ネクスコイン(NCXC)の概要
NCXCの概要 | ||
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基本情報 | 仮想通貨名 | ネクスコイン(NCXX Coin) |
ティッカーシンボル | NCXC | |
発行開始年月 | 2016年11月 | |
主な利用用途 | ネクスグループなどの商品・サービスの購入 | |
発行状況 | 発行主体 | 株式会社ネクスグループ |
発行方法 | なし。上限発行量まで発行済み。 | |
上限発行量 | 20,000,000NCXC | |
発行可能数の変更 | 可能(上限発行量のロックアップを解除する必要がある) | |
発行予定・発行条件 | なし | |
価格移転記録 | コンセンサスアルゴリズム | PoS(Proof of Stake) |
ネクスコイン(NCXC)の発行主体(財団など)について解説
ネクスコインの発行主体は株式会社ネクスグループです。ネクスグループは東京と岩手県に本社を置く企業で、車両管理ソリューションやM2Mソリューションを提供しています。
ネクスグループはIoT分野(Internet of Things、モノのインターネット)に力を入れており、その一環としてブロックチェーン技術に注目しています。2012年7月には株式会社フィスコの子会社となり、2015年6月には株式会社SJI(現在の株式会社CAICA)を子会社化しました。
ネクスグループはブロックチェーン技術を活用してIoT分野に力を入れると共に、ネクスコインを発行しています。
ネクスコイン(NCXC)のCEOについて
ネクスグループの代表取締役は石原直樹氏が務めています。石原氏は2005年に介護事業を手がける株式会社ケア・アソシエイツ(現在の株式会社アルテディア)に入社、2012年4月には株式会社ネクス(現在の株式会社ネクスグループ)の顧問に就任しました。
その後はネクスグループをはじめフィスコグループなど関連会社の取締役を歴任し、2021年2月27日付でネクスグループの代表取締役に就任しています。
石原氏は47歳という年齢でフィスコグループなどの取締役に就任するなど、若くしてブロックチェーン事業に携わってきた経歴を誇ります。
ネクスグループは社長交代の理由について「事業環境が大きく変化する中、新たな経営体制で更なる経営基盤の強化・企業価値の向上を図るため」と説明しました。ブロックチェーン事業に強みのある石原氏をトップに置くことで、ブロックチェーン事業に力を入れる方向であることが分かります。
ネクスコイン(NCXC)のCTOについて
現在、株式会社ネクスグループは実際の開発は行っていません。ネクスグループはグループ内を統括しており、実際の開発はグループ会社である株式会社ネクスと株式会社ネクス・ソリューションズが担っています。
ネクスは通信機器の開発や保守を、ネクス・ソリューションズがソフトウェアやシステムの開発や保守を行っています。
ネクスグループはブロックチェーン技術を活用してIoT分野に力を入れる方針です。実際の開発を担うネクスとネクス・ソリューションズの事業によってネクスコインにも新たな価値が生まれることも考えられるでしょう。
ネクスコイン(NCXC)のその他主要人物について
ネクスグループのブロックチェーン事業やネクスコインの取り扱いの拡大はネクスグループ単体では完結しません。ネクスグループは株式会社フィスコや株式会社CAICA(カイカ)などと共に仮想通貨事業を行っています。
ネクスグループ同様フィスコはフィスココイン、カイカはカイカコインという独自の仮想通貨を発行し、それぞれZaifに上場させました。
特にフィスコはかつてフィスコ仮想通貨取引所という仮想通貨取引所を運営するなど、仮想通貨事業に力を入れています。仮想通貨に関する情報発信なども盛んに行っています。
フィスコの代表取締役は狩野仁志氏です。狩野氏は数々の銀行を渡り歩いた経歴を持ち、金融分野に明るい人物です。仮想通貨を用い、新しい経済圏を作るにはふさわしい人物と言えるでしょう。
ネクスコイン(NCXC)の発行方法、発行条件
ネクスコインは2016年11月に、当時のネクスグループの株主の中で希望する人に対して無料で配布される形で公開されました。1単元(100株)以上保有する株主に対して、保有株数と同じだけ配布されています。例えば100株保有していれば、100NCXCをもらえました。
