ロボアドバイザーが自動的に海外のETF(上場投資信託)への分散投資を行ってくれるのが、ウェルスナビの提供する資産運用サービスですが、海外のETFへの投資によって得られる分配金はどのタイミングで受け取れるのることができるのかが気になります。
また複利法を適用することによってより効率的な資産運用が行えるというのがウェルスナビの魅力ですが、分配金がどのタイミングで再投資されているのかも掴んでおきたいものですので、ウェルスナビの資産運用で得られる分配金の配布時期とその再投資のタイミングを紹介します。
ウェルスナビのサービスについて詳しく知りたい方は【ウェルスナビ(WealthNavi)の評判、口コミ、メリット・デメリットを徹底解説!】を参考にしてください。
ウェルスナビの口座開設方法について知りたい方は、こちらの記事『ウェルスナビ(WealthNavi)の口座開設、登録方法を解説!【5分で分かる】
』をご覧ください。
ウェルスナビ(WealthNavi)の分配金とは?
ウェルスナビによる海外のETFへの分散投資はロボアドバイザーによって自動的に行われ、定期的にETFから得られる収益が分配金として分配され、それによって資産運用を行っています。分配金が発生するタイミングは投資先のETFによってそれぞれ異なってくるので、当然ながら運用の利回りも異なってきます。
ETFとは?
ETF(Exchange Traded Funds)は上場投資信託とも呼ばれる金融商品のことで、株式・債券・REIT(不動産投資信託)・通貨・コモディティ(商品先物取引)などのさまざまな指数に分散投資が行えます。
一般的な投資信託とは異なり証券取引所で取り扱われており、パフォーマンスが把握しやすく運用の透明性が高いことなどから、市場価格が下落ポジションのなかでも注目が集まり純資金の流入が活性化しています。
ウェルスナビではロボアドバイザーによりアメリカの7つの上場銘柄を中心として、世界各国約12,000社以上の株式・金・不動産などボラティリティの異なる銘柄への分散投資を行う形の資産運用サービスを提供しています。
分配金の支払われる理由
ウェルスナビの場合、投資先はETF(上場投資信託)であり、分配金はその金額を運用会社が決定し、ETFから支払われます。
そもそも投資信託とは、株式や債券、金といった資産に対して投資を行うことを指します。
資産からは配当や利子が生まれ、それをインカムゲインと呼びます。
一方一度購入した資産の値段が変動した後に売買し、得られる値上がり益をキャピタルゲインと呼びます。
これらの利益と、過去から積み上げられてきた利益を合わせたものが分配対象額となり、収益分配が分配金として行われます。
つまり、分配金が支払われれば支払われるほどETFという商品それ自体が持つ価格は下落してしまいます。
なので、ETFという商品の性質上生まれるものが分配金であるため、分配金は決して投資家へのボーナスではありません。
ウェルスナビは複利で運用
複利とは得た分配金をさらに次の投資に回し、数十年単位で運用していくことを指します。
逆に、単利とは一回限りの分配金を得る投資方法を指します。
ウェルスナビは最先端の金融アルゴリズムを使い、複利で運用し、最適な資産運用を自動で行います。
複利効果を見込むためには長期間の資産運用になりますが、最適な資産の組み合わせは放っておくとバランスが崩れてしまうため、リバランスが必要になります。
ウェルスナビではロボアドバイザーが自動で最適なポートフォリオ(資産の組み合わせ)を1ヶ月ごとにチェックし、リバランスを行うことで最適な資産運用の自動化を図っています。
そのため、ウェルスナビのロボアドバイザーは誰の手でも簡単に複利効果を期待した最適な資産運用を可能にするためのツールとも言いかえることができます。
ウェルスナビ(WealthNavi)の分配金の配布時期はいつ?
