2018年は仮想通貨の価格が大きく下落
仮想通貨市場は2017年末から2018年初めにかけて盛り上がり、ビットコイン(BTC)は200万円超え、リップル(XRP)は400円近く、NEM(XEM)は200円近くの高値を記録するなどしました。しかしその後は下落の一途をたどり、1か月後の2月6日には70万円を割り、下落率65%を記録しました。
その後、一時的な反発を見せ、約120万円前後まで上昇を見せる場面もありましたが、記事執筆時点では72~76万円前後で推移しています。また、イーサリアムは年初15万円前後で推移していましたが、9月には2万円を割り込み、約86%下落を記録しました。
2018年の仮想通貨の下落要因まとめ
2018年1月
2018年1月は、各国の仮想通貨規制やコインチェックのハッキング事件があり、1月7日の年初最高値1,994,000円から1月31日は1,098,000円まで下がり、約45%下落が起こりました。
特にコインチェックで580億円相当のNEMが流出したこと、韓国政府が全ての仮想通貨取引所の閉鎖を検討していることを発表し、ドイツ、フランスでも規制の動きがあったことは市場に大きなインパクトを与えました。
2018年1月の下落要因についてさらに詳しく知りたい方は、「仮想通貨・ビットコイン下落要因!時系列で振り返る【2018年1月ニュース】」を参考にしてください。
2015年から4年連続で1月に大暴落が起こっており、さまざまな陰謀説がささやかれています。この1月の大暴落を「January Dip」と呼び、なぜか毎年1月に大暴落すると言われています。
2018年2月
テザー社が発行する仮想通貨テザー(USDT)は、ドルと同等の価値を持つ通貨で1USDT=1ドルに保たれていますが、その価値を保つには市場に出回っているテザーと同額のドルをテザー社が保有している必要があります。
しかし、テザー社が同額のドルを保有していないのではないかといった疑惑が起こった事で一斉に売りが入りました。また、テザーを新規発行した数時間後にビットコインの価格が上昇する事から、テザーがビットコインの価格操作に使われているのではないかという疑惑も浮上しました。Tether疑惑については、【CFTCがUSDT疑惑で、BitfinexとTetherに召喚状を送付!】を参考にしてください。
また、中国では国内取引所の利用は禁止されましたが、中国投資家は海外プラットフォームを利用してトレードやICO投資を行っていました。しかし、2月6日に中国国外の仮想通貨取引プラットフォームサイト等も取り締まりを行うと発表し、規制が始まりました。
この他にも、アメリカの銀行にてクレジットカードでの仮想通貨購入の禁止、イタリアの仮想通貨取引所BitGrailのハッキング事件などがありました。
2018年3月
3月19日から20日にかけてG20が開かれ、仮想通貨について議論がされました。議論の結果、仮想通貨は禁止ではなく犯罪防止の為の規制をしていくという方向で決まりましたが、厳しい規制がされるのではないかという不安から、G20まで価格の下落が続きました。
また、3月はグーグルとツイッターが仮想通貨関連の広告を禁止することを発表しました。ツイッター社は禁止の理由について、詐欺的な悪質な広告と本物の広告を見分けるのが不可能であるため、ユーザーを保護する事を目的として禁止に至ったとの事です。
ツイッターの広告禁止については、【ツイッターもICOや仮想通貨関連の広告を禁止か!】を参考にしてください。
2018年4月
4月6日にコインチェックはマネックスグループの完全子会社となる事が発表されましたが、流出したNEMの回収はほぼ不可能という事がわかりました。また、仮想通貨交換業のみなし業者の淘汰が加速し、登録業者にも立ち入り検査が行われました。
4月の値動きは上昇傾向が強く、その要因として、スペイン大手銀行のサンタンデール銀行がリップルと提携した事、ビットコインがイスラム法で認められた事、アメリカにおいて確定申告に伴う仮想通貨の売却が終わった事などが考えられます。
2018年5月
5月16日~19日にかけてBitcoin Gold(BTG)に51%攻撃がされ、被害額は約20億円にのぼりました。Verge(XVG)のバグを悪用した攻撃が4月にありましたが、5月22日と29日にも攻撃を受け約2億9000万円の被害がでました。5月13日~15日にかけてモナコイン(MONA)への攻撃があり、約980万円の被害がでました。
また、日本では指定暴力団がマネーロンダリングに仮想通貨の取引を利用していた事がわかり、およそ300億円を洗浄されたと報道がありました。他にも、ノーベル経済学賞受賞学者のシラー氏が仮想通貨へ警告や、EOS運営がETHを大量売却などの下落要因がありました。
2018年6月
2018年6月11日に、韓国の取引所コインレールが40億円のハッキング被害を受けました。規模の大きな取引所ではなく、下落の原因ではないとも言われていましたが、相次ぐハッキングによって、投資家が神経質になっているともいわれていました。
また、4月から行われていた国内仮想通貨交換業登録業者への立ち入り検査の結果、6社に業務改善命令が出されました。業務改善命令を受けた会社は、QUOINE株式会社、株式会社bitFlyer、BTCボックス株式会社(BTCBOX)、ビットバンク株式会社、株式会社ビットポイントジャパン、テックビューロ株式会社(Zaif)です。
2018年7月
7月は、比較的ポジティブなニュースが多かったですが、ウィンクルボス兄弟が申請していたビットコインETFが、米国証券取引委員会(SEC)により否認というバッドニュースがありました。
2018年8月
ゴールドマン・サックスが仮想通貨ファンド向けの保管サービスを検討している事や、アラブ首長国連邦のADABソリューションズ社がイスラム教徒向けの仮想通貨取引所の開設などの良いニュースが発表されましたが、相場は全体的に下落が続きました。
海外仮想通貨メディアのNewsBTCは、消費者による仮想通貨の需要低下に伴い、OTC(相対取引)市場の割合が高まり、それが今回の下落に影響しているのではないかという予想をしました。OTC市場の独占率が高まる事で、価格操作が行われやすくなるのではないかと懸念されています。