ファンダメンタルズ分析は、仮想通貨やFX、株などの投資やトレードで用いられる分析方法です。
ファンダメンタルズ分析は投資対象の価格予想をする際に効果を発揮しますが、投資の初心者の方の中には「どのような分析なのかよくわからない」という方もいらっしゃると思います。
この記事では、仮想通貨FXのファンダメンタルズ分析の特徴とメリット・デメリットについて詳しく解説します。
仮想通貨のファンダメンタルズ分析とは?
仮想通貨FXの予想と分析を行う手法は多岐にわたります。
一般的にはチャートのローソク足を用いて分析を行うテクニカル分析と、経済状況や金融をもとに分析を行うファンダメンタルズ分析の2種類に分けられます。
社会現象をもとに相場を分析する
ファンダメンタルズ分析は、経済状況や金融などの社会現象をもとに価格変動を予想する手法です。
仮想通貨FXなら経済状況や金利の変動をもとに、株なら財務状況や業績をもとに適正価格を割り出します。
最新ニュースをこまめにチェックすることや、専門知識をある程度理解することが質の高い分析をするために必要です。
比較的中長期の価格予想に用いられます。
テクニカル分析との違いは?
対するテクニカル分析は、過去のチャートの値動きから未来の価格を予想する分析手法です。
統計的指標やテクニカル指標によって、価格の変動を見抜いたりトレンドを見極めたりすることを目的にする手法になります。
比較的短期間の価格予想に向いています。
ファンダメンタルズ分析のメリットは?
ファンダメンタルズ分析には主に以下の4つのメリットがあります。
・価格変動の原因がわかる
・機会損失を回避できる
・リスクを回避できる
・中長期の価格予想に向いている
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
価格変動の原因がわかる
ファンダメンタルズ分析には、世界の経済情勢や仮想通貨に関するニュースを調べることで、価格変動の原因がわかるというメリットがあります。
例えば、2017年に中国政府が国内全ての仮想通貨取引所の業務停止を要請した際は、ビットコインの価格が急落しました。
もし、テクニカル分析だけをしていたなら、ビットコインの急落の原因はわからなかったかもしれません。
機会損失を回避できる
運営側がSNSや公式サイトを通じて、通貨の価格上昇につながりそうな情報を公式発表前に流すこともあります。
ファンダメンタルズ分析で情報収集していれば、価格が上昇する前に通貨を購入して利益を得ることができるかもしれません。
日ごろからファンダメンタルズ分析をしておけば、機会損失を回避することができます。
リスクを回避できる
ファンダメンタルズ分析はリスクを回避することもできます。
例えば、政府による仮想通貨の規制など、価格下落につながりそうなニュースが流れた際に、いち早く情報を得て所有する通貨を売却することができれば損失を最小限に抑えることができます。
中長期の価格予想に向いている
ファンダメンタルズ分析は、通貨の発行元の財務状況や活動内容を参考にするため、中長期の価格予想に向いています。
通貨の開発状況や発行元の財務状況に関する知識があれば、その通貨の今後の価格の変動を予測しやすくなるのは当然です。
ファンダメンタルズ分析のデメリットは?
上記で解説したとおり、ファンダメンタルズ分析には色々なメリットがあります。
しかし、ファンダメンタルズ分析は万能ではありません。仮想通貨の価格変動はテクニカル分析やファンダメンタルズ分析では把握できないケースが少なからずあるからです。
例えば、大口投資家が何らかの理由で保有している大量の通貨を全て売却した場合、通貨の価格は下落します。他の投資家には下落した理由はわかりません。
このように、ニュースに出ない形で価格変動が起こる時は、ファンダメンタルズ分析は機能しないのがデメリットといえます。
仮想通貨FXのファンダメンタルズ分析の大事なポイントは?
実のところ、ファンダメンタルズ分析を使って仮想通貨の適正価格を算出するのはかなり難しいです。
なぜなら、仮想通貨にはFXや株のように明確な指標がなく、価格を性格に算出するのは不可能だからです。しかし、ファンダメンタルズ分析をして通貨の価格がどう動くかを予想することはできます。
ファンダメンタルズ分析の大事なポイントは以下の3つになります。
・経済的な要因
・技術的な要因
・競合通貨の要因
それぞれのポイントについて解説します。
経済的な要因
仮想通貨の価格は、経済状況や国際関係に影響を受けます。
「中国政府の仮想通貨取引の規制」ではビットコインの価格が下落し、「キプロス危機」ではビットコインの価格が上昇しました。
このような国家の政策や経済状況は仮想通貨に影響を与えるため、最新ニュースを常に仕入れる状況を作っておく必要があります。
技術的な要因
例えば、取引所がハッキングされて仮想通貨流出すれば、通貨の価格下落につながります。
他にも、新しい技術の搭載や通貨の分裂騒動などは、価格の上昇要因や下落要因につながることがあります。
なぜならその技術的要因が、今後価格の上昇をもたらすのか、それとも価格の下落をもたらすのか誰にもわからないからです。
仮想通貨界隈は難しい単語や話がたくさん出てきますが、ある程度の専門知識を持っておかないと事象の本質を理解することができません。
競合通貨の要因
仮想通貨には、以下のような類似プロジェクトのために作られた通貨があります。
【決済通貨】・ビットコイン・ライトコイン・ダッシュ
【開発用ツール】・イーサリアム・ネオ・イオス
【フィンテック】・オーエムジー・ビットシェアーズ
上記以外にも、類似したプロジェクトの通貨はたくさんあります。
類似したプロジェクトの競合通貨を【市場規模・時価総額・発行枚数】などから分析し、競合通貨の適正な価格をある程度把握することが可能です。
仮想通貨FXのファンダメンタルズ分析における大切な用語
仮想通貨でファンダメンタルズ分析を行う際は、覚えておくべき用語がいくつかあります。ここでは、仮想通貨独自の分析材料となる以下の3つの用語について解説します。
・FUD
・半減期
・バーン
FUD
仮想通貨の情報収集をしていると、「FUD」という用語を目にします。FUDとは、Fear(恐れ)、Uncertainty(不安)、Doubt(疑惑)の頭文字を取った造語です。
FUDは、「ネガティブ・キャンペーン」や「デマ」という意味合いで使われます。
仮想通貨の世界では、あえてデマの情報を流すことで通貨の価格を操作しようと考える人たちがいます。そのデマのことをFUDと呼び、「その情報はFUDです」というように注意喚起に使われます。
仮想通貨FXでファンダメンタルズ分析を行う際は、信用できる情報源を見つけてFUDに騙されないようにすることが大切です。
半減期
半減期とは、仮想通貨のマイニング報酬が半減するタイミングのことです。
ビットコインの半減期はおよそ4年に一度の周期で訪れ、半減期の前後はビットコインの価格が大きく変動しやすいという特徴があります。
そのため、仮想通貨FXのファンダメンタルズ分析をする上で、半減期は欠かせない要素です。
バーン
バーンとは、既に発行して市場に流通している仮想通貨の供給量を減らすことで通貨の希少価値を上げ、価格を上昇させることです。
半減期と同様に、バーンも通貨の価格に影響を与える可能性があるため、仮想通貨FXのファンダメンタルズ分析には書かせいない要素となっています。
まとめ
この記事では、仮想通貨FXのファンダメンタルズ分析の特徴とメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
ファンダメンタルズ分析を行えば、機会損失やリスクの回避、中長期の価格予想に役立つなどのメリットがあります。
ただし、ファンダメンタルズ分析を行えば常に正しく価格の予測ができるわけではないため、注意が必要です。