仮想通貨オーガ(Augur)とは?
Augur(オーガ)は2016年10月に運用が開始された未来予測市場のプラットフォームで、仮想通貨ランキング2位のイーサリアム(ETH)のシステムを利用して開発されました。
Augur内で利用される通貨単位は「REP」で、Reputation(レピュテーション:評判)の意味です。Augur(オーガ)という言葉は、「占い師」を意味していて、ギャンブルなどの未来予測市場(占い・予想)を大きく改革する可能性のあるプラットフォームとして期待されています。
2017年6月頃には、仮想通貨の時価総額ランキングで10位以内にランクインする人気通貨でしたが、現在では、30位以降まで後退しています。
ギャンブルなどの未来予測市場を変える?
ギャンブルなどの賭け事を行なう市場のことを、「未来予測市場」と言いますが、この未来予測市場には、基本的に賭け事が適切に運営されるように取り仕切る胴元(運営元・仲介者)が存在しています。この胴元は、賭けの場を不正が行なれることなく運営し、参加者に対する配当金などをルールに則って配当する代わりに、その仲介料として多くの利益を得ています。
Augur(オーガ)は、ギャンブルなどの未来予測市場において、運営元(胴元・仲介者)の存在をなくすことで、運営元にがっつり取られていた仲介料を参加者に還元するという目的を持って開発された仮想通貨になります。
仮想通貨オーガ(Augur)の特徴や仕組み
分散型「未来予測」の実現
オーガはイーサリアムのスマートコントラクトを応用し未来予測を行うプロジェクトで、「分散型未来予測」と呼ばれています。予測市場とは未来の結果予想を商品として扱う市場で、日本の公営ギャンブルである競輪、競馬、競艇やワールドカップの優勝国などを予測する海外のブックメーカーなどが該当します。
一般的に、ギャンブルには必ず胴元と呼ばれる仲介者が存在します。予想を外した賭け金は没収され、胴元の手数料を差し引き予想を当てた人に配当されます。胴元がゲームから配当までの全てを管理するため、オッズ(予想配当率)や結果が不正に操作される可能性があります。
胴元が仲介しないため、公平な運営と多額の仲介手数料を取られることがないため、非常に公平でオープンなブックメーカーのシステムになることが出来ると期待されています。
レポーターによるレポート(事実認定)の仕組み
ブロックチェーンを利用することで、未来予測に関する取り決めごと、ルール、オッズの決定から分配金の管理が自動で行うことが出来ることはわかりましたが、賭け事の勝敗を決める方法(事実認定の方法)はどうやるのでしょうか?
この事実判定の方法として、Augurにはレポーターと呼ばれる人たちが事実を認定する役割を担います。
レポーターは認定作業を行い、正しい事実を報告したら報酬としてREPを受け取ることができ、間違った事実を報告した場合は、REPが減少します。
この報告が正しいか間違っているかは、多数決で決まります。これは「群衆の知恵」(The wisdom of the crowd)という理論に基づいたオーガーのコンセプトから決められています。日本のことわざでいう「三人寄れば文殊の知恵」と同じ考え方です。
セキュリティが強い
Augur(オーガ)はデータはすべてブロックチェーンに記録・管理するので、不正操作やハッキングを行うことは非常に難しいです。そのため、不正の心配をなくした分散型未来予測を運営することが出来ます。
誰でもブックメーカーになることができる
分散型未来予測のシステムの実行に必要とされるのは次に挙げる4つの条件です。
- 誰でも予測を提案できること
- 誰でも予測に参加できること
- 予測結果を分散的に判断できること
- 予測が当たったものに対する配当が自動的行われること
スマートコントラクトを利用したオーガーの分散型ソフトウェアは、一般的な未来予測市場の運営元が行っている「未来予測」の予想に関する取り決め事(ルール)とその記録、オッズの決定、予測内容の事実認定、掛け金の管理、分配金の精算をブロックチェーンで自動で行ないます。
現在、オーガで利用できる未来予測市場
2017年12月、現在オーガーで提案できる予測市場は次に挙げる3種類です。
- バイナリー(Yes or No Markets)
- マルチチョイス(Multiple Choice Markets)
- スカラー(Numericak Range Markets)
バイナリー(Yes or No Markets)は、最もシンプルな「Yes or No」で予想できる質問を設定します。例えば、「2018年のワールドカップ初戦で日本は勝利するか?」といった、YesかNoで答えられる質問を設定し、未来予測に参加することが出来ます。
マルチチョイス(Multiple Choice Markets)は、複数の選択肢がある問いを設定することが出来ます。
例えば「2018年のワールドカップでどこが優勝するか?」などの質問が該当します。
スカラー(Numericak Range Markets)は、一定の範囲内に収まる結果を問う質問を設定します。
例えば「2020年東京の最高気温はどうなりますか?」などの質問が該当します。
これらの未来予測には、オーガーが作成したアドレスにbitcoinやEtherを送金すれば誰でも参加できます。そしてオーガーのシステム通貨のREPを支払えば誰でも自由にブックメーカー(胴元:賭けの場を提供する側)になることができます。
仮想通貨オーガ(Augur)の将来性や今後の価格
Augur(オーガのチャート)
オーガーが保険に使用される可能性がある
ブックメーカーとしての側面が注目されるオーガーですが、実は仮想通貨の出現が金融革命を起こしたといわれるように、オーガーの予測市場プラットフォームを保険市場に転用することで保険革命を引き起こすのではないかと注目を集めています。現在の一般的な医療保険と発病を予測した場合のオーガーの運営システムは、次に挙げるよう非常に似たようなシステムだといえます。
保険会社の運営システム | Augur(オーガー)の運営システム | |
---|---|---|
適用の条件 | 保険料を払い続けることで保険が適用される | 病気にかかると予測し、賭け金を払い参加し続ける |
適用期間 | 発病した場合も保険期間外の場合は保険料が支払われない | 発病しても予測期間外の場合は配当を受けられない |
事実認定 | 発病したことを証明するために、医者などの診断が必要である | 発病したことを証明するために、医者などの診断が必要である |
レポーターの存在 | 医師などの診断結果が正しいと保険会社に認められた場合のみ保険金が支払われる | 医者をレポーターとし、診断結果が正しいと判断されれば配当金が支払われる |
このように保険とオーガーのシステムは共通点が多いことから、オーガ上で保険の仕組みを開発することが可能だと言われていて、さらにオーガを適用することで煩雑な事務処理をスマートコントラクトで自動で処理することが可能になり、より効率的になると言われています。
カジノ賭博の新しいプラットフォームに
日本では国内法によって、賭博行為が禁止されているため賭博を行うことはできませんが、海外では、オンラインカジノやブックメーカーは急激に成長しています。これらの胴元に取って代わる、または、導入されるような仕組みを持つオーガには今後も期待を持つことが出来ます。
オーガを使用したカジノプラットフォームで賭け事をやるより、今後まだまだ仮想通貨の取引人口が増加することが予想されるこの時期にオーガに投資して、高騰を期待する方が勝率は高いかもしれませんね。
オーガは国内取引所では、コインチェック(Coincheck)で購入することができます。
また、さらに詳しくAugurを購入することができる取引所について知りたい方は、【オーガ(Augur/REP)におすすめの取引所、買い方、購入方法】を参考にしていただければと思います。