2020年9月に国内初上場としてコインチェックにリストされたIOSTをご存知でしょうか?
当時1IOSTあたり1円以下(0.6円〜0.8円前後)でコインチェック販売所に並んでおり、その当時購入した人は2021年4月21日現在、約10倍の利益を得ています。格闘家・Youtuber朝倉未来氏のIOSTで「億った」というツイートも話題になりました。
2021年のブームDeFi、NFT銘柄でもあるIOSTはそもそも何のために生まれ、どのような使いみちがあるのか?運営元、プロジェクトポリシーなどをまとめました。
IOSTは現在国内仮想通貨取引所では、コインチェックのみの取り扱いとなっています。
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- CEOのジミー・ゾンは複数のスタートアップを手掛ける中国人起業家
- IOSTのコンセンサスアルゴリズムはPoB(Proof of Believability)で、第1世代、第2世代のデメリットをクリアした実用的なアルゴリズム
- 日本の大学との連携など、日本とのつながりも強く、プロジェクトの透明性が高い
- NFT領域でも話題となっており、今後の期待値が高い
IOSTの概要
IOST(アイ・オー・エス・ティー)の概要 | ||
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基本情報 | 仮想通貨名 | IOST(アイオーエスティー) |
ティッカーシンボル | IOST | |
発行開始年月 | 2017年12月 | |
主な利用用途 | DeFi(送金、決済、投資、スマートコントラクト) | |
発行状況 | 発行主体 | IOST財団 |
発行方法 | ICO及びプログラムによる自動発行 | |
上限発行量 | 900億IOST | |
発行可能数の変更 | 可 | |
発行予定・発行条件 | ブロック生成を行う。 IOSTのノードとして投票を受ける、またはノードに投票を行う。 財団への支払いはプログラムの自動発行で行われる。 | |
価格移転記録 | コンセンサスアルゴリズム | PoB(Proof of Believability) |
IOSTのCEOジミー・ゾン(Jimmy Zhong)
IOSTのCEOは中国人のジミー・ゾン(Jimmy Zhong)は、若く情熱的な起業家でアメリカと中国の双方で複数のスタートアップを手掛けてきました。
2009年に中国の北京でThe Aristo Leagueという最大の学生連盟と学生向けの旅行代理店を作り、その後、アメリカのジョージア州アトランタにあるエモリー大学に留学。数学とコンピュータサイエンスの学士号を取得しています。
彼は在学中の2011年、最初の会社であるFind incを創業、2年9ヶ月後にシリコンバレーに移り、社名もStudyPoolに変更。StudyPoolは、インターネット上で学生同士が授業のノートを売買するシステムで、シリコンバレーに移って数年でその会社を約40億円で売却しています。
北京に戻った後、Doraという無人キャッシャーのIoTビジネスのマーケティングの仕事を手がけ、中国全土に渡り1万台以上を導入させ成功しています。
2017年にブロックチェーンのより実用的な使用を目指すためにスケーラビリティのトリレンマを解消すべく、IOST財団を立ち上げました。
IOSTのCTOテレンス・ワン(Terrence Wang)
CTOのテレンス・ワン(Terrence Wang)は、2009年にアメリカのミネソタ大学に留学し、コンピューターサイエンスを学んだ後、シカゴ大学、プリンストン大学大学院と進学し、プリンストン大学でコンピューターサイエンスの博士号を取っています。
職歴としては、Microsoftでのソフトウェア開発やシカゴ大学でのリサーチアシスタントを在学中から経験し、プリンストン大学院修了後にはUberで2年間ソフトウェア開発を経験。
2017年6月からジミーと共にIOST財団を共同設立しています。
IOSTの発行方法、発行条件
基本的な発行方法については、ICOおよびプログラム発行となっています。
発行の仕方は3種類あり、ブロック生成方式による報酬、ノード投票による方式、インフレ率に基づく財団への自動的な支払いです。
ノード投票の条件としては、IOSTのノードとして投票を受ける、またはノードに投票を行う事によって発行されます。
財団への支払いはプログラムの自動発行で行われます。
IOSTのコンセンサスアルゴリズム
IOSTのコンセンサスアルゴリズムは、第3世代にあたる新たなものでPoB(Proof of Believability)です。
ネットワークへの貢献度をブロック生成権の優先軸においているコンセンサスアルゴリズムで、簡単に解説すると、各ユーザーにBelievabilityというスコアをつけ、スコアの高いノードが交代でブロック生成を行えるようにする仕組みです。
全てのバリデーターをBelievable leagueとNormal leagueの二つのグループに分割し、Believable leagueがブロック生成を行えます。Believable leagueに選出されるには、トークン残高、コミュニティへの貢献度、レビューなどによってBelievable Scoreが決定され、スコアが高いノードがブロック生成し、Normal leagueでサンプリング再検証を行う仕組みです。
