アプリケーションプラットフォーム(DApps)というプラットフォームを表す言葉で、そのプラットフォーム上で利用される仮想通貨をLSK(リスク)といい、Liskプラットフォーム上で開発されたサービスで利用することが出来る仮想通貨として開発されました。
Dappsについてさらに詳しく知りたい方は、【Dapps(分散型アプリケーション)とは?将来性や活用事例、定義を解説!】を参考にしてください。
サイドチェーンを利用することでセキュリティが強い
ビットコインのブロックチェーンは取引情報がまとめられたブロックが繋がる形でブロックチェーンが形成されます。BTCの取引が繰り返されることで、ブロックチェーンが伸びていきますが、基本的に1つの長いブロックチェーンを形成します。
しかし、Liskのブロックチェーンでは、LSKの取引が繰り返されることで伸びていくメインのブロックチェーンをメインチェーンと位置付け、そのメインチェーンに対して複数のブロックチェーンを分岐させることで分散型アプリケーション(DApps)のシステムとして利用されています。
そのチェーンのブロックにはDAppsのアプリケーションが紐付けられていきます。メインチェーンに付帯情報を書き込むのではなく、それぞれのDAppsに1つずつ紐付けられたサイドチェーンを用意し、その上に付帯データを記録していきます。
サイドチェーンシステムを使用することで、システム性能能力やセキュリティを向上することが出来ます。DAppsに深刻なバグが発生しても、各DApps開発者がバグが発生する前の正常な状態にロールバックすることができる柔軟性も兼ね備えています。
サイドチェーンについてさらに詳しく知りたい方は、【サイドチェーンの意味とは?メリットやデメリット、実装されている通貨を徹底解説!】を参考にしてください。
プログラミング言語にJavaScriptを使用している
分散型アプリケーション(DApps)の開発言語に人気プログラミング言語のJavaScriptを採用しているので、Webエンジニアは開発にとても参入しやすくなっていて、DApps上で提供されるサービスのバリエーションが今後増加することを期待されています。
Liskと似た思想を持つイーサリアム(ETH)は開発に使用することが出来る言語がマイナーなプログラミング言語である点がデメリットであるという指摘をよく受けています。
マイニングがない?リスクの取引承認作業とは?
取引の承認作業をビットコインなどではマイニングと呼びますが、リスクではフォージング(鋳造)と呼んでいます。
ビットコインがPoW(Proof of Work:プルーフ・オブ・ワーク)と呼ばれる承認システムを採用しているのに対し、リスクはDPoS(Delegated Proof of Stake:デリゲイテッド・プルーフ・オブ・ステーク)と呼ばれる承認システムを採用しています。
PoWが承認作業を一番早く完了した人が承認手数料を受け取ることができるのに対して、DPoSはDApps開発者がリスクの保有量が多い101人を承認者として選び承認作業を行います。
Liskは、ユーザーがメインのブロックチェーンにコードを記録するのではなく、それぞれのDAppsで立ち上げられたブロックチェーンコードを記録します。そのためDApps内の承認システムは、DAppsで立ち上げたブロックチェーンの開発者が自由にカスタマイズできます。例えば承認者の人数を減らすことや、承認システムをPoWやPoSへ変更することも可能です。
LSKの発行枚数の上限がない
ビットコインは2,100万BTCという枚数制限があり、2,100万BTC以上のビットコインは採掘できないようになっています。これに対して、Liskには発行枚数の制限がなく、毎年少しずつLSKの総発行枚数が増えていくため、インフレ通貨と呼ばれています。
LSKがICOで最初に配布されたトークン数は、100,000,000 LSK(1億LSK)でしたが、Liskのブロックチェーン上で新しいブロックが作成されるたびに、総発行枚数に新しく5LSKが追加され、LISKネットワークを保護する代表者101人(ビットコインでいう、マイナー)に報酬として支払われます。
このフォージング報酬は、3,000,000ブロックごとにこの報酬は1LSK減少し、最終的にブロックあたりの報酬は1LSKにまで減ります。総発行枚数に上限はありませんが、発行ペースは一定なので、長期的な視点でみるとインフレ率は減少していき、インフレの心配はありません。
LISK(リスク)とイーサリアムの違い
Liskがスマートコントラクトを採用するなど暗号通貨としての特徴が似ているため、「リスクがイーサリアムから派生したコイン」だと考えている人が多いですが、Liskは独自で開発されたイーサリアムとは異なる仮想通貨です。
Liskとイーサリアムの最大の違いは「サイドチェーンを採用しているか」です。Liskがサイドチェーンを採用しているのに対し、イーサリアムは「メインチェーンに直接、全ての取引データを記録」する方法でスマートコントラクトを運営しています。
ちなみに、イーサリアムでは、2016年6月に当時の価格で65億円(360万ETH)がハッキングによって盗難されるというDAO事件が発生しました。
このDAO事件は、イーサリアム上でスマートコントラクトを利用して開発されたDAOというアプリケーションの脆弱性を攻撃されたことで発生しました。DAO事件をきっかけに、イーサリアムはスマートコントラクトを巡る思想で対立を起こし、イーサリアム(ETH)とイーサリアムクラシック(ETC)に分裂することになりました。
LISK(リスク)の将来性、今後の価格
Liskの2018年以降の将来価格は、どう推移していくのでしょうか?
Liskと同じスマートコントラクトの概念を持った仮想通貨は、Lisk(リスク)、イーサリアム(ETH)、イーサリアム・クラシック(ETC)、ネオ(NEO)などの通貨が存在しています。
時価総額などの面ではランキング第2位のイーサリアム、第15位のイーサリアム・クラシック、第16位のネオ、第17位にLiskというランキングになっていますが、この中でサイドチェーンを採用しているのはLiskだけです。この4種類の仮想通貨ネットワーク上で提供されるサービスのバリエーションが増加することで取引量が増え、価格が高騰する可能性がありますので、投資対象として検討する価値は十分にあると言えるでしょう。
また2017年12月には、リスクのコアアップデートが予定されており、価格上昇が期待されています。
Lisk(リスク)の価格・チャート
2017年の12月中旬には、Liskが暴騰しています。今後も継続的に価格が高騰していく可能性があります。
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