カルダノ(ADA)運営母体の1つEMURGO社CMOフローリアン氏独占インタビュー
EMURGO社CMOフローリアン氏プロフィール
フローリアン ボナート(Florian Bohnert-富天宇)
EMURGO CMO
技術で環境と社会を改善することを目標とし、2010年からアジアのスタートアップシーンに参加。2018年4月に37億米ドルで買収された、自転車シェアリングサービス「Mobike」の国際事業部門を主導。初の外国人従業員として、20ヵ国に事業を拡大することに成功した。Mobikeに入社する以前はエネルギーマネージメントSaaSプラットフォーム「WeSmart」を設立し、中国国内における多国籍企業にサービスを提供し、初の資金調達で100万米ドルを調達した。また、Forbesの30歳以下の30人に選出される。他、Startup Grindの共同ディレクターおよびメンター、Chinacceleratorのメンター、上海大学の講師を務める。EMURGOではグローバル・ボイスおよびマーケティングとして活躍する。
カルダノというプラットフォームについて
カルダノというプラットフォームについて改めて教えてください。
カルダノは最初の第三世代と言われるブロックチェーンプロジェクトです。
三つの特徴がそのブロックチェーンプロジェクトにはあります。
・スケーラビリティ
・サスティナビリティ
・インターオペラビリティ
と言う領域です。
拡張性、相互接続性、持続性に注力して、ブロックチェーン開発をしています。
その三つの領域にアプローチすることは、すなわち、 第二世代と呼ばれるイーサリアムなどが直面している課題の解決となります。
これを解決することによって、第3世代の特徴である、アプリケーション開発ができるような、実用に耐えうるプラットフォームが作れると考えています。
我々は、論文をアカデミーに対して提出し、権威のある方々にレビュー(検証作業)をしていただいて、そこで承認されたものを技術導入するというように、インタラクティブにコミュニケーションしながら開発をしています。
それをすることによって、最も信頼されるようなプラットフォームになっていくのではないかと考えています。
我々は今、メインネットローンチ前のため、大きなICOプロジェクトをやったり、細かなプロジェクトをたくさんやっていきたいというわけではなく、着実にプラットフォームをしっかりと組み上げ、その上で長期に渡って、良いものをどんどん育てていければと考えています。
カルダノプロジェクトの中でのエマーゴの役割は?
カルダノプロジェクトの中で、エマーゴはカルダノを商業化するパートになっており、そういった技術の上に作ったアプリケーションなどを世の中に広める役割を果たしていきます。アプリケーションを作り、リリースしていくことによって、今、ADAを持っている人たちにも、寄与できると考えています。
(仮想通貨業界全体的に)トークンの価格がずっと下がり続けていますが、、
仮想通貨、これからは暗号資産と日本では呼ばれるようですね?今、目の前のトークンの価格をどうこうというより、将来のカルダノが作る世界の価値が上がっていくことによって、ADAを持っている人たちにも、明るい未来を提供できると思っています。
今後、どのような方々に、どのようなサービスを提供していく予定なのでしょうか?
四つのサービス領域を提供することによって、ミッションを遂行していきます。
(1)BtoBでのカルダノエコシステムの提供
先ほどご説明をしたように、第三世代ブロックチェーンであり、進化を続けるカルダノエコシステムは、あらゆる企業において様々なソリューションを提供できます。
そこに魅力を感じていただける企業の方々に対して、テーラーメイドのようなカスタマイズができるようなシステム開発を提供していきます。
(2)アカデミー
オンラインでもオフラインでも教育プラットフォームを提供していくことによって、デベロッパーも、ノンデベロッパーの人たちも、ブロックチェーンの教育を受けることができればと考えています。
すでに我々は東京理科大と提携をしていまして、この秋にはオープンカレッジを実施しました。
先日もブロックチェーンハッカソンを行い、様々な企業の方や学生の方に参加して頂き、それぞれ成果を残してくれました。
オープンカレッジは、来春もやる予定です。秋期のオープンカレッジは多くの方に喜んでいただけたので、定期的にもっとやっていきたいと考えています。
(3)投資やアクセラレーションプログラム
今年の10月に、ニューヨークにあるSOSVと言うアクセラレーションプログラムの大手企業と提携をしました。
我々はそのSOSVとdLab:というベンチャーアクセラレーションプログラムを作りました。そこへ北米を中心としたSeedsステージのベンチャー企業を募集していました。我々の支援を受けて、コンサルティングなどの近接な支援を受けながら、会社を大きくしていこうと考えています。
ゆくゆくは我々のカルダノブロックチェーンを使い、我々のプラットフォーム上、エコシステム上で大きな会社に育っていってもらえればと考えています。
(4)アドバイザリー
ブロックチェーンに関する、包括的なアドバイス業務を行ない、コミュニティに価値を与えるような活動を行っています。
これらの四つの領域の順番はすごく重要で、我々のミッションは、コミュニティにその価値を上乗せしていくと言うことです。
サービスの開発を行い、次に教育。そしてアクセラレーションプログラムやベンチャーキャピタルによって、エコシステムを成長させていきます。それが我々のミッションだと思っています。
フローリアン氏がエマーゴに参画した理由とカルダノの魅力
フローリアン氏がエマーゴに参画した理由について教えて頂けますか?
