価格変動が大きなことで知られる仮想通貨に対して、「ギャンブル性の高いマネーゲーム」というイメージを持つ方が多く存在するようですが、仮想通貨取引は取引方法を工夫することで手堅く取引することも可能です。手堅い取引を実現する仮想通貨の積立投資を紹介します。
2019年11月6日、コインチェックが「Coincheckつみたて」を開始しました。現在、取引所内サービスとして仮想通貨積立を行っているのは、日本国内ではコインチェックのみとなります。他の取引所では、ご自身で計画的に仮想通貨を購入していく形となります。
ゼロ金利政策が続き「資産運用を行い自力で資産を増やす」という考え方が普及し個人投資が活性化するなか、効果的な資産運用先として仮想通貨取引を選択する方が増えています。
仮想通貨積立投資とは
仮想通貨取引の際にどのようなリスクヘッジを行うかがトレーダーにとって重要なテーマだと言えますが、リスクを避けながら仮想通貨取引を行いたいと考える方におすすめの取引法が「積立投資」です。積立投資は一定額を定期的に投資するする取引法で「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、古くからさまざまな投資に用いられてきた投資法です。
仮想通貨取引は非常に魅力的な資産運用手段だと言えますが、仮想通貨取引の特徴であるボラティリティは大きな利益を得られる可能性がある半面、大きな損害を被るリスクを兼ね備えているのも事実です。
ある瞬間に大きな資産を仮想通貨取引に投資するスポット購入よりも、長期的に分散購入することでボラティリティが大きな仮想通貨でも手堅い取引が行えます。
なぜ仮想通貨取引にハイリスク・ハイリターンのイメージが付きまとうのか?
以前は個人投資家の資産運用先として株式投資やFX(外国為替証拠金取引)が注目され活用されてきましたが、2015年頃から仮想通貨が脚光を浴び始め2017年に巻き起こった仮想通貨の世界的ブームは記憶に新しいところです。
現在の個人投資ブームの起爆剤となった仮想通貨取引ですが、他の金融商品と比べるとボラティリティ(価格変動)が大きいことから、仮想通貨取引に対して「ギャンブル性の高いマネーゲーム」という印象を持つ方が少なくないのも事実です。
仮想通貨のボラティリティ(価格変動)が大きくなる要因
資産運用先として挙げられる株式投資は1878年から、FXは1998年から国内で取り扱われるようになりました。しかし2008年に論文が発表され2009年に誕生した仮想通貨は国内初のビットコイン取引所の設立が2011年、仮想通貨取引所設立が2014年と新興市場であることは否めません。
新興市場であることで価格安定が難しいことが仮想通貨のボラティリティの大きさに影響していると考えられますが、さらに仮想通貨は次の特徴を持つことがボラティリティを大きくする要因として挙げられます。
仮想通貨取引には値幅制限が存在しない
証券取引では株価の異常な暴騰や暴落を防ぐため1日に変動できる株価の上限と下限を定め値幅制限内で取引が行われますが、仮想通貨取引には値幅制限が存在しないため1日の値動き幅が大きくなるケースがあります。
実際に2017年12月7日には始値1,503,528円に対して高値が2,027,725円と524,197円もの激しい値動きでの取引が行われています。
仮想通貨の運用が投資ではなく投機として行われている
一般的には中長期のレンジで着実に資産を増やすことを目的に行う資産運用を投資、ハイリスク・ハイリターンを狙って短期間取引を行うことを投機と呼びます。
資産運用先に仮想通貨取引を選択するのが近年のトレンドとなっていますが、仮想通貨取引で行われる資産運用の多くが投資ではなく投機として行われている点も、仮想通貨のボラティリティが大きな要因だと言えるでしょう。
中長期の取引が行われる投資市場の価格変動は緩やかで、短期取引が行われる投機市場は短期売買を繰り返されるため値動きが安定せず、ボラティリティが大きくなる傾向にあります。
毎月1万円で仮想通貨への積立投資を行った場合のシミュレーション
実際に2019年1月から6カ月間、毎月15日に1万円分のビットコインを購入するケースで積立投資をシミュレーションすると次のようになります。
積立期間 | 市場価格 | 購入枚数 | 投資合計額 | 購入合計額 |
1ヶ月目 | 393,117 | 0.025 | 10,000 | 0.025 |
2ヶ月目 | 394,625 | 0.025 | 20,000 | 0.050 |
3ヶ月目 | 432,275.5 | 0.023 | 30,000 | 0.073 |
4ヶ月目 | 567,675 | 0.017 | 40,000 | 0.090 |
5ヶ月目 | 884,503.5 | 0.011 | 50,000 | 0.101 |
6ヶ月目 | 948,632.5 | 0.010 | 60,000 | 0.111 |
※市場価格は1日の中で変動するため、安値と高値の中間値である中値でシミュレーションしています。
6ヶ月で6万円の投資を行い合計0.111枚のビットコインを購入しましたが、6カ月目の市場価格の中値が948,632.5円となっているため0.111枚の仮想通貨の資産価値は約105,298円となり、45,298円の含み益が発生しています。
投資する仮想通貨銘柄の市場価格が順調に伸びている場合、既に購入済みの通貨の資産価値が高騰するので効果的な資産運用が行えます。当然市場価格が下落する場合もありますが、成長を見込んだ通貨銘柄であれば目先のボラティリティに惑わされずホールドし価格が高騰したタイミングで売却すれば売却益を得ることができます。
仮想通貨の市場価格は数秒単位で変動しますので、スポット購入を行うトレーダーはチャートから目が離せなくなってしまうものですが、毎月1万円で積立投資を行えば価格変動に囚われずにコンスタントに投資する通貨銘柄を購入するだけです。
投資する通貨銘柄の市場価格が下落すれば多くのコインを購入できますし、高騰すれば購入する量が減少します。積立投資を仮想通貨取引で行うモデルケースとして、毎月1万円を仮想通貨に投資する投資スタイルをイメージすると積立投資の方法が掴みやすいでしょう。
おすすめの仮想通貨に関しては、【仮想通貨おすすめランキング!人気銘柄を時価総額・将来性で比較!】を参考にしてください。
仮想通貨の積立投資のメリットとデメリットは?