ウェルスナビのロボアドバイザーによる資産運用は海外のETFへの投資で発生する運用利回りによって実現しており、投資先のETFからは定期的に分配金が分配されています。
しかし投資先である海外のETFによって分配金が分配されるタイミングや運用の利回りはそれぞれ異なってきますので、ウェルネスナビのロボアドバイザーが自動的に選択する主な投資先での分配金の配布時期と過去の運用利回りの実績を紹介します。
以下、ウェルスナビが投資対象とするETF一覧です。
計6つのETFを組み合わせてウェルスナビのロボアドバイザーが資産運用を行います。
- 米国株(VTI)
- 日欧株(VEA)
- 新興国株(VWO)
- 米国債券(AGG)
- 物価連動債(TIP)
- 金(GLD)
- 不動産(IYR)
ETFにおいても昨今多様な投資家の分配金受け取りニーズに対応するために分配頻度の多様化が進んでいます。
以下はウェルスナビの取り扱う6つのETFの分配金の配当時期です。
ETF | 配当時期 |
VTI、VEA、VWO、AGG、TIP、IYR | 3ヶ月ごと(年4回、3月・6月・9月・12月) |
AGG | 毎月(年12回) |
GLD | 分配金の配当なし |
VTI(米国株)
VTI(米国株)は、アップル・マイクロソフト・アマゾンなどの有名企業をはじめ、3,654銘柄が上場するアメリカ株式市場への投資を行うETFのことです。個人投資家向け投資信託インデックス運用(パッシブ運用)を開発した資産運用会社のバンガード社によって2001年から運営され、1日約340億円の取引高を誇る非常に流動性の高い金融商品だと言えます。
分配金は毎年3月・6月・9月・12月の3ヶ月ごとに発生し、2018年3月期の運用利回りは1.63%となっています。
VEA(日欧株)
VEA(日欧株)は、日本や韓国などアジア圏の先進国とイギリス・フランス・ドイツを中心としたヨーロッパ圏の先進国の株式市場の3,906の上場銘柄への投資を行うETFのことで、10年以上運用されており1日約390億円の取引高で、こちらも非常に流動性の高い金融商品です。
分配金は毎年3月・6月・9月・12月の3ヶ月ごとに発生し、2018年3月期の運用利回りは1.48%となっています。
VWO(新興国株)
VWO(新興国株)は、中国・台湾・インドなどの一般的に新興国と呼ばれる国々の株式市場に上場する4,660銘柄への投資を行うETFで、10年以上運用されており、1日約640億円の取引高でやはり流動性の高い金融商品です。この中にはテンセントやアリババグループなどの有名企業が含まれています。
分配金は毎年3月・6月・9月・12月の3ヶ月ごとに発生し、2018年3月期の運用利回りは0.80%となっています。
AGG(米国債券)
AGG(米国債券)は、アメリカ政府発行国債やアメリカ国内企業の社債などの安定した収益が期待できる債権への投資を行うETFでアメリカの資産運用会社であるブラックロック社によって15年以上運用されており、同社の預かり資産高は655兆円にものぼります。
分配金は毎月発生し2018年5月期の運用利回りは2.70%となっています。値上がり益は期待できないものの安定して高配当が分配されるETFだと言えます。
TIP(物価連動債)
債券価格が物価上昇にリンクしておりインフレ発生時でも資産価値の目減りの回避が期待できるのがTIP(物価連動債)で、ウェルスナビではアメリカ政府発行の物価連動国債への投資を行うETFを取り扱っています。
分配金は毎月発生し2018年5月期の運用利回りは5.32%となっています。
GLD(金)
金融資産として最も歴史のあるのが貴金属のGLD(金)であり、法定通貨は額面額と同額の価値を持つ金との交換を発行政府が行うことで信用を担保する、という「金本位制」によって資産価値が生じています。ウェルスナビはアメリカの資産運用会社であるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ社が2004年から運営する金に対するETFへの投資を提供しています。
金の市場価格は変動しますがGLDで行う投資に対する分配金は発生せず、ETF売却時の売却益が収益となります。
IYR(不動産)
株式や証券などの一般的な金融商品とは異なるボラティリティを見せる資産として挙げられるのがIYR(不動産)ですが、ウェルスナビではREIT(不動産投資信託)を介してアメリカの不動産市場に対するETFへの投資を提供しています。
分配金は3・6・9・12月の3ヶ月ごとに発生し、2018年3月期の運用利回りは3.20%となっています。
ウェルスナビ(WealthNavi)の分配金の金額は?