私は「技術で環境と社会を改善していくこと」を、人生・仕事をする上でのミッションとして掲げています。
その中で、IoTに興味があったのですが、さらに、IoTにまつわるようなものとしてブロックチェーンに自然と興味を持ちました。
ブロックチェーンのほうが、地球・世界に対してもっと大きなインパクトを起こせるのではないかと考え、この業界に携わるようになりました。
そして、いい仲間・チームと共に働いていきたい、と考えています。その中で、ブロックチェーンプロジェクトTOP10の中でカルダノにすごく惹かれました。
カルダノに参画することによって、「地球に対して良いインパクトを起こせるのではないか」と考えています。
さらに、先ほどお話したように、カルダノプロジェクトでは、ブロックチェーン開発以外にも、スタートアップを育てていくという領域は、私にとって大きな魅力の一つです。
私は、フォーブス中国の30歳以下の30人に選ばれていて、その活動をしていく中でも、スタートアップ支援とブロックチェーン事業、またその両方を、やっていきたいと考えています。
フローリアン氏は他にもビジネスをされているとのことですが、どんなビジネスを?
現在「スタートアップグラインド」という組織を起ち上げてSeedsステージのベンチャー企業コンサルティングを行っています。
ブロックチェーン事業であるかないかは関係ありません。
エマーゴとは被る領域もありますが、スタートアップグラインドは非営利団体なのが大きな違いです。
なぜ日本にはカルダノファンが多くいるのでしょうか?
ブロックチェーン業界の有名人で、チャールズ・ホスキンソンがいます。カルダノというのは、チャールズ・ホスキンソンは立ち上げたプロジェクトです。
彼は元々イーサリアムのCEOでもありました。イーサリアムのプロジェクトを去った後に、より理想的なプロジェクトを始めたいと考えた時に、大阪で現在エマーゴのCEOである児玉と出会いました。
チャールズとジェレミー・ウッド、そして児玉が、意見を交換していくうちに、チャールズのアイディアが固まったそうです。それが日本で、日本人である児玉と話が行われたというところから、カルダノにとって、日本はゆかりの土地となりました。
「日本に対してもっと注力していかないといけない」ということは、チャールズ自身が発言していますが、日本という市場が魅力的であり、仮想通貨の先進的な国というところは間違いありません。
それに加えて、カルダノプロジェクト自体が日本でICOを行い、日本の人達に支えられて立ち上がったプロジェクトであると、チャールズは認識しています。日本に対して何か恩返しをしないといけないだろうと、彼は常に考えています 。
日本以外では、どの国のホルダーが多いと感じられますか?
我々はグローバルなプロジェクトなので、どの国にホルダーが多いというよりは、世界各国にADAホルダーがいると感じています。
我々の拠点があるという点で言えば、インドネシアでHeroグループとジョイントベンチャーを組んでいます。
またその他にも、仮想通貨、暗号資産のハブでもあるシンガポールにも、我々エマーゴの拠点があります。
他には、カルダノプロジェクトのIOHKの拠点がUKであったり、チャールズ自身の出身国であるアメリカにホルダーは多いかと思います。
目視確認できるものとしては、マーケットキャップを見ていただくとわかりやすいのですが、韓国ウォンでの購入ボリュームも多いと把握しています。韓国も仮想通貨、暗号資産が先進的な国でもありますし、それはありがたいことだと感じます。
2019年には、今あげた国だけではなく、アフリカなど、いろんな国、世界中に、我々のファンベースというのが、拡大していければなと思っています。
ミートアップも随時開催していくので、ぜひウェブサイトやツイッターをチェックしていただければと思います。
カルダノがマーケットキャップTOP10以内にあり続けている理由、人気を集め続ける理由は?