既述の積立投資シミュレーションでは毎月1万円、合計6万円の投資で6カ月後には45,298円の利益が出ましたが、実際の仮想通貨取引ではこれ以上の利益を得られる可能性も6万円を失ってしまうリスクも存在します。
積立投資はリスクの低いおすすめの仮想通貨投資法ですが、メリットと共にデメリットも存在するので紹介します。
仮想通貨取引を積立投資で行うメリット
決まった金額で定期的に仮想通貨を購入する積立投資を利用して仮想通貨取引を行う主なメリットとして次の4つが挙げられます。
- 少ない投資額で取引を始められる
- 仮想通貨取引市場のボラティリティに惑わされない取引ができる
- 専門知識を持たずに仮想通貨取引が行える
- 半自動的に行う積立なので仮想通貨取引に時間を取られない
定期積立ですので少額の投資資金で仮想通貨取引が行えるのはビギナートレーダーにとって魅力的ではないでしょうか?また購入期日を決めて取引するため取引市場のチャートを気にすることなく、専門知識や最新情報を持たずに気軽に投資が行えるのもメリットです。
仮想通貨取引を積立投資で行うデメリット
仮想通貨の積立投資はメリットの多い取引法だと言えますが、デメリットも存在します。
積立投資で仮想通貨取引を行うデメリットとして次の4つが挙げられます。
- 投機的な短期間でのハイリターンが望めない
- 利用する取引所で取引手数料が発生する
- 期日を決めた取引のため高掴みの可能性がある
- 仮想通貨取引の醍醐味を味わえない
仮想通貨取引で一攫千金を狙いたい方にとって積立投資のシステムは効果的ではありませんし、取引コストを抑えたい方にとっても取引所で生じる手数料はデメリットに感じるのではないでしょうか?またタイミングによっては高掴みが発生しますし、取引のコントロールを行わないため仮想通貨取引の醍醐味を味わうことは難しいと言えます。
仮想通貨積立ができるおすすめの取引所
以前はZaifコイン積立が手数料も安く、非常に便利でしたが、現在はサービスを停止しています。2019年11月6日、コインチェックが「Coincheckつみたて」を開始しました。現在、取引所内サービスとして仮想通貨積立を行っているのは、日本国内ではコインチェックのみとなります。他の取引所では、ご自身で計画的に仮想通貨を購入していく形となります。
ボラティリティが大きい仮想通貨取引で手堅い取引を実現するために積立投資は非常に効果的だと言えますし、積立でアルトコインの取引が行えれば積立で得られる利益が大きくなる可能性が高くなると考えられます。
コインチェック(Coincheck)
仮想通貨積立で大きな利益を期待するには、やはりアルトコイン積立をおすすめします。国内仮想通貨取引所でも取り扱い通貨が多く、セキュリティ面も安心できるコインチェックが一番おすすめです。
ビットコイン(BTC)以外にイーサリアム(ETH)・イーサリアムクラシック(ETC)・リスク(LSK)・リップル(XRP)・ネム(XEM)・ライトコイン(LTC)・ビットコインキャッシュ(BCH)・モナコイン(MONA)の9銘柄のアルトコインの購入が可能で、販売所のスプレッド幅は通貨銘柄で異なりますが概ね0.8~2.7%となっています。
現在、取引所内サービスとして仮想通貨積立を行っているのは、日本国内ではコインチェックのみとなります。他の取引所では、ご自身で計画的に仮想通貨を購入していく形となります。
GMOコイン
ビットコイン以外にイーサリアム・リップル・ネム・ライトコイン・ビットコインキャッシュの4銘柄のアルトコインの購入ができます。販売所のスプレッド幅は通貨銘柄で異なりますが概ね0.68~2.35%となっています。
GMOコインの登録で分からないことがあったら【GMOコインの口座開設、登録、本人確認方法、二段階認証方法】を参考にしてください。
DMM ビットコイン (DMM Bitcoin)
ビットコイン以外にイーサリアム・ネム・リップル・ライトコイン・イーサリアムクラシック・ビットコインキャッシュの6銘柄のアルトコインを販売所形式で取り扱っています。販売所形式のため取引手数料は発生しませんが、販売価格は通貨銘柄で異なりますが概ね1.1~1.4%のスプレッドが加算されています。
DMMビットコインの登録で分からないことがあったら【DMMビットコイン(DMM Bitcoin)の登録、口座開設、本人確認、二段階認証】を参考にしてください。
仮想通貨の市場価格が右肩上がりの現在、仮想通貨取引は資産運用手段として非常に効果的な投資先だと言えるので、手始めに積立投資で手堅く仮想通貨取引に参加してみてはいかがでしょうか?