元証券会社&国内仮想通貨取引所トレーダー中島翔が教える仮想通貨FX中級者への道 第四話「典型的なチャートパターン」

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元国内仮想通貨取引所のトレーダー中島氏の「負けないトレーダー」を目指すコラム第四話は「典型的なチャートパターン」をお届けします。

 

仮想通貨トレード初心者の方でも、ちゃんと負けないようにトレードしたいと思ってインターネット上を探すと、チャート解析の記事をよく目にすると思います。

 

基礎が全くできていない状態で細かい説明を見ても、「一つ言葉がわかったら次にまたわからない言葉が出てきた。」といった感じで、学ぶことを諦めてしまった人も多く存在します。

 

当サイトの中島氏のコラムでは、全くの投資初心者の方でも無駄なく無理なく最初から挫折せずに続けられるよう手順を追って解説しています。

 

今回紹介するチャートパターンを理解するには、第二回、第三回で解説した「ローソク足」についての理解が必須です。まだ読んでいない方は先にそちらを読み、理解してから読みすすめるようにしましょう。

また、これから仮想通貨FXをちゃんと学びたいという方は、それよりも前に第一話「トレードで大事な、知識よりも大切なこと」を読んでください。

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証券アナリスト 中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。

 

その後、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。

 

さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。

 

その後仮想通貨取引所コインチェックにてトレーディング業務を経験し、現在はNYブロックチェーン関連のVCに勤務。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。

 

【保有資格】証券アナリスト

はじめに

仮想通貨トレーダーとして利益を出し続けるための基本的な内容を連載でお送りしております。

 

前回まではまだテクニカル分析の基礎中の基礎という内容でローソク足やローソク足の形状について解説してきました。

 

ここではチャートの典型的なパターンと共に、その投資家の心理的な動きも含めてしっかりと解説したいと思います。

 

チャートの典型的なパターンというのは仮想通貨だけでなく、どの投資商品でも同じような動きをします。ではなぜそうなるのか?そしてどのような形状があるのかを見ていきましょう。

典型的なチャートパターンを頭に入れよう!

典型的なチャートパターン

ヘッドアンドショルダー(逆ヘッドアンドショルダー)

最初はヘッドアンドショルダーという形状でこれは個人的には一番大事で有効なチャートパターンと考えています。

 

ヘッドアンドショルダーが出現するタイミングはトレンド終了期に現れるものです。

上昇していた場合は

一度上昇が止まり調整→再度反発し直近高値を突破→再度調整→反発するも最初に止まった高値付近で止まり下落

という動きになります。

下落していた場合は

一度下落が止まり反発、再度直近の安値を突破し下落→再度反発→また下値を模索する展開となりつつも最初に止まった位置で反発し上昇へ

このような動きを示しています。

 

ではどのような形状なのかをチェックしましょう。

 

下記はBybitのBTCUSDの日足チャートです。

 

bybitのBTCUSDの日足チャート

2019年11月下旬から2020年1月で逆ヘッドアンドショルダーが形成されています。

 

一度下落して大きな下ヒゲをつけ反発、しかし再度2019年12月に安値を突破しますがその後12月19日付近の大陽線で大きく反発、そして2020年1月再度下落するようなう雰囲気を見せますが、結局上昇しているのがわかると思います。

 

この形はとても有効であり、上記の場合下落後の反発でつけた高値を超えると完全にトレンド転換と考えていいとされており、2020年1月10日付近で直近の高値を突破したことでレジスタンスライン(※1)がサポートライン(※2)に転じているのがわかると思います。

 

これがヘッドアンドショルダーです。

※1レジスタンスライン…上値抵抗線。相場がその水準よりも上昇しないのではと思われる水準のこと。

 

※2サポートライン…下値支持線。相場がその水準を維持し、それ以上は下落しないのではと思われる水準のこと。

二番天井二番底

次は二番天井二番底です。

 

相場には天井や底は二回つけると言われており、二回とも同じラインで止まっているとその位置が反転するタイミングと言われています。

 

そしてそこから逆方向に相場が走りやすいため、この二番天井二番底を使ったトレードは初心者でも行いやすいと言えるでしょう。視覚的にもすぐにわかると思います。

どのような形かをチェックしましょう。

 

Bybitの6時間足チャート

これはBybitの6時間足チャートです。直近のプライスアクションを表示させています。

 

3月の12日あたりにみなさんが驚愕した40%超の下落から大きく下ヒゲをつけて戻ってきていますが再度下落する動きを見せました。

 

しかし大陰線をつけた後直近の安値付近で再度止まってそこから上昇しています。その後やはり一旦反発した高値付近がサポートラインとなって機能し上昇基調に入っているのがわかると思います。

三角保ち合い

次にご紹介するのは「三角保ち合い」です。

 

