近年、ますます注目を集めている仮想通貨。ハッキングによる仮想通貨の流出や盗難といったニュースが報道されるたびに、セキュリティに不安を感じている人も多いと思います。
ハッキングによる被害は、取引所のセキュリティ対策の脆弱性によるところも大きいですが、IDやパスワードの流出による被害は個人のセキュリティ対策で防げる可能性もあります。
そこで今回は、仮想通貨を安全に運用するための個人でできるセキュリティ対策を初心者にも分かりやすく解説していきます。
仮想通貨の保有方法
株式やFXの取引と同様、多くの人が仮想通貨も口座を開いた取引所に保有しています。仮想通貨を保有するのはこの方法でも間違いではありません。
しかし、口座にログインするアカウント情報を盗まれてしまうと、仮想通貨を不正に送金されてしまう恐れがあります。事実、取引所をハッキングされ巨額の仮想通貨が盗まれている事件が起きているのです。
もちろん、仮想通貨を取引するためにある程度の額を口座に置いておく必要はありますが、保有している仮想通貨を全て取引所の口座に置いておくことは、リスクが高くおすすめできません。
そこで保有している仮想通貨は「ウォレット」と呼ばれる仮想通貨の保管場所を活用すれば、万が一のリスクを低減することが可能です。
仮想通貨を狙う手口とは?
仮想通貨を扱う取引所がハッキングされることにより、会員の個人情報やパスワードが流出したり、多額の仮想通貨が消失したりする事件が多く起きています。一方で、個人の口座を狙いIDやパスワードを不正に入手する手口も多数です。
取引所がハッキング被害に遭った場合は、取引所により保証されていれば個人のリスクは少なくなります。一方、個人情報が抜き取られたケースでは、個人情報に対して身代金を要求されるという事件も起きており、注意が必要です。
仮想通貨取引も、ネットサービスやネットバンキングと同様のリスクがあるため、十分なセキュリティ対策が必要となります。
仮想通貨のセキュリティを高める5つの方法
仮想通貨を狙う手口を見てきましたが、仮想通貨のセキュリティを高めるにはどのような方法があるのでしょうか?
- 複雑で長い文字列のパスワードにする
- 同じパスワードを使いまわさない
- 二段階認証の設定
- 高額の仮想通貨を1か所の取引所に保管しない
- VPNを利用する
以上、5つのセキュリティ対策について詳しく説明していきましょう。
複雑で長い文字列のパスワードにする
取引所やウォレットで仮想通貨を保管するなら、複雑で長い文字列のパスワードを設定しましょう。アルファベットの大文字や小文字、数字を合わせて、意味のない複雑なパスワードにするのがおすすめです。
パスワードは、長ければ長いほど、また意味のない文字列になっているほど、安全性が高まります。生年月日や名前など個人情報につながる文字列はハッキングされる可能性が高まるため避けましょう。複雑なパスワードを作るのが難しいと感じる場合は、無料で使えるパスワード生成ツールなどもありますので活用してみてはいかがでしょうか?
同じパスワードを使い回さない
インターネットバンキングやSNSなど、さまざまなネットワークサービスを利用している人も多いと思いますが、安全のためにも利用しているサービスごとに違うパスワードを使用するようにしましょう。
なぜなら、ほかのネットワークサービスでパスワードが抜き取られた場合、同じパスワードを利用して仮想通貨の保管先にアクセスされる恐れがあるためです。
また、複数の取引所を利用している場合も、別のIDとパスワードを設定するようにしましょう。1つの組み合わせを使いまわした場合、全ての取引所にアクセスされてしまうと、仮想通貨を根こそぎ奪われてしまいます。
二段階認証の設定
二段階認証とは、IDとパスワードの入力だけでログインや取引を成立させず、さらにメールやアプリで表示される認証コードの入力を必要とする認証方法です。二段階認証によるセキュリティの高さは信頼性が高く、仮想通貨取引以外にもインターネットバンキングや株式の取引などで広く使用されています。
そこで、仮想通貨を保管しているウォレットや取引所に二段階認証を設定しておけば、ログインIDやパスワードが抜き取られた場合でも口座にアクセスされないため仮想通貨の保護が可能です。
二段階認証はスマホで行うことが一般的ですが、もしもスマホを紛失したり壊れたりした場合、自分自身の口座にアクセスできなくなる恐れがあります。スマホが壊れて慌てないためにも、スマホやアプリのバックアップもしっかり行いましょう。
高額の仮想通貨を1か所に保管しない
仮想通貨は分散して保管しておくように心がけましょう。ひとつの取引所やウォレットに集中して高額の仮想通貨を保管しておくと、IDやパスワードの流失と同時に仮想通貨も失いかねません。