プロジェクトの透明性があるということです。
我々は開発を、ホワイトペーパーや論文の形式から始めます。それを暗号学会に提出し、査読(ピアリーディング)をしてもらいます。このようなアプローチをするプロジェクトというのは他にはありません。
他にはないので、ある意味で自分たちがそのハードルを上げているところがあります。それを自分たちで乗り越えてこそセキュリティを担保できています。そういう部分で、コミュニティの方々が評価をしてくれているのではないかと考えています。
それらはソフトウェア開発において、セキュリティレベルの高いものを担保しないといけない時に行う検証プロセスです。そういう厳しいプロセスを我々は踏んで開発をしています。そこもカルダノが信頼される理由の一つではないかと考えています。
過去には、業界でDAO事件などがありましたが、我々はそういうことが起こらないように検証をすることによって、注意深く開発を行っています。
また、ADAのコンセンサスアルゴリズムは、持続可能性と流動性を考えられた上で、Proof of Stake(プルーフ・オブ・ステーク/PoS)を採用しています。コンセンサスアルゴリズムがPoSだということも、投資家を惹きつける大きな理由かと思います。
直近のカルダノのニュースと最新情報の入手方法
カルダノベースのICOや、その他のリリース予定などニュースはありますか?
そうですね…まだ話せないこともあります(笑)
先ほど申し上げた通り、我々のプロジェクトは、透明性を重要視しています。ほぼ全ての情報は、カルダノのロードマップ上で掲載しています。
カルダノの最新情報はそちらをチェックしていただければいつでも見られるようになっています。
カルダノは、現在メインネットローンチ前となっています。メインネットがローンチされてから、様々なプロジェクトが具体的に動き出していくと思うので、未来に期待をしていただければと思っています。
様々なプロジェクトのローンチという話は、メインネットローンチ前でも色々並行して進めているのですが、具体的なお話は控えさせてください。
出せる情報を教えてください。
12月10日にメタップスプラスとの提携に関する発表をしました。
その発表内容は、メタップスプラスが持っている、決済プラットフォームに、ADAが統合されて、33,000店舗の韓国の空港やコーヒーショップなどで、使えるようになるという完了アナウンスでした。
既にTwitterでも、ある程度統合完了の目途はついているとはツイートしていますが、オフィシャルアナウンスメントを12月10日に出せました。
こちらも既にアナウンスは出していますが、「クリプトカード」というカードをメタップスプラスで作っていて、配布キャンペーンをしていました。
なぜクリプト”カード”なのでしょうか?
理由としては、仮想通貨というものは、スマホのアプリなどで触ったりは出来るのですが、手で持てないですよね。そこで、手に持っていただけて、より仮想通貨を実感していただきたいなという思いから、製品化したという流れです。
今後クリプトカードを使ってコーヒーを買っているようなシーンの動画も出して行く予定です。
ぜひカルダノプロジェクトのみならず、仮想通貨というもので決済をしていくような未来を、もっと皆さんに具体的に想像していただけたらと思い、こういった活動をしています。
公式Twitter以外にフォローしておくべきアカウントがあれば教えてください。
児玉健
エマーゴのCEOです。仮想通貨業界に黎明期から携わっております。
https://twitter.com/Emurgo_Ken
セバスチャン
技術的な解説をしてくれています。
元マイクロソフトUSの社員で、当時から、カルダノの解説動画をずっと作り続けています。日本語もしゃべれます。
https://twitter.com/SebastienGllmt
フローリアン
エマーゴのCMOで、冒頭にプロフィールをご紹介しました。
https://twitter.com/tech4earth
ニコラス
エマーゴのCTOで、YOROIをはじめとする様々な開発をリードしています。
https://twitter.com/NicoArqueros
ミッキー
PR責任者で、メディア取材、記事掲載、SNSなど外部発信すべてに携わっています。
https://twitter.com/EMURGO_Mickey
他にこのあたりもフォローをおすすめします。
EMURGO カルダノ ADA
Yoroi wallet/ヨロイウォレット
EMURGO Building a Global Cardano
ADA(エイダ)コインにおすすめの取引所ランキング、買い方、購入方法
ADA(エイダ)コインは現在、Binance、Huobi、OKEx、Bittrexをはじめとする、多くの仮想通貨取引所にて購入することが可能です。
その他ADA(エイダ)コインの購入方法について詳しく知りたい方は【ADA(エイダ)コインにおすすめの取引所ランキング、買い方、購入方法】の記事を参考にしてください。