これもチャートパターンでは典型的なパターンでトレーダーでは誰もが知っているチャートパターンになります。

 

三角保ち合いとは上昇したり下落したりした後、一時的に揉み合い相場となり方向感がなくなるような形状を示しています。

 

これは方向感がなくなっており、上下動の幅が徐々に小さくなって行きます。

 

そして次に動いた方向に大きく動きやすいということでこれも初心者ならとてもエントリーしやすい形状なのではないかと思います。

 

では実際のチャートを確認しましょう。

 

三角保ち合い

上記のチャートはBybitの15分足のチャートです。

 

直近(4月4日時点)のプライスアクション(値動き)のため少し切れてしまっていますが、チャートの真ん中あたりで上下動を繰り返しながらチャートの変動幅が収斂(しゅうれん…縮むこと)している局面があると思います。

 

その後上昇局面に入り、急上昇をして終了という動きです。ではなぜこのように急激に動きやすくなるのでしょうか?

 

それは上下動が小さくなっている=売りも買いも注文が入っているから なんです。

 

つまりその収斂している間はロングポジションもショートポジションも積み上がっており、どちらに動いたとしてもその損切りの注文が溜まっているとも言えるからです。

 

だから三角保ち合いは動くパワーを溜めていると言われている所以は投資家のポジションの積み上がりが背景にあることを覚えておきましょう。

ソーサー

次にご紹介するのは「ソーサー」と呼ばれる形状です。

 

これはなかなか見分けることが難しいためこういうものがあるんだということで覚えておくといいでしょう。

ソーサーとは「お皿の緩やかな底」をイメージしてください。緩やかにトレンドが変化していくことを指しています。

 

仮想通貨のマーケットではどうしても流動性が伝統的なアセットクラスと比較して低いことから、テトリスのように急上昇、急下降、横ばいみたいな動きをしているためなかなか出ない可能性もあります。しかし投資の世界ではこれもメジャーな形状のため覚えておくといいでしょう。

 

では形を見ていきたいと思います。

Bybitの12時間足チャート
上のチャートはBybitの12時間足チャートです。

 

チャートの左側では下落した後、徐々に底値を切り上げながら横ばいのチャートを描いています。

 

ある意味三角保ち合いと似ているようにも見えます。

 

しかしこのように徐々に下値を切り上げるも上昇できないチャートをソーサーと呼んでおり、下落方向へのバイアスが減退し、ソーサーを形成している高値を超えると勝負あったという雰囲気で大きく上昇し、大きな上昇トレンドを作り出しているのがわかるでしょう。

 

大きなトレンド転換時に発生しやすいチャートパターンでこれが出現するとそろそろ動くかもという頭を働かせて注意深くチャートを見ていく必要が出てきます。

チャートパターンはなぜ形成されるのか?

これまで典型的な代表的なチャートパターンをご紹介しましたが一体なぜこのようなチャートパターンが形成されるのか?という解説はあまり見たことがないためコメントしたいと思います。

 

まずそれぞれのチャートを見ながら自分がトレーダーになったとしてしっかりと考え抜いてみてください。

 

どういう心理的な状況に陥りやすいのか?チャート見ながらどう思うのか?どういう恐怖感が自分としては感じるのか?等です。

 

最初にご消化したヘッドアンドショルダーや二番天井二番底、、三角保ち合い、そしてソーサー等全て人間の心理的側面を表しているというと理解しやすいのではないでしょうか?

 

ここで止まるかもしれないとみんながしっかりとチェックしているラインや、ここを超えると一旦ポジションを閉じようというラインが全てはっきりと見えていると思います。

 

三角保ち合いを例にとると、ロングポジションもショートポジションも積み上がりながら価格が動かないと、もしポジションを保有しているトレーダーなら
「これが逆方向に動くと一旦損切りを行おう」と考えるのが普通だと思います。

 

その損切りのラインは三角保ち合いがブレイクしたタイミングが一番ベターとも言えるでしょう。傷口は浅く、次のトレードで取り返せる範囲でポジションは閉じるのが基本だからです。

 

このように自分がポジションを取ったとシミュレーションして色々なシナリオでチャートを俯瞰してみると新たな発見がたくさんあると思います。

 

そして投資商品でチャートパターンが共通している理由は「相場を動かしているのは人間だから」です。

 

結局価格を予想する物が人間である以上心理的な揺れ動きはどの投資商品をしている投資家でも同じと言えるでしょう。

 

投資をする上で大事なことはチャートパターンを覚えることも大事ですがそれ以上になぜそのようなパターンができていて、その背景にある投資家心理を理解することが今後のトレードを上手くさせるいいトレーニングになります。

 

是非意識して行動してみてください。

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記事の監修者

中島翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。証券アナリスト資格保有 。

Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12

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