分配金の金額は投資したETFによって異なります。
分配金の金額がなぜ投資したETFによって異なるかは米国株(VTI)を例にETFとは何かを考えるとわかりやすいです。
VTIはバンガード・トータル・ストック・マーケットETFの略称で、構成株式銘柄数は約3600銘柄です。
構成銘柄の中の比率が高いものは例えばApple Inc.(2.9%)、Alphabet Inc. (2.0%)、Microsoft Corp.(2.0%)となっています。
ちなみに構成セクターは金融(20.3%)が最も高く、テクノロジー(17.3%)が二番目に高くなっています。
ETFはつまり、それぞれの構成株式銘柄をまとめて運用しやすくしたものなので、ETFによって当然構成要素が異なり、それによって分配金の額も異なってきます。
2019年5月の配当利回りをそれぞれ以下にまとめました。
それぞれETFによって直近配当利回りが異なることがわかります。
公開年月 | ETF | 直近配当利回り |
2019/5/25 | VTI | 2.14% |
2019/5/25 | VEA | 1.72% |
2019/5/25 | VWO | 0.82% |
2019/5/25 | AGG | 2.86% |
2019/5/25 | TIP | 0.37% |
2019/5/25 | IYR | 2.74% |
ウェルスナビ(WealthNavi)で実際にいくら分配金が配布されたのかを調査
公式サイト内で2017年4月の段階で初期投資元本100万円・毎月3万円の積み立て・リスク許容度3のシミュレーション結果として1年あたりのリターンが年率6.0%であることを公表しているウェルスナビですが、「実際にいくら分配されているか?」が気になるところです。
ネット上で公表されているウェルスナビでの資産運用で得られた実際の分配金の金額を紹介します。
投資元本30万円で3ヶ月の資産運用例
ETF | 分配金 |
---|---|
VTI(米国株) | 256円 |
VEA(日欧株) | 171円 |
VWO(新興国株) | 27円 |
AGG(米国債券) | 409円 |
IYR(不動産) | 94円 |
合計 | 957円 |
上記のことから分配金の年間利回りは1.27%で資産運用が行えています。
投資元本30万円、自動積立月額1万円で運用3ヶ月目の例
ETF | 分配金 |
---|---|
VTI(米国株) | 413円 |
VEA(日欧株) | 771円 |
VWO(新興国株) | 142円 |
AGG(米国債券) | 221円 |
IYR(不動産) | 116円 |
合計 | 1,663円 |
上記ことから分配金の年間利回りは約2.0%で資産運用が行えていると言えるでしょう。
ウェルスナビ(WealthNavi)の分配金は再投資される?そのタイミングは?
ウェルスナビでは海外ETFで発生した分配金を再投資する複利法で資産運用を行うことによって効率的な資産運用を実現しています。
分配金の再投資はロボアドバイザーが自動的に行ってくれますが、ウェルスナビの再投資は資産評価額が250万円未満の場合と250万円以上かで2つに分かれます。
資産評価額が250万円未満の場合、現金部分が資産評価額の0.4%以上となると追加投資を行います。
その際、最低現金部分として「1000円と約3ヶ月分の手数料」が必要です。
つまり、分配金等で最低限金部分以上の現金をまかなわなければ再投資が行われません。
資産評価額が250万円以上の場合、追加入金により現金部分が「1万円と約3ヶ月分の手数料」となると追加投資が自動で行われます。
すなわち、資産評価額(250万円未満か以上か)によって現金部分がある一定以上ないと再投資が行われないといえます。
資産評価額 | 250万円未満 | 250万円以上 |
最低現金部分 | 1000円と約3ヶ月分の手数料 | 1万円と約3ヶ月分の手数料 |
ウェルスナビ(WealthNavi)の分配金の確認方法
ウェルスナビの分配金はログイン画面右上のボタン「取引履歴」から確認することができます。
分配金が発生したら、「ポートフォリオ」の「現金」の残高に分配金が反映され、ウェルスナビの使用者の口座に入金されます。
ウェルスナビ(WealthNavi)は長期運用
単利と比較して複利での運用は得た分配金をそのまま投資にまわすため、長期運用した際に大きな差が生まれます。
例えば元本100万円でウェルスナビで資産運用した場合を考えます。
ETFの直近配当利回りを参考に毎年のリターンが2%とすると、単利では1年目に2万円が分配金として得られます。
30年運用すると単利では2 ✕ 30 = 60万円がリターンとして得られます。
一方複利の場合、1年目に得られた2万円を加えた102万円を2年目の元本として運用するので、毎年元本が少しずつ増えていきます。
その結果、リターンとの掛け算で得られる分配金も増え、30年目には181万円になります。
複利(81万円)を利用して運用することで21万円利益が出ます。
ウェルスナビではこうした複利による運用をロボアドバイザーが自動で行ってくれます。
さらに、長期間の資産運用で問題になる値動きに対してもウェルスナビのロボアドバイザーは1ヶ月に一度自動でリバランスを行うことで資産運用を正常に保ちます。
ウェルスナビは、長期で運用してこそ効果を発揮するものなのです。