第2世代の代表的なコンセンサスアルゴリズムであるPoSの進化版となっており、PoWやPoSよりもブロック生成時間を早め、スケーラビリティのトリレンマに伴う遅延問題を解決しています。
PoB(Proof of Believability)のメリット
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)に代表されるPoWなどのコンセンサスアルゴリズムを用いたブロックチェーンは、取引量が増加すると負荷の増大により処理が遅くなったり、手数料が高騰したりする課題があります。
ブロック生成を行う際、およそ100人のブロックプロデューサーをBelievabilityスコアによってローテーションさせることで高速且つ公平にブロック生成を行うことが可能になっています。
PoB(Proof of Believability)のデメリット
PoBのコンセンサスアルゴリズムとしての明確なデメリットは少なく、強いて言うのであれば全体のノード数(ブロックプロデューサーの数)が他のブロックチェーンに比べて少なくなる傾向にあるので少数のノード参加者の結託による不正が行われるリスクがあります。
また、IOST自体が中国政府との関連が強いので、政府の監視や関与が強まる可能性がある事は否めません。
IOSTのプロジェクトポリシー(発足の目的・背景など)
IOSTの創業者であるジミーはビットコインが始まった当初からブロックチェーンに魅了され、彼自身が初期のビットコインとイーサリアムのマイナーでもありました。マイニングを進める上でジェミービットコインのコンセンサスアルゴリズムである PoWは商業利用するにはあまりにも遅すぎると言う点に課題があると感じていました。
第2世代のPoSになってもスケーラビリティの問題が発生し、いわゆるスケーラビリティのトリレンマという課題があり、この課題を解決したいというジミーの想いがIOSTの発足に繋がっています。
このような背景からのIOSTは、ブロックチェーンテクノロジーをクレジットカード等と同様に現実的なレベルで様々なサービスに活用することを目的としたプラットフォームを作ることを目指しています。
独自のコンセンサスアルゴリズムであるProof of Believabilityによる公平且つ高速なトランザクション処理、シャーディングを用いたスケーラビリティ問題への解決などでその実現を目指しています。
また、Javascriptを用いたスマートコントラクトを使用する為、DApps開発の参入障壁も低いのが特徴です。DeFi分野での使用が特に期待されるIOSTですが、ブロックチェーンゲームや医療記録の保管など様々な分野での使用を視野に入れて開発が進められています。
IOSTの沿革
2017年6月 IOST財団の設立
2017年12月 IOSTを発行
2018年4月 bitfinexで取り扱い開始
2018年6月 IOSTのエコシステムを支援するBlueHilが5000万ドルの資金調達に成功
2018年6月 テストネット「エベレスト」 Ver.0.5リリース
2018年7月 韓国のUPbitで取り扱い開始
2018年10月 テストネット第2版となるエベレスト Ver1.0リリース
2018年11月 Flagship DAppsパートナープログラムを正式に開始
2019年2月 IOSTメインネットがリリース
2019年3月 Chrome用ウォレット「iWallet」を公開
2019年3月 クロスチェーン型ステープルコイン「iUSD」を発表
2019年4月 電話番号のみでIOSTエコシステムの分散型アプリケーションを利用できるようになるOnBlockをローンチ
2019年4月 トークン買い戻しプログラムを実施
2019年4月 中国民用航空局との戦略的パートナーシップを発表
2019年5月 世界中から300以上のノード参加を達成
2019年5月 仮想世界DAapsゲーム「IOST LAND」をリリース
2019年6月 法律事務所「zelo」と戦略的パートナーシップを締結
2019年9月 ブロックチェーンプラットフォーム上初の戦略ゲームをプリセール
2019年10月 スイスのレ・ロッシュ大学でブロックチェーン技術のワークショップを提供
2019年12月 鹿児島の与論島でIOSTプラットフォームを使ったトークンエコノミーの実験
2019年12月 中国海南省とのパートナーシップを構築
2020年3月 IOSTのメインネットが3.3.2にアップデート
2020年3月 スイスチューリッヒ大学のブロックチェーンセンターとの協力を発表
2020年3月 IOSTメインネットワークのERC20規格のトークンをBURN
2020年2月 近畿大学とブロックチェーンを活用したプロダクト開発を開始
2020年5月 ankrがIOSTノードのホスティングを開始
2020年6月 日本のベンチャーと健康管理記録におけるブロックチェーン技術の活用実験の開始を決定
2020年6月 NFT標準トークンを採用
2020年6月 ポケットウォレットがIOST NFTアセットを正式にサポート開始
2020年7月 チューリッヒ大学でブロックチェーンに関するサマープログラムを提供
