ノックアウト・オプションとは?メリット・デメリットを解説!

 

「FXを始めてみたいけど大きな損失を出すことが怖い」と感じている方におすすめの取引がノックアウト・オプションです。

 

この記事ではノックアウト・オプションの特徴、メリット・デメリットについて紹介していきます。

ノックアウト・オプションの特徴

 

ノックアウト・オプションという言葉を聞いたことがあっても、どういうものか詳しくは分からないという方も多いかもしれません。

 

はじめにノックアウト・オプションの特徴について紹介していきます。

 

ノックアウト価格(損切価格)を決定する

 

ノックアウト・オプションの最大の特徴は、取引の最初にノックアウト価格(損切り価格)を設定するという点です。

 

ノックアウト価格とは損切りを行うラインのことであり、その価格に達すると自動的にポジションが決済される仕組みとなっています。

 

そのため、ノックアウト・オプションでは事前に自身が許容できる損失の幅をあらかじめ決定することとなります。

 

「ブル」もしくは「ベア」を選択する

 

ノックアウト・オプションでは、相場の上昇を予想するなら「ブル」の買いポジションを保有、相場の下落を予想するなら「ベア」の買いポジションを保有します。

 

その後の相場が予想通りに動けば利益が出て、逆の動きとなった場合は損失が出る仕組みとなっています。

 

また予想とは逆に動いてノックアウト価格まで達した場合は、ポジションが自動で決済されることとなります。

 

ノックアウト・オプションのメリット

 

続いてノックアウト・オプションのメリットについて紹介します。

 

ノックアウト・オプションには主に3つのメリットがあります。

 

損失が限定されている

 

ノックアウト・オプションではあらかじめノックアウト価格(損切り価格)を決定することにより、オプション取引のスタート時点で最大損失額が決定されることとなります。

 

通常のFX取引では相場の変動によってはマイナスが大きく膨らみ、想定外の損失を抱えることも少なくありません。

 

FX取引を始めたいけどなかなか始められないという方の多くは、抱える損失の大きさに対する恐怖があるのではないでしょうか。

 

しかし、ノックアウト・オプションであれば、相場がどれだけ大きく動いたとしても最初に決定した最大損失額以上の損失は発生しません。従って初心者の方でも想定以上の損失を抱えるリスクがなく、チャレンジしやすいトレード手法といえるでしょう。

 

また、ノックアウト価格に達した際は自動でポジションが決済されるため、相場から目を離した隙に大きく損が出ていたということもありません。

 

少ない資金で利益を狙える

 

ノックアウト・オプションでは少ない元手資金でも利益を狙うことができます。

 

FX取引では、多額の投資資金を準備する必要があるとのイメージを持たれている方も多いかもしれません。しかしノックアウト・オプションではFX取引と比べ、少ない元手資金で取引を始めることができます。

 

ここでFX取引とノックアウト・オプションの資金効率について比較をしてみましょう。

 

値幅変動に対応するための資金
FX取引(証拠金維持率100%)マイナス1円54,000円
ノックアウト・オプションマイナス1円10,000円(オプション料)

 

FX取引の証拠金維持率を100%として、米ドル/円が110円のときにマーケットが1円変動した際、その値動きに対応するためには54,000円の証拠金が必要となります。

 

一方、ノックアウト・オプションでは同じ相場であっても追証の入金が必要とされないため、オプション料の10,000円だけで取引が維持できます。

 

また、ノックアウト・オプションは通常のFX取引と違って余剰資金を手元に残しておく必要がないため、自身が投資に回したい資金の多くをオプション取引に利用することができるでしょう。

取扱銘柄が多い

 

ノックアウト・オプションは通貨取引だけでなく、日経平均株価やNYダウなどの株価指数、原油や金、天然ガスなどのコモディティまで幅広い商品で取引できるオプションとなっています。

 

FX取引に慣れてきたから他の金融商品でもノックアウト・オプションを始めたいといった幅広いニーズにも応えられるオプション取引といえるでしょう。

 

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ノックアウト・オプションのデメリット

 

様々なメリットが上げられるノックアウト・オプションですが、ここで併せてデメリットについても確認しておきましょう。

 

あらかじめデメリットについても知っておくことで、よりオプションの特徴を理解して取引に臨めるでしょう。

 

指値でエントリー出来ない

 

ノックアウト・オプションでのエントリー時の注文方式は成行注文だけとなっており、指値注文は行うことができません。

 

そのため、リアルタイムでチャートを見ながら成行注文を入れる必要があります。平日の昼間などチャートを随時見ることが難しい方にとっては、少々手間がかかる取引と感じるかもしれません。

 

ただし、エントリー後に利益確定を行う際に指値決済をしたり、ノックアウト価格に達する前に損切を行う際に逆指値決済を行ったりすることは可能です。

 

ノックアウト価格が変更できない

 

ノックアウト・オプションで決定したノックアウト価格は後から変更ができないため、注文後に大きくマーケットが動いた際は対応できないこととなります。

 

そのため、ノックアウト価格の幅を狭く設定していると、少しの為替変動で自動的に損切りされてしまう可能性があります。ノックアウト価格の設定を行う前に、十分マーケット動向を観察しておく必要があるでしょう。

 

ただしノックアウト・オプションではあらかじめ決定したノックアウト価格以上の損失は発生しないため、予期しないマーケットの動きで大きく損失を被るリスクはないといえます。

 

またノックアウト価格に達する前であれば、自身で取引を決済することも可能となっています。

 

取引期間が定められている

 

ノックアウト・オプションでは同じポジションを1年以上保有することができません。

 

ポジションがノックアウト価格に達していない場合でも1年以上の保有はできない仕組みとなっています。

 

また、口数についても最大400ロットまでと上限が定められているため、ノックアウト・オプションでは長期でのポジション保有や、大口のポジション保有をすることができません。

 

あくまで最大損失額を限定しながら、細かい取引を重ねることで利益を着実に積み上げるトレード手法と考えたほうがよいでしょう。

 

最後に

 

この記事ではノックアウト・オプションの特徴とメリット・デメリットについて紹介してきました。

 

ノックアウト・オプションでは取引の最初にノックアウト価格(損切価格)を決定するため、あらかじめ最大損失が限定されていることが大きなメリットといえます。

 

「FXを始めてみたいけど、大きな損失が出るイメージがあって怖い」と考えている方でも、自身が許容できる損失を最初に決定できるノックアウト・オプションであれば始めやすいのではないでしょうか。

 

またノックアウト・オプションは通貨取引以外に、NYダウや日経平均株価などの株価指数や原油や金、天然ガスなどのコモディティ商品でも取引できるため、様々なニーズに応えられるオプション取引といえます。

 

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記事の監修者

中島翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。証券アナリスト資格保有 。

Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12



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