ビットコインを始めとする仮想通貨FXトレードを行う際には、複数の指標を利用することが重要です。
中島氏のコラム「仮想通貨FX中級者への道」では、今までにローソク足の見方、ボリンジャーバンドの見方を解説してきましたが、今回の記事では、中長期のトレードで利用しやすいMACD(マックディー)を紹介します。
難しそうな言葉は出てきますが、まずは理屈抜きにラインの動きと使い方を理解し、自分ルールを作りましょう。
「仮想通貨FX中級者への道」では何度も言及していますが、「勝つ」を意識するより、「負けない」を意識したトレードを行いましょう。
ローソク足の見方など、前回までのアーカイブはこちら
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学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。
その後、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。
さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。
その後仮想通貨取引所コインチェックにてトレーディング業務を経験し、現在はNYブロックチェーン関連のVCに勤務。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。
【保有資格】証券アナリスト
はじめに
前回はテクニカル分析の1回目ということでボリンジャーバンドについて解説しました。ここでもメジャーなテクニカル指標である「MACD」について解説したいと思います。
テクニカル分析の前に大事なことはこれまでのコラムで記載していますので読まれてない方はまず第一回からきちんと読んで頂くことをオススメします。
MACD(マックディー)とはどのようなテクニカル指標?
MACD(マックディー)の正式名称は「移動平均収束拡散手法(Moving Average Convergence Divergence)」という名前です。
移動平均線は2本の短期の移動平均線と中長期の移動平均線を使用することで売買を判断します。
2本のラインのうちシグナルというライン(下記黄線)が作成されている移動平均線は単純移動平均線ではなく、「指数平滑移動平均線」というものを利用しています。
これは過去の価格より、より手前の価格の動きに比重を置いて計算されたもので、近い価格の値動きを重視して計算したものを移動平均線にしています。
2本のラインのうちMACD(下記緑線)と呼ばれるラインは9日単純移動平均線を用いています。
MACDは投資家の中では基本的にトレンドフォロー型のトレードで利用されており、ゴールデンクロスとデッドクロスを用いて売買判断を行います。
MACD(マックディー)の基本的な使い方
ではMACDの基本的な使い方を順序立てて解説したいと思います。
最初にMACDで利用する2本のラインとヒストグラムを説明します。
下記がBybitのチャートから出したMACDです。
上記の3つを利用して売買判断を行うようになります。
ヒストグラムとはMACDのラインとシグナルラインの差分を表しており、視覚的にどこでこの幅が縮小しているのか把握しやすいものです。しかしノイズも多いためこのヒストグラムのみで売買判断を行うのは難しいと言えるでしょう。
MACDの基本的な見方
基本的な見方は下記の3つになります。
- MACDのラインとシグナルラインが中心線の0よりも上に位置しているか、下に位置しているか
- MACDのラインとシグナルラインがゴールデンクロスをしているか、デッドクロスをしているのか
- ヒストグラムが拡大しているか縮小しているか
基本的に見るべきところはこれだけですが応用編としての利用方法もあるので後述します。
MACDの基本的な利用方法
次に基本的な利用方法について説明します。
こちらは先ほどと同様のチャートです。MACDをご覧ください。
ここでのポイントは2点で、MACDのラインがシグナルラインを上抜け(ゴールデンクロス)&中心線0以上(中心線よりも上なら上昇圧力強、下なら下落圧力強と判断するため)のためロングエントリーします。
このゴールデンクロスしたタイミングはチャート上の大陽線が出ているポイントのため、この後からロングでエントリーするということになります。
利益確定のタイミングは色々人によりますが、ヒストグラムがマイナス(デッドクロスしたタイミング)でクローズすると決めておきましょう。
