COVID-19パンデミックが西半球を襲って以来、多くの個人や投資家が仮想通貨市場に群がっています。
実際、ビットコインが3月12日にほとんどの株式市場と並んで30%以上下落した後でも、仮想通貨はほぼ完全に回復し、現在はコロナ以前の価格で取引されています。
2020年初来、ビットコインの評価額は25%以上増加しています。
これら印象的な数字にも関わらず、COVID-19の影響で現在直面している問題など、危機的状況下でのビットコインやその他の仮想通貨の存続可能性については、かなりの議論があります。
しかし、このアセットクラスはこのような危機的事態に耐えるように特別に設計されていることを考えると、この記事において過去の経済危機について議論し、新たに参入する投資家は現在進行中のCOVID-19のパンデミックを訓話として見るべきか、それとも前例のない投資機会と見るべきかを検討してみましょう。
2008年の金融危機から仮想通貨が学んだこと
世界中のほとんどの銀行は、顧客の預金から得た資金を借り手に貸すという、何世紀にもわたって行われてきたフラクショナル・リザーブ・バンキング(部分準備銀行制度-市中銀行が預金として受け入れた資金の一部のみを留保し、残りの部分を投融資にあてる制度)を採用しています。
2000年代初頭には、米国の多くの銀行が住宅ローンを理想的ではない候補者に提供し始め、だれでも簡単にローンを組んで物件を購入できるようになりました。
しかし、2008年までに、これらの劣等な借り手の多くが滞納状態になり、ローンを返済できなくなりました。
そして、銀行が物件を所有するようになると、供給過剰から住宅市場は崩壊し始めました。
最終的に銀行には流動資産や現金の代わりに、大量の不動産が残されました。
これにより、多くの金融機関は信用を失い、預金者への返済ができず、破綻につながりました。
また、銀行だけでなく、政府が発行する法定通貨も国民の信用を失いはじめました。
仮想通貨アセットクラスは2008年の市場崩壊の後に生まれました。当時各国政府は市場崩壊の救済措置を行っていましたが、世界初の仮想通貨であるビットコインはそんな中生まれたのです。
2009年にビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモト氏は英国の新聞『The Times』に次のような見出しを掲載しました。
"Chancellor on brink of second bailout for banks."
--「首相は銀行への2度目の救済措置の瀬戸際」
このメッセージはビットコインの最初のブロックの中に刻まれているメッセージでもあり、多くの人たちの中で「ビットコインが現代の銀行システムとは異なり、ユーザーの富を保護するために設計された証明」と語られています。
仮想通貨の価格は需要と共有の経済学によってのみ決定されます。
ビットコインを含む主要な仮想通貨には固定された供給量があるため、需要の増加は価格の動きにも連動します。
特定の政府など中央機関が世の中の需要を満たすためにビットコインを「印刷」したり、企業の救済措置を行なったりすることはできず、インフレーションの形で吸い上げたり、価格を切り下げることもできません。
このアプローチ手法がどれほど効果的であるか理解するために、仮想通貨が今日まで生き残ったことだけでなく、過去に繁栄した経済が衰退した2つの例を見てみましょう。
ハイパーインフレが仮想通貨の採用を促進した理由
金(GOLD)などの他のヘッジ資産を凌駕するビットコインの切り札は、「常に法定通貨の代替として機能する能力」です。
貴金属とは対象的に、個人や企業はすぐに仮想通貨を使って支払いや取引を開始することができます。
つまり、ビットコインは金塊やペーパーゴールド(SDR―IMFが創設した国際準備資産)では比較にならない柔軟性と使いやすさをユーザーにもたらすのです。
仮想通貨が経済危機に非常に有効であることを示す証拠として、ハイパーインフレと貧弱な金融政策の影響を受けているベネズエラとジンバブエが挙げられます。
2008年末、ジンバブエのインフレ率は記録的な157%に達し、1米ドルの価値は2.6兆ジンバブエドルにも達しました。ベネズエラの状況ははるかに悪く、2018年には170万%のインフレ率を記録しました。
仮想通貨が常識になる前は、これら両国の市民は、限られた数の外国紙幣を頼りに商売をするしかありませんでした。
そんな中、ベネズエラでは国際貿易禁止令が発令され、ジンバブエでは紙幣の供給量が減少。これらの方法は、特に大衆にとって、ますます手に負えないものとなっていました。
その結果、未曾有の経済危機に直面した両国の市民は、取引や支払いの決済に仮想通貨のアセットクラスを利用するようになりました。
取引プラットフォームが他の国とは異なり、政府の規制もあって、個人はピア・ツー・ピアの取引プラットフォームを利用して売買・交換を行うことを余儀なくされていました。
にもかかわらず、取引量はかつてないほど堅調に推移しました。
その結果、価格は数日のうちに急騰。数ヶ月経過しても、ビットコインは国際価格に比べてプレミアム価格で取引され続けています。
どちらの地域も、中央当局や第三者が存在しないことが主な理由で、最も悲惨な状況下でも仮想通貨アセットクラスが繁栄することができるという事実を証明しています。
経済危機の最中、どのように仮想通貨取引と向き合うか?
