ハッシュパワーが集中している中国はビットコインにとって最大の脅威となる可能性がある
アメリカのプリンストン大学教授などで構成される研究者グループがビットコインのネットワークに対する中国の危険性について「中国はビットコインネットワークに攻撃を行う能力を有し、攻撃する動機も持っている」と警鐘を鳴らしています。研究者らが発表した警告の根幹にあるのは、中国のマイニング業者だけでビットコイン(BTC)のハッシュパワーの74%を占めている「ビットコインのマイニングにおける中国の独占(中央集権化)」があります。
研究者らの発表によると、ビットコインマイニングにおける圧倒的なハッシュパワーを用いて、19の攻撃を仕掛けることが可能であると発表しています。その攻撃には、ビットコインの特徴である「匿名性を失わせる攻撃」、「コンセンサスアルゴリズムを侵害し、二重支払いの実行を行う攻撃」などが含まれています。これらの攻撃を行うことでビットコインの信用性を毀損させる一方で、中国政府の影響力を誇示することが可能と指摘しています。
また、研究者の発表では、「こういった中国が行う可能性がある攻撃に対する対応策は現状存在しない」としています。中国が行う可能性がある攻撃に防止するためには、中国側がより大きなコストを受け入れる必要があり、非中央集権陣営は文字通り組織だっていないため一致団結できず攻撃を防止できないだろうと予測しています。
そして、中国がこういった攻撃を脅迫材料に用いた場合、合理的に動くマイナーはマイニングをやめることになるため、本質的にビットコインを破壊することができるとしています。
中国がビットコインを攻撃する動機とは
研究者の発表では、「中国政府にはこういったビットコインネットワークに対して攻撃を実施するモチベーションがある」と述べています。中国は、現在も仮想通貨取引所やICOなどに依然として厳しい規制を行っています。
それに対して、ビットコイン(BTC)が掲げる「非中央集権化」は中国が理想とする中央集権的な政治システム「共産主義」とは完全に正反対のイデオロギーとなるため、「非中央集権」や「分散型システム」を攻撃することで既存システムの維持を目論む可能性は高いとしています。
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