ネクスコインはビットコインなどの仮想通貨とは異なり、公開時にすべて発行されています。発行総数は2000万NCXCです。
また流通量が増えないまま新規発行を進めると価値の希薄化(ダイリュージョン)を引き起こし、投資家に不利益を及ぼすおそれがあります。そこで2017年7月にネクスグループはネクスコインの新規発行をロックアップしました。
そのため今後ネクスコインの上限発行量を増やすためには、ロックアップを解除する必要があります。
ネクスコイン(NCXC)のコンセンサスアルゴリズム
ネクスコインはイーサリアムのブロックチェーン上で発行されるERC20トークンです。そのため、コンセンサスアルゴリズムもイーサリアムのブロックチェーンに準拠したPoS(Proof of Stake)となります。
発行された当初、ネクスコインはカウンターパーティー(Counterparty)という仮想通貨の機能を使って発行されたカウンターパーティートークンでした。カウンターパーティーはビットコインのブロックチェーン上にトークンを発行することができる仮想通貨です。
しかし2020年5月にネクスグループはネクスコインのプロトコルをカウンターパーティーからERC20に変更しました。
イーサリアムは多くのERC20トークンや、ERC20トークンに対応したサードパーティのウォレットの開発が進んでおり、カウンターパーティーよりも利便性が優れています。またイーサリアムのブロックチェーンはビットコインのブロックチェーンよりも送金を高速に行うことができます。これらの利点からプロトコルが変更されました。
メリット
ERC20のメリットは利便性が高いことにあります。
ERC20を用いれば一から開発することなく、イーサリアムのスマートコントラクトを簡単に導入することが可能です。イーサリアムに対応するアプリケーションであればERC20で開発されたトークンを管理できるため、ウォレットなどの選択肢も豊富です。
イーサリアムは送金も高速に行えます。理論上、イーサリアムは15秒に1度ブロックを承認することになっています。そのためビットコインなどよりも高速で送金可能です。
ERC20を用いて開発すればイーサリアムに準拠した、質の高いサービスを手軽に提供できるのです。
PoSは最初に考案されたコンセンサスアルゴリズムであるPoW(Proof of Work)の課題を解決するために考えられました。
PoWはブロックを承認するためにマイナーに計算処理をしてもらいます。そのためマシンパワーの競争が過熱し、大資本によるマイニングの寡占化や環境への負荷が懸念されます。
また利用が拡大することで取引データの処理が追いつかなくなり、送金の遅れや手数料の高騰を招くトランザクション問題も大きな課題です。
PoSはこれらの課題を解決するためにブロックの承認権限を通貨の保有枚数や保有期間によって決めるようにしました。マイニングで余計な過程を挟まないために、必要とするマシンパワーも低く済み、マイニングの寡占化や環境への負荷を抑えることができます。
更にPoSは取引データの合意のためのプロセスが少ないため、処理を高速で行うことが可能です。イーサリアムもPoWからPoSへコンセンサスアルゴリズムを変更していますが、PoWの際にはブロックの生成が17秒に1度程度(理論上は15秒に1度)にまで遅延することがありました。一方PoSに変更したところ、14秒に1度にまで高速化しています。
デメリット
ERC20のデメリットとしては、まずトークンの価格がイーサリアムの価格変動に依存してしまう点が挙げられます。
ERC20で開発されたトークンを送金する際にはイーサリアムのブロックチェーン上で手数料(GAS代)を支払います。イーサリアムが高騰すれば、トークンに関係なく手数料が高くなり、トークンの価格に悪影響を及ぼすかもしれません。
またイーサリアムのGAS代も徐々に高騰している点も問題です。現在、イーサリアムはdApps開発の主流となっている仮想通貨です。イーサリアム自体をはじめ、dAppsやネクスコインのようなERC20トークンの利用が拡大することでトランザクションの量が増大し、処理能力の限界に迫りつつあります。
