仮想通貨とは何か?仕組みや法定通貨との違いを分かりやすく徹底解説!

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仮想通貨とは?

仮想通貨とはインターネット上に存在する実体の無い暗号化されたデジタル通貨の事で、財産的価値を持っています。英語ではCrypto Currency(暗号通貨)と呼ばれています。

 

2017年4月に施行された資金決済法第2条5項では、仮想通貨は、以下のように定義されています。

 

①物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

②不特定の者を相手方として相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

 

つまり、簡単に説明すると、IT技術を用いて誰でも支払い等に使用でき、相互に交換できる財産価値を持つものという事になります。

 

仮想通貨の普及率について、ダリア・リサーチがアメリカ、イギリス、ドイツ、ブラジル、日本、韓国、中国、インドの8ヶ国で調査を行った結果によると、保有率平均は7%でした。しかし、この8ヶ国は仮想通貨先進国に含まれており、それ以外の国も含めると普及率は1%未満であると言われています。

 

現在世界におけるインターネットの普及率は5割程度、スマホの普及率は3割程度になります。インターネットが普及する事で、デジタル通貨である仮想通貨も自然と普及していくと言われています。日本における仮想通貨の認知度は83%(2位)、理解度は61%(1位)、保有率は11%(1位)と、上位にランクインする結果となりましたが、購入欲は3%の7位という結果になっています。

仮想通貨の位置づけ

今まで通貨と呼ばれているものは、一般的には日本円やドルなどの「法定通貨」の事になります。法定通貨の括りの中には、法定通貨と互換性のある電子マネーやポイントなどの「代替通貨」があります。その枠とは別に、新しく「仮想通貨」という枠ができました。仮想通貨の中で更にビットコインとアルトコイン(ビットコイン以外)に分かれています。

法定通貨と仮想通貨の説明画像

仮想通貨と法定通貨の違い

仮想通貨と法定通貨の違いについて、「発行主体」、「発行上限」、「実体の有無」、「価格の決定方法」、「取引場所」の5つで比較し、表にまとめました。

 

項目法定通貨仮想通貨
発行主体各国の中央銀行が発行しているプログラムによって自動的に発行している
発行上限発行上限は無い通貨毎に上限が決められている
実体の有無硬貨や紙幣などの実体があるデジタルデータのみで実体は無い
価格の決定方法物価上昇率によって変動する需要と供給のバランスで決まる
取引場所銀行や証券会社など仮想通貨取引所

仮想通貨の特徴

中央管理者が存在せず、分散型で管理されている

法定通貨は中央銀行が発行し管理していますが、仮想通貨にはそのような中央管理者が存在せずに分散型で管理されています。仮想通貨のデータには誰でもアクセスする事ができ、複数のコンピューターによってユーザー同士が管理する事で成り立っています。

P2Pネットワーク説明 (1)

 

常にユーザー同士で監視し合っているので特定の管理者を信用するといった必要が無くなります。これを可能にしているのがブロックチェーンという技術です。

一部を除いて、発行上限がある

法定通貨には発行上限が無いため中央銀行が状況に応じて発行量を変えたりする事ができますが、発行しすぎる事によって、インフレーションが起きて価値が暴落することがあります。仮想通貨の場合は一部を除いて発行上限が定められていおり、それによって通貨の価値を高めてインフレーションを防いでいます。

電子マネーとは異なり、換金することができる

電子マネーと仮想通貨は換金できるか否かという点でも異なっています。SuicaやPASMOでは電子マネーが使われていますが、それらは一度チャージすると換金できません。その理由は、換金できるという事はお金を預かっているという事になり、銀行と同じ業務をする事になってしまうからです。仮想通貨の場合は、仮想通貨から法定通貨、法定通貨から仮想通貨のどちらでも自由に変換できます。

仮想通貨の仕組み

仮想通貨は、ブロックチェーン、電子署名、マイニングという3つの仕組みによって、安全に取引ができるよう成り立っています。

ブロックチェーンによって取引が記録される

ブロックチェーンアイキャッチ

ブロックチェーンは、取引データ等のデータがブロックに保管され、それらが鎖状に繋がり全て記録されるという仕組みになっています。取引が行われるとその取引が正しいものであるか検証され、それが認められると初めてブロックに記録されてブロックチェーンに繋げられます。この作業は複数のコンピューターによって行われており、ブロックチェーン上の記録は理論上改竄できないとされています。

 

