EMURGO(エマーゴ)社CEO児玉健氏プロフィール
児玉 健
EMURGO Chief Executive Officer
起業家。2014年にビットコインの可能性を感じ啓蒙活動を開始。2015年にカルダノ財団と、エンジニアリング及びテクノロジー企業IOHKのチャールズ・ホスキンソンとカルダノプロジェクトを発足。2017年に株式会社EMURGOを創業し、代表取締役に就任。国内外の実業家・ブロックチェーン専門家とのつながりも深い。
EMURGOとは
EMURGOはCardanoブロックチェーンの導入を促すだけでなく、Cardanoの分散型ブロックチェーンエコシステムを採用しているプロジェクトや組織を構築し、投資やアドバイスを行う事によってADAの価値を高めます。ブロックチェーンの研究開発から得た専門知識および業界パートナーとのグローバルなネットワークを活かし、ベンチャー企業の支援を行っています。
児玉氏がこの業界に参画したきっかけ
ー日本の仮想通貨業界はビットコインが2012年頃に入ってきて、そこから書籍が出だして、イーサリアムのICOが始まり、ADAのICOが始まり…と記憶しているのですが、児玉さんは、その日本の仮想通貨業界が始まったころから業界に関わられていらっしゃいますよね?
どのようなきっかけで、この新しい技術を知り、業界に参画することになったのか教えていただけますか?
私は元々、EMURGOとは別のライフプランニングの会社を経営していたのですが、仕事を通じて日本人は外国人に比べて「お金に対する教育があまりなされていない」「平均年収も徐々に下がってきている」と感じ、危機感を持っていました。
そんな中、ビットコインという新たな金融資産があるということを知り、興味を惹かれていきました。
始めはもちろん皆さんと同じく「怪しいな」からのスタートだったのですが、非中央集権の分散型の社会が実現したその先には新たな金融システムが生まれていくという確信に変わり、この業界に足を踏み入れました。
カルダノプロジェクトおよび、エマーゴ社が推進しているプログラムについて
SOSVアクセラレーションプログラムについて
ーSOSVアクセラレーションプログラムについてですが、現在、どのくらいの申込みがあるのでしょうか?また、基準などがあれば教えてください。
既に約100ほどのプロジェクトの申込みがあります。
その中で、CTOのニコラスや、CIOのマンミートが応募してきたプロジェクトを一つ一つ精査をしています。
我々は投資の観点で成功確率の高いものに絞り、年間8~10件ほどのプロジェクトを実行していく予定です。
2月12日にニューヨークでオープニングセレモニーを兼ねたミートアップを計画しています。
(開催されました。詳細はこちら)
https://emurgo.io/dlablaunch/
アカデミー事業について
ーでは、アカデミー事業についてお聞きしたいのですが、直近で何か予定をされていることはありますか?
我々は国内外複数の大学と提携していることはご存知かもしれませんが、2月21、22、23日にインドのアカデミービジネスのローンチイベントがあります。
その際には、インドの政府の方々・メディアの方々・企業の方々を招き入れて調印式を行います。
ーそのアカデミーでは、どのようなことをされるのでしょうか?
・大学生向けのブロックチェーンの基礎知識から開発技術の教育
・ビジネスマン向けのエグゼクティブ教育
・エンジニアに対しての技術教育
といった三つのコースが用意されています。
ーインドでスタートする理由を教えていただけますか?
世界各国を調査し、複数の要素を検討したうえで決定しました。
まだインフラが整っていないという条件も、これからエンジニアになる人が専攻としてブロックチェーンを選択するという部分でハードルが低いかと。
そして、何よりもインドは、優秀なエンジニアが非常に多いと感じています。
我々も常にブロックチェーンエンジニアの採用は行っていますが、すごく苦戦をしています。
ブロックチェーンを実務レベルで開発できている人が圧倒的に少ない点や、ブロックチェーン技術者は給料が高く、引く手あまたのため、他社からのヘッドハンティングもよくあります。
我々は、常に高い技術を持ったエンジニアをチームに入れていくと同時に「イチから育てる」ことも取り組んでいきます。
ブロックチェーンの業界を発展させていくために必要なことは、人材の輩出です。きちんとブロックチェーンの本質を理解した人材を育て、雇用が生まれる環境を整えることによって、ブロックチェーンが社会に受け入れられていくスピードが上がると思っています。
これが最終的には、我々が関わった生徒たちだけではなく、その国、そして世界のためになると考えます。
ーアカデミーを設立するためには、高い技術力と知識を持ったエンジニア講師が必要なのはもちろん、学校経営に関してもプロフェショナルである必要があると思いますがその点はどのように対策されていますか?
今回のインドのアカデミー設立では、すでにインドで人工知能・IoTの分野で教育ビジネスを行っている企業とパートナーシップを締結しています。
教育ビジネスを理解している企業と、我々ブロックチェーンを理解している企業が手を組むことによって、より良いカリキュラムができると考えています。
その上でPDCAを回し、より良いものにし、他の国にも展開していく予定です。
ー教育ビジネスは人材ビジネスにも結び付きますよね?
