韓国政府がすべての取引所の閉鎖を検討していると発表!
現地時間2018年1月18日、韓国金融委員会の崔鍾球(チェ・ジョング)委員長は「政府が国内のすべての仮想通貨取引所を閉鎖すること、または法に違反している仮想通貨取引所を閉鎖することの「両方の選択肢」を検討している」と発言しました。韓国政府による規制強化の強まりから、韓国の仮想通貨市場は大きく下落し、中でもビットコインは17日の一日で18%の下落を記録しました。
この発言より前、1月11日には朴相基(パク・サンギ)法相が「仮想通貨の取引所取引を禁止する法案を法務省が準備している」ことを明らかにするなど、連日、韓国における仮想通貨取引の規制が強まるニュースが話題になっています。
しかし、この法務部長官の発言に対して、韓国の若者を中心に署名運動も活発化し、請願書に20万人分の署名集めて韓国政府に対して抗議を行なうなど国内では反発が強まりました。
市民からの反発が予想以上に大きかったことから、韓国政府は急遽「仮想通貨取引をいますぐ禁止することはない」と慌てて発表し、法相の発言は政府の発言ではなく、単独の発言だとしています。
韓国における規制強化の背景
これまで、韓国政府は自国の仮想通貨取引市場が過熱していることを懸念し、「投資家保護の観点」や「マネーロンダリングの防止」を目的に法整備・規制を強化していました。
韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は「韓国銀行(中央銀行)が将来的に仮想通貨を発行する可能性があることから、長期的な観点で仮想通貨について調査を開始した」と話すなど、仮想通貨の可能性に関しては大いに期待しつつも、加熱している現在の国内の仮想通貨取引市場に対する懸念を表明しています。
さらに、韓国では「サイバー攻撃」や「悪質な業者」による被害が拡大していることも規制強化の一因と言われています。2017年4月以降から相次ぐ「サイバー攻撃」により、被害総額は約93億円にもなると推定されています。
2017年6月には、国内最大の取引所が「サイバー攻撃」によって、3万6000人余りの会員情報が流出しました。また韓国では「悪質な業者」に資金をだまし取られるなどのトラブルも増加しています。
それ以外にも、「韓国の仮想通貨取引所の脱税疑惑」などが噂されていますが、法規制が遅れている中で急拡大した仮想通貨市場について今後規制を強化していくことは間違いありません。
しかし、韓国では若者の失業率が高く、仮想通貨に夢を見て投資をしている人も多いことから仮想通貨の過度の規制・取締に対して反対運動も強まっているので、今後の韓国政府が行なう仮想通貨の規制に関しては注目が必要です。
また、各国の規制状況については、【各国の仮想通貨・ICOへの規制状況まとめ】にまとめてありますので、こちらも是非参考にしていただければと思います。