仮想通貨は他の市場に無相関であるアセットクラスであり、そこに価値があることは明らかです。
一部のエコノミストが懸念している壊滅的な崩壊のイベント下では、為替以外のアセットクラスは、強力なヘッジとして機能することが可能です。
とはいえ、ほとんどの人にとって、仮想通貨は依然として挑戦的な市場見通しであり、基本的な投資原則に従うべきです。
損をした場合に生活が変わるほどの投資額を投入すべきではありません。投資である以上原則は同じです。
ハイレベルな視点から見ると、ヘッジを目的とした仮想通貨への投資は、バリュー投資と比較するのがベストです。
投資家は、移り変わる時代の試練に耐えてきた投資商品を吟味しなければなりませんが、その中でもビットコインが最も目立つ存在であることに変わりはありません。
仮想通貨は本質的に不安定であり、危機の際には、これはさらに際立ちます。
他のアセットクラスとはほとんど無相関であるにもかかわらず、仮想通貨は、それ自体に影響を与える独自の市場の影響力を持っています。危機的状況下には、投資家は長期的な価値の観点から投資に取り組むことが特に重要です。
当面は、ビットコインやイーサリアムのような主要な仮想通貨に投資するのが最善の方法であり、リスク選好度に応じて、5~20%のポートフォリオ配分で投資することが良いでしょう。
毎月、仮想通貨のために資金を確保しておくことも、市場が高値と安値の間で揺れ動くのを緩和するための合理的なオプションと言えます。
ビットコインの正当性の証拠が増えるにつれ、投資の専門家でさえも参加するようになっています。
ビジネスインテリジェンス上場企業であるMicroStrategyは、ビットコイン、金、および代替資産に2億5000万ドルを投資しています。それは明らかにヘッジのニーズからです。
CEOのマイケルJセイラーは、多様化を要求するマクロ経済要因を指摘しています。
「ビットコインは合法的な投資資産であり、信頼できる価値の貯蔵庫であり、現金を保有するよりも長期的な上昇の可能性がある魅力的な投資資産である」
とも述べ、同社のプレスリリースでは、ビットコインへの賞賛の嵐です。
仮想通貨の未来
COVID-19の脅威が時間の経過とともに減少するにつれ、株式市場と仮想通貨市場は再び上昇軌道を続ける可能性が十分にあります。
例えば、2007-08年の経済危機の間に市場に参入した投資家は、その後の10年間で投資額が3倍、4倍になりました。仮想通貨市場は2017年までの数年間でさらに爆発的な成長を遂げ、ピーク時の評価額は約7,500億ドルにまで上昇しました。
危機はしばしば、差し迫った経済の破滅と不確実性の絵を描きますが、その裏での真実は、十分な時間が与えられている間は常に前例のない成長期が続いているということです。
大恐慌、ドットコム・バブル、2007年のサブプライムショックの暴落の間には、その発言を裏付ける歴史的な前例がたくさんあります。
現在、市場は比較的落ち着いた水準で取引されていますが、3月と4月にはすでに最大の市場下落が発生しているため、今市場に参加する投資家は、1~2年前に新規にポジションを持った投資家より有利になる可能性が高いと考えられます。
この短い投資チャンスを活用したい方には、業界をリードするBinance、Bitfinex、Kraken、Overbitのような仮想通貨取引所が取引プラットフォームを提供しています。(ただし、お住まいの地域での利用可能性は制限されている場合があります。)
しかし、どの取引プラットフォームを選択するかにかかわらず、仮想通貨市場の将来は信じられないほど有望なように見えます。
2020年の年初来、ビットコインの評価額は8月には7,000ドルから12,000ドルに跳ね上がっています。
世界の金融市場では、信じられないほどの回復を記録しているため、仮想通貨も同様に追随するのは時間の問題です。
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