ブロックチェーンについてさらに詳しく知りたい方は、【ブロックチェーンとは?仕組みや活用例を図解付きで分かりやすく説明!】を参考にしてください。

電子署名によって不正に送金を行えない

電子署名とは、暗号化技術を用いて発行者が本人であるのかどうかを確認できるシステムです。仮想通貨では、誰から誰に通貨を送ったかという取引証明書(トランザクション)によってやり取りが行われています。トランザクションは本人のみが使える秘密鍵というもので暗号化され、暗号を解く為には第三者に公開されている公開鍵を使います。

 

例えば、AさんがBさんに送金する場合、Aさんは秘密鍵によってトランザクションを暗号化します。暗号化したトランザクションは公開され、Aさん以外の第三者が公開鍵で暗号を解きます。暗号を解く事ができれば、Aさんの秘密鍵によって暗号化された事が証明されます。

 

この電子証明によって、悪意のある第三者によって勝手にトランザクションを作られて送金させられてしまうといった事態を防いでいます。

マイニングによって取引の改竄が防止される

ブロックチェーンのブロックには取引データの他に、以前のブロックを暗号化した数値(ハッシュ値)が含まれており、ブロックが書き換えられるとその数値も変化するという特徴があります。データを改竄するとそれ以降のブロックと整合性が取れなくなるので、不正を発見する事ができます。

ブロックチェーン改善_整合性説明

 

その数値が正しいか検証する作業をマイニングといい、常に複数のコンピューターが参加して行っています。マイニングに成功するとブロックが生成され、仮想通貨が新規発行される仕組みですが、それには非常に膨大な計算が必要になります。

 

また、ブロックチェーンには「最も長いブロックチェーンが正しい」という決まりがあります。データの改竄をしようとすると、その膨大な計算を全てのブロックで行い、かつ、最も長いブロックチェーンを上回る速さで計算しなければならなくなるので理論上は不可能という事になります。

仮想通貨の使用用途

買い物

いくつかのお店では仮想通貨を使用して買い物をする事ができます。例として、家電量販店のビックカメラでは早い段階からビットコイン決済に取り組んでおり、現在は全店舗とネット販売でビットコイン決済が可能です。仮想通貨決済を導入する事で、支払いをスムーズにできたり、外国からの観光客は両替の必要が無いなどのメリットがあります。

 

ビットコイン決済についてさらに詳しく知りたい方は、【ビットコイン決済とは?決済の方法や使用できる店舗を紹介!】を参考にしていただければと思います。

公共料金の支払い

Coincheckでは「Coincheckでんき」というサービスを行っており、電気代をビットコインで支払う事ができます。決済は今までどおり現金で、削減した電気代の分をビットコインで還元するプランや、ビットコイン決済にする事で電気代が安くなるブランなどがあります。

 

海外においては、フィリピンやオーストラリアなどが公共料金の支払いに仮想通貨を導入しています。

投資

仮想通貨は他の金融市場と比較して価格変動が大きく、より大きな利益が得られる可能性があるため投資に利用する人が多くいます。仮想通貨投資は24時間365日取引ができたり、取引所によっては手数料が無料であったり、他の投資には無いメリットがあります。

仮想通貨のメリット

価格上昇によって利益を得ることができる可能性がある

ビットコインを例に出すと、2010年から2017年までの間に価格が30万倍にもなっています。世界各国では仮想通貨によって億万長者になったり、日本では1億円以上稼いだ人達を「億り人」と呼んだりと大きな話題になりました。2018年始めからは仮想通貨の価格は下落の一途を辿っていますが、この先再び上昇するとも予想されています。

国際送金を早く、安く行うことができる

仮想通貨による送金は銀行のような仲介を必要としないので、国際送金であってもほぼ無料で送ることができます。また、仮想通貨は世界共通で使う事ができるので両替をする必要がなく、インターネット上で処理が行われるのでスピードも早く送金ができます。

仮想通貨のデメリット

取引所のハッキングリスクがある

取引所ではインターネット上に大量の資産が保管されているのでハッカーに狙われやすく、コインチェックやZaifなどの取引所がハッキングされる事件が相次いで起き、取引所のセキュリティ向上が課題となっています。また、ユーザーは取引所に資産を保管するのではなく、自分専用のウォレットに保管するなど個々の対策も必要です。

価格が安定していないため、実用化に課題がある

現在の仮想通貨の市場は小さい為ちょっとした事で大きな変動が起きてしまい、1日で10%~20%変動するといった事もよくあります。価格の変動が激しいために、仮想通貨決済が中止になってしまった企業や店舗もありました。仮想通貨の実用化を進めるためには価格が安定する事が必要ですが、まだ時間がかかるとされています。

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