機関投資家の資金は仮想通貨市場に流入する
LGOのIR責任者であるKimley Kadoche氏と、GBXのCEOであるNick Cowan氏の両名は、「機関投資家の資金が仮想通貨市場に入って来るという見込み」を持っており、「規制」、「セキュリティ」、「流動性」という現在の課題に対して、自身の意見を述べています。
規制
仮想通貨市場に機関投資家が参入するために障害となっているものの1つが、適切な規制の枠組みの必要性になります。ヘッジファンドは、個人投資家のように自由で簡単な方法で、顧客の資金を投資することができません。
Nick Cowan氏は、以下のように述べ、機関投資家の参入には、現在抱えている問題に対する規制が必要であることを訴えています。
「GBXはこれからは(ビットコインなどの)テクノロジーの時代であることや、機関投資家も採用することを信じています。しかし、それを加速させるためには、機関投資家が仮想通貨市場へ参入することを抑止している問題(消費者の信頼感、投資家の保護、透明性など)に対する一定の規制の実行が必要になります。」
また、Kimley Kadoche氏は、以下のように述べ、現在機関投資家は(仮想通貨市場への参入に)興味があるが、待っている段階であることを示唆しています。
「アメリカでは機関投資家の間に、(仮想通貨市場への参入の)欲求があります。しかし、現在彼らは問題に対する真の解決策を提供する、具体的なものを待っている状態です。また、最も大切なことは、SECとFINRAの対応であり、財務記録に仮想通貨取引を記録できる必要があります。」
セキュリティ
Kimley Kadoche氏は、機関投資家が仮想通貨市場に大きな欲求を持っていることを主張していますが、仮想通貨の保管サービスを含めた「(問題の)解決策を提供する安全な構造」も必要としていると述べています。
「機関投資家にとって、現在市場にあるインフラは非常に安全であるとは言い難いです。カストディアン(保管の代理人のこと)の問題が常にあり、KYCの手順も安全であるとは言えません。
また、仮想通貨に関して、SECがどのような規制や行動を行いたいのかについて、完全に明らかになるのを待つ必要があります。」
また、Nick Cowan氏も「機関投資家が待っている」ことに対して、同様に自信を持っていますが、懸念があるとしており、それはCustody(仮想通貨の保管管理)であるとしています。
これに対して、米国最大の取引所であるCoinbaseが行ったアプローチは、ブローカーの資金を保管するコールドストレージを提供することですが、LGOは、異なるアプローチを取っており、分散型のストレージを提供しています。
CoinbaseのCustodyサービスについて詳しく知りたい方は、【CoinbaseがCustodyサービスを開始!機関投資家に仮想通貨の預け入れサービスを提供!】を参考にしてください。
流動性
一般的に機関投資家は、多額の注文を行うことになるため、流動性の問題は解決される必要がある重要な問題になります。現在、ビットコインやイーサリアムなどの主要な仮想通貨は、業界が出来たばかりの頃よりは遥かに流動性がありますが、たった1つの大きな注文でも、市場全体を動かすことができます。
Kimley Kadoche氏は、解決されなければならない第3の問題が、流動性であることを認めており、以下のように述べています。
「金融機関は大量の仮想通貨を売買することになるため、十分な売り手や買い手が必要になります。機関投資家が望むだけの取引量を提供する必要があり、現在は遅延やスリッページの問題もあります。」
機関投資家の資金流入のビットコインへの影響
両者は機関投資家の資金が流入することが、ビットコインやイーサリアムの価格上昇に繋がるのかどうかということに関しては認めていませんが、「仮想通貨経済にとって、機関投資家の存在が良いことであること」は認めています。
Kimley Kadoche氏は、「市場の信頼性を向上させる」と信じているとし、Nick Cowan氏は、「長期的な目線では機関投資家の仮想通貨市場への参入は起こると思っており、より多くの人が関与するようになり、それは良いことである」と述べています。
機関投資家の資金は、ビットコインを救うことも、強気市場の原動力となることもありません。しかし、市場への合法性を高めることになるため、その過程において、ビットコインを「金融商品」として、現在はまだ行き届いておらず、影響力の大きいセグメントにもたらすことになるでしょう。
Why Institutional Money Is Coming and What This Means for Bitcoin
参考記事はこちら