加えてERC20にはセキュリティ面に欠陥があります。過去には少なくとも300万ドルもの盗難被害が発生しました。ERC20を利用してトークンを開発する際には、この欠陥をカバーしなくてはなりません。
しかしPoSもPoWの課題を完全に解決できるわけではありません。PoSは保有枚数に応じて、承認権限を得やすくなる仕組みです。また承認権限を得るために必要な最低保有枚数も設定されています。
そのため多くの資金を投じてより多く通貨を保有する人が有利です。その結果、マイニングの寡占化を招くリスクがあります。
またPoSではマイニングの参加者が増えると通貨を取引する人が減少し、通貨の流動性が低下するおそれがあります。通貨の流動性が低下すると価格の変動が大きくなり、金融商品としての信頼性を損ないかねません。
PoSを採用する仮想通貨は上記のデメリットを回避するために様々な対策をしています。イーサリアムの場合はステーキングサービスを実装することで、最低保有枚数に届かない人でもマイニングに参加可能です。またより平等に承認権限を与えられるよう調整する仮想通貨もあります。
ネクスコイン(NCXC)のプロジェクトポリシー(発足の目的・背景など)
ネクスコインは株式会社ネクスグループが株主に配布するために開発された仮想通貨です。
ネクスグループはブロックチェーン技術を用いたサービスの開発や既存システムへの機能追加を目指す方針を示しています。そこで株主に対してブロックチェーン技術、仮想通貨に対する理解を深めてもらう目的でネクスコインを発行し、配布したのです。
そのためネクスコインには明確なユースケースは存在していません。2017年8月には関連会社であるフィスコ株式会社や株式会社CAICAと共に、ネクスコインやフィスココイン、カイカコインといった独自トークンで商品やサービスを購入できるサービスを立ち上げています。ただし現状ではそれ以上の用途はありません。
ネクスグループはIoTソリューションのほか、様々な分野のシステムソリューションやインターネット旅行、ICT(Information and Communication Technology, 情報通信技術)を活用したスマート農業など多くの事業を手がけています。
ネクスコインはネクスグループの事業での決済手段であったり、事業の中核として今後ユースケースを拡大していくことが期待できるでしょう。
ネクスコイン(NCXC)のアライアンス、過去のビッグニュース
最後にネクスコインに関する過去の大きなニュースを紹介します。
2017年4月21日 ネクスコインが仮想通貨取引所Zaifに上場
この日、ネクスグループはネクスコインが仮想通貨取引所Zaifに上場したことを発表しました。当時Zaifはネクスグループの親会社であった株式会社フィスコの資本・提携業務先であるテックビューロ株式会社が運営していました。
Zaifはフィスコや株式会社CAICAの発行する独自トークンであるフィスココインやカイカコインも合わせて上場させており、関連会社間でのつながりを強めていました。
Zaifに上場するまでネクスコインは株主への配当による配布のみで、大半をネクスグループが保有する状態であり、流動性が著しく低い状態にありました。Zaifに上場することでようやく一般の投資家などでも取引ができるようになっています。
2021年2月26日 ネクスコインが仮想通貨取引所Finexbox(フィネックスボックス)に上場
この日、ネクスグループはネクスコインが仮想通貨取引所Finexbox(フィネックスボックス)に上場したことを発表しました。フィネックスボックスはセイシェル共和国の仮想通貨取引所です。
フィネックスボックスにはネクスコインのほか、フィスココインやカイカコインといった、ネクスグループの関連企業の発行するトークンも上場させています。
ネクスコインはそれまでZaifにしか上場しておらず、海外への流通が限られていました。ネクスコインは仮想通貨に対して厳しい法規制を課す日本の仮想通貨取引所でも取り扱いを許される、安全性の高い仮想通貨です。
今後は高い安全性を活かして、利用を拡大させることが期待できます。
Zaifの登録で分からないことがあったら【Zaif(ザイフ)の口座開設、登録、本人確認方法】を参考にしてください。