かつて、取引所がサイバー攻撃された事件では巨額な仮想通貨が流出してしまいました。そのため、取引所やウォレットを分散して仮想通貨を保管し、セキュリティ対策をしておくことが重要です。
VPNを利用する
VPNの利用は通信の安全性を高めるために効果的です。仮想のネットワークを使って個人情報をオンライン上から隠します。ダウンロードしたファイルに含まれるマルウェアや、悪意があるリンクから保護してくれるVPNサービスもあります。
VPNとは
「VIRTUAL PRIVATE NETWORK(仮想プライベートネットワーク)」を意味し、仮想のネットワークを構築するサービスです。IPアドレスが表示されないのでオンラインIDが保護され、インターネットの接続そのものを安全にします。
そのため、例えばフリーWi-Fiといったセキュリティが低いネットワークでも個人情報を抜き取られるリスクがありません。ネット接続そのものを安全化できるため、仮想通貨の取引も安心して行えます。
NordVPNなら仮想通貨取引も安心
数々のVPNサービスがありますが、なかでもおすすめなのがNordVPNです。NordVPNは、世界60ヶ国5400以上のサーバーがあり、データパケットまで変形可能な難読化サーバーを採用しています。
VPNサーバーに接続すると、全ての送受信データは第三者から隠されます。また、新しいIPアドレスを取得できるため、第三者はオンライン上での取引を追跡できなくなります。そのため、個人情報や大切なデータを守ることが可能です。
ウォレットでの保管もセキュリティ対策が重要
仮想通貨は「ウォレット(財布)」と呼ばれるエリアで保管することが可能です。ウォレットには、オンライン上で保管する「ホットウォレット」と、オフラインの状態で保管できる「コールドウォレット」の2種類に大きく分類できます。
それでは、「ホットウォレット」と「コールドウォレット」について詳しくお話していきましょう。
4つの種類があるホットウォレット
オンライン上で仮想通貨を保管するホットウォレットには「取引所のウォレット」「Webウォレット」「ソフトウェアウォレット」「モバイルウォレット」の4種類があります。
仮想通貨取引所のウォレットとは
取引所にあるウォレットは、そのまま仮想通貨の取引が可能です。そのため、多くの人が仮想通貨の取引所のウォレットに仮想通貨を保管しているのではないでしょうか?
しかし、取引所がハッキングされたり、自分のデバイスからデータが流出する可能性を考えて、取引を行う程度の額のみを取引所のウォレットに保管しておくことがおすすめです。
Webウォレットとは
オンライン上で仮想通貨を保管するためのサービスがWebウォレットです。使い方は取引所のウォレットに似ていますが、保管に特化したサービスです。
デジタルデバイスで利用できるため仮想通貨の取り扱いには適していますが、デバイスが故障してしまうとウォレットにアクセスできなくなる可能性もあります。また、ログイン情報が盗まれないように注意が必要です。
ソフトウェアウォレット/モバイルウォレットとは
ソフトウェアウォレットやモバイルウォレットは、自分のパソコンやスマートフォンにアプリをインストールして仮想通貨を保管します。
パソコンとスマートフォン、両方で利用できるアプリもあります。パソコンとスマホで同一のサービスを利用する場合は、セキュリティ面で信頼できるサービスを選択することが重要です。
オフラインで仮想通貨を保管するコールドウォレット
コールドウォレットは、オフラインで仮想通貨を保管するサービスです。コールドウォレットには「ペーパーウォレット」や「ハードウェアウォレット」という種類があります。
ペーパーウォレットとは
「秘密鍵」と呼ばれる仮想通貨にアクセスするための暗号を紙に印刷して保管するのがペーパーウォレットです。オンラインでハッキングされる心配はありませんが、紙の紛失や紙の劣化といったリスクに気を付ける必要があります。
ハードウェアウォレットとは
ハードウェアウォレットは専用のデバイスで「秘密鍵」の情報を保管します。専用デバイスを購入し初期設定をするだけで、簡単に利用できます。ただし、ハードウェアウォレットもデバイスの紛失やPINコードの失念などに注意が必要です。
「仮想通貨=金銭」という感覚を持とう
仮想通貨は通貨そのものを手で触れないため、金銭という感覚が薄れてしまいがちです。しかし、現金と同様、経済的な価値があります。値が上がり、現金以上に価値が高くなる可能性も考えられます。
第3者に仮想通貨を盗まれて悔しい思いをしないためにも。現金同様の財産であることを忘れずに、セキュリティ対策を万全にして仮想通貨を運用しましょう。