ルールを決めて淡々と行うことがトレードで勝ち続けるためにはとても大切です。人間の感情をトレードに入れていいことは全くありません。これは常に意識してください。
このようにしてみると、エントリーのタイミングはしっかりと方向性が定まってからということが理解できるでしょう。むしろ遅いと感じる人もいるかもしれません。そのためMACDを利用するときは日足レベルでの中長期トレードで利用されることが多いです。
チャート分析の基本は、短期で見ると基本的にシグナルの発生は出やすい一方で、ノイズとか騙しも多く発生します。このバランスがとても難しいことは意識しておきましょう。
上記でエントリーした場合、その後少し調整局面でデッドクロスが起こっているため、ここで一旦ポジションをクローズという選択肢を取る可能性もあり、利益は僅かなものになったりもしますが、これはルールなのでOKです。
次のゴールデンクロスのタイミングをご覧ください。
そこで再度ロングエントリーのチャンスがあることがわかります。ここでエントリーをしてヒストグラムがマイナスに突入するタイミングで利益確定することで利益を得ることができることがわかるでしょう。
これが基本的なMACDの利用方法です。
MACD(マックディー)のデメリット・注意点
次にMACDを利用するときのデメリット、注意点について説明します。
MACDはトレンドフォロー型でトレンドがで始めるととても利用しやすいものです。
しかし一方で、トレンドレスな状態(チャートが横ばいな状態)になるとゴールデンクロスとデッドクロスが頻繁に起こるようになります。
上記のチャートの丸印の位置をご覧ください。
値動きが横ばいで推移しておりこの間繰り返しゴールデンクロスとデッドクロスが発生しています。
この場合に先ほどの基本的な使い方にしてしまうとすぐに損切りということを繰り返してしまいます。
トレンドとは年間で3割しか出ないと言われておりなかなかトレンドに乗るというのは難しいものです。
しかし一度トレンドに乗って利益が伸びていくと、1勝だけしてもトータルで勝てるようになります。
そのためMACDのみだとこの騙しが何度も発生するため、他のテクニカル指標と併用で利用することをオススメします。
MACD(マックディー)でも利用できるダイバージェンスとは?
次にMACDの利用方法の応用編をお伝えしたいと思います。
これは「ダイバージェンス」と呼ばれるものです。
ダイバージェンスとは簡単に説明すると、「チャートの値動きとテクニカル指標が逆行している」ということです。
下記のチャートをご覧ください。
チャート上では価格が上昇トレンドを継続させる中、MACDをみると上下に動きながらも徐々に切り下げ型になっていると思います。これがダイバージェンスです。
このダイバージェンスは「トレンドの転換が近いサイン」という見方になります。
チャートが上昇しているものの、エントリーのタイミングは上昇トレンドについていくのではなく、MACDがデッドクロスした時にエントリーする方が利幅が大きく撮れる可能性が高いということを示しているとも言えるでしょう。
このダイバージェンスは見慣れないとなかなか見つけにくいものであり、初心者の時はまず基本的な利用方法をしっかりと理解した上で、ダイバージェンスを利用するようにしましょう。
ダイバージェンスはMACD以外でも起こるものであるためMACDのみのものという理解はしないようにしてください。
MACD(マックディー)は順張りトレードで
最後にMACDの使い方をまとめます。
MACDは基本トレンドフォローの順張りトレードで利用してください。
そして短期のローソク足では騙しが発生しやすいことから初心者の方は日足以上で利用することをオススメします。慣れてきたら次にダイバージェンスの使い方をしっかりと理解して、その後時間足等時間軸を短くする方がいいでしょう。
トレンドレスの場面では何度もゴールデンクロスやデッドクロスが発生するため何度もエントリーを失敗するタイミングが出てきます。しかしトレンドは年間でも3割程度しか発生しないため我慢しながら、その騙しに引っかからないように他のテクニカル指標と併用して利用することをオススメします。
MACDはゆっくりとした流れでサインで現れるため、MACDのみで利益が出せるトレードは難しいですが他と併用することによって大きな力を発揮します。
そのためMACDのそれぞれの使い方や見方をしっかりと理解することで他のテクニカル指標と併用した時に自分自身の使い方や性格に合ったものが見つかると思いますのでないがしろにせず理解するようにしてくださいね。
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