2020年7月 アジア最大のeスポーツアライアンスATTNに投資
2020年8月 新たなDeFiプロジェクトを促進する為1億円相当のNoah Oracle Fund設立
2020年8月 インドネシア最大の仮想通貨取引所INDODAXに上場
2020年8月 BidaoのDeFiエコシステムの担保資産として上場
2020年9月 Coincheckにおいて日本初上場
2021年1月 88,888コインをAirDrop
2021年1月 バイナンスステーキングがIOSTのノードプログラムに参加
2021年1月 HUSDステーブルコインをサポート
2021年2月 IOSTブロックチェーンのNFTマーケットプレイスが登場
2021年2月 バイナンスがIOSTのAirDropへの対応を表明
2021年3月 Coincheck NFT (β版)における決済ツールとしての利用開始
2021年3月 Apron Networkネットワークと提携
2021年3月 医療データ共有プロジェクトの第一フェーズが終了
IOSTの過去のビッグニュース
IOSTに関連する最近の大きなニュースをいくつかご紹介します。
日本のNFTマーケットプレイスTokenLinkでIOSTのNFTデジタルアートが落札
2021年4月6日、日本のNFTマーケットプレイスTokenLinkでIOSTのNFTデジタルアートが落札されました。
これは、IOST初のNFTで、日本の漫画家たまきちひろ氏により制作されたNFTデジタルアートで、デジタル漫画を合わせた約20作品がTokenLinkでオークションにかけられており、4月11日現在で高いのもで20000IOST、日本円で12万円の価格がつけられています。
IOSTのNFTマーケットプレイスがローンチ
2021年3月3日 IOSTのNFTマーケットプレイス「TOKEN LINK」がローンチしました。
これはブロックチェーンゲームCROSSLINKでオリジナルのアバターやアートを制作し、ユーザーがNFTトークンを制作しアートコンテンツとして販売できるというものです。
ブロックチェーンゲームにおいて、アイテムや仮想空間内の土地のトークントークン化等が望まれていただけに、このことは大きな進化となります。
マーケットプレイスはスマートフォンやPCなどから簡単に使用できます。
上述のたまきちひろ氏のデジタルアートもTOKEN LINKでオークションされています。
バイナンスがIOSTのパートナーノードに
2021年1月28日、バイナンスがIOSTのパートナーノードして正式にIOSTブロックチェーンに参加することが決まり、IOSTのステーキングを開始しました。
最初の保有量は8億IOSTで、バイナンスに口座のある方はIOSTを購入し、ステーキングすることで、IOSTを報酬として受け取ることができます。
2021年4月11日現在では、100IOSTから参加でき、8.49%のAPYとなっています。
IOSTは将来1,000円を超えるのか?価格推移から考察
2020年末〜2021年にかけて、ビットコインはじめ、仮想通貨市場全体が暴騰しています。多くの仮想通貨が過去最高値を更新する中で、IOSTの価格も直近最高値は更新しているものの、過去最高値は更新できていません。
仮想通貨の格付サイトCoinGeckoによると、過去最高値は2018年1月24日の14.19円となっており、現在価格の上にはまだ空間があるように見えます。
2021年4月現在、ビットコインは2017年末の約2倍の価格をつけての過去最高値更新をしており、アルトコインも後を追っています。同サイト時価総額ランキングを見ると、ユニスワップやソラナなど新興の仮想通貨が価格を続伸しているのに比べ、IOSTやクアンタム(QTUM)、オントロジー(ONT)など、2017年、2018年頃に出てきた仮想通貨は、価格上昇はしているものの、まだ過去最高値は更新できていません。
すべての仮想通貨はビットコインの価格上昇に依存するため、ビットコイン中心に価格動向を注意深く追っていく必要があります。ビットコインのさらなる高値更新と市場のニーズに充分答えうるソリューションを生み出すことができれば1,000円を超えることは不可能では有りませんが、現状出ているニュースのレベルでは難しいように見えます。
しかし、過去最高値を更新できるほどの伸びしろは充分にあるといえるでしょう。
IOSTまとめ
IOSTは日本IOST協会(https://jiosta.com/)などの存在や、日本人担当者がおり、近畿大学発のベンチャー企業とも提携するなど、大学との連携も強化していることから、今後の開発も活発に行われると思われます。
特に、ブロックチェーンゲームとして人気を集め始めているクロスリンクのNFT領域への展開はIOSTの期待値を高めることでしょう。
何よりJavascriptでの開発が可能なことは、不足しがちな開発者人口をカバーできるため将来性が期待されます。
仮想通貨の格付サイトCoinGeckoでは、2018年1月24日に14.19円を付けており、現在のところ、過去最高値は更新しておりません。価格の部分でも今後の成長が期待されます。
コインチェック(Coincheck)の登録で分からないことがあったら【コインチェック(Coincheck)口座開設、登録、本人確認方法】を参考にしてください。