はい。その通りです。アカデミーを卒業した生徒が高い技術をもって、社会に出ていくことで、アカデミーで教育した事の価値が増します。
例えばアカデミーを卒業してニューヨークで働くようになったら、高い技術力があれば、どの国出身であろうと、同じ給料を手にすることができます。
これは、経済格差の大きい国であればあるほど、夢があると思います。
ーちなみに、今ブロックチェーン技術者の給料はどのくらいなのでしょうか?
トップクラスで言うと、25万ドル~40万ドルくらいすると思います。
これは国際基準であり、良い技術者というのは高給です。
良い人材が次々と輩出されていけば、より良い方向に世界も変わっていくと思います。
インターネットで情報に国境がなくなって、そして今後ブロックチェーンでお金の国境がなくなって、今度は人の国境がなくなっていく。
ヨロイウォレットについて
ー先日ヨロイウォレットのアンドロイド版がリリースされたのですが、すでにリリースされているダイダロスとの違いを教えていただけますか?
IOHKがリリースしているダイダロスウォレットはフルノードでの運用のため、ウォレットを開くだけで結構時間がかかってしまいます。
今回アンドロイド版をリリースしたヨロイウォレットに関しては、Google Chromeのアドオンという形で利用でき、【使い方も非常にシンプルで起動も早い】といった特徴があります。
そして、現在iOS版もリリース一歩手前です。
(リリースされました。https://itunes.apple.com/jp/app/emurgos-yoroi-cardano-wallet/id1447326389?mt=8)
ー今後メインネットローンチされ、より一層仮想通貨及びブロックチェーンが日常的に使用されるという未来が鮮明になってきているかと思いますが、他の決済系のブロックチェーンプロジェクトと、カルダノ関連プロジェクトの違い、強みを教えてください。
現在、ビットコインはじめ他のプロジェクトでも、スケーラビリティやデータ容量、処理速度などの問題が出ているかと思います。
日常的にブロックチェーン技術を利用するためには、その部分をクリアしなくてはなりません。
我々の強みとしては、先日フローリアンも語っていましたが、カルダノの開発プロセスにあります。
自社内だけで開発・テストを行いローンチするのではなく、我々は学術的な検証を行い、論文を作成し、その後学会に提出、認められてからようやく開発ができる「ピアレビュー(査読)」という形をとって開発をしています。
第三者として有識者の力も借りつつ裏付けをもってプロジェクトを進めていくことで、実需に耐えうるプロダクトになると考えています。
クリプトカード及び、メタップス社との提携について
ー先日、クリプトカードをリリースされましたが、メタップスとの提携は、クリプトカードだけにとどまらず、今後更なる展開がされるように感じるのですが、お考えを教えていただけますか?
現在、クリプトカードの決済システムを導入するためには、その国の中央機関が認めるホワイトリスト(その国の取引所に上場できるプロジェクトトークンのリスト)にリスティングしている必要があります。
そのため、韓国でのスタートとなったのですが、今後日本でも展開していく話はもちろんしています。
ークリプトカードはどのような手段で入手できるのでしょうか?
現在は在庫は、ほぼ全て韓国にあり、今後の展開によって、日本人も手にできるようになります。現状は韓国国内での流通です。
エマーゴ社及びカルダノプロジェクトについて児玉社長が思うこと
ー先日、フローリアン氏からも、【いい仲間】というお話を伺いましたが、組織について児玉社長が大切にしていることがあれば教えていただけますか?
我々が強く意識しているのは、【価値ある個人となれ】ということです。
今後ブロックチェーンにかかわらず、人工知能やIoTなど、様々な技術が発展していく中で、今まで人間がやっていた業務がテクノロジーに置き換わっていきます。
その時、各分野の専門知識は持っておかないと、これからの時代は、いちビジネスマンとして通用しないと考えます。
日本の古い文化「いい企業に入って定年まで務める」ではなく、一人ひとりがスキルを身に着けて、一つの企業に居続けるのではなく、色々な会社から声をかけられる人間になってほしい。
そういう人の集まりで組織が成り立っていれば、無駄なマネジメントは必要ないですし、どの国にいようが、一緒に同じ目的に向かって働けるのかなと思っています。
ーカルダノファンへのメッセージをお願いします。
現在カルダノプロジェクトは、決済速度のような特定分野に特化するのではなく、社会インフラになるような総合的プラットフォームを目指しています。
今後我々はカルダノを利用し、社会の中でのブロックチェーンの実用化に向けて開発を進めています。
消費者が不自由無く使えるレベルまで持っていければ、市場はその後どんどんついてくると思います。必然的にADAの利用者も増えていきます。
是非これからも期待してください。
EMURGO及びカルダノについて詳しく知ることができるページ
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ヨロイウォレットについて
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