エンジンコイン(Enjin Coin)とは?エンジンプラットフォームで利用されるよう開発された仮想通貨について徹底解説!

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エンジンコイン(Enjin Coin)の概要

ENJの概要
基本情報仮想通貨名エンジンコイン(Enjin Coin)
ティッカーシンボルENJ
発行開始年月2017年9月
主な利用用途Enjin社が提供するプラットフォーム内でのNFTの発行・売買
発行状況発行主体Enjin Pte Ltd.
発行方法上限発行量まで発行済み
上限発行量1,000,000,000 ENJ
発行可能数の変更不可
発行予定・発行条件なし
価格移転記録コンセンサスアルゴリズムPoS(Proof of Stake

 

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エンジンコイン(Enjin Coin)の発行主体(財団など)について解説

エンジンコイン(Enjin Coin)は、Enijin Pte Ltd.(エンジン)という企業が発行主体となっています。

 

エンジンは2008年にシンガポールで創業されました。ゲーマー向けにコミュニティを作ることができるプラットフォームであるEnjin Network(エンジンネットワーク)を立ち上げ、2000万人以上の利用者を獲得しています。

 

その後エンジンはブロックチェーン技術の開発を始め、2017年にはブロックチェーンプラットフォームEnjin Platform(エンジンプラットフォーム)をはじめとするエコシステムを公開しました。エンジンコインはエンジンプラットフォーム上で機能する仮想通貨として開発されています。

 

エンジンコイン(Enjin Coin)のCEOについて

エンジンのCEOはマキシム・ブラゴフ氏が務めています。

 

ブラゴフ氏はマーケティングやソフトウェアデザインといった分野で18年以上の経験を有する専門家です。エンジンでもCEO兼クリエイティブディレクターを務めています。

 

ブラゴフ氏はロシアのサンクトペテルブルグ州立電気技術大学でコンピューターサイエンスの学位を取得しており、2008年にヴィテック・ラドムスキ氏と共にエンジンを創設しました。

 

エンジンコイン(Enjin Coin)のCTOについて

 

エンジンのCTOはウィテク・ラドムスキ氏が務めています。ウィテク氏はカナダのブリティッシュコロンビア州出身で、2008年にマキシム・ブラゴフ氏と共にエンジンを創設しました。

 

創設以来、ウィテク氏はCTOとしてソフトウェア設計やセキュリティ、テストのベストプラクティスなどを監督しています。また2011年ごろにビットコインを通してブロックチェーン分野を知り、エンジンの支払いオプションとしてビットコイン決済を導入するようエンジンに働きかけたこともあります。現在もエンジンコインの実装やシステム内への統合を主導しています。

 

エンジンコイン(Enjin Coin)のその他主要人物について

 

エンジンのCOO(最高執行責任者)に、ケイレブ・アップルゲイト氏という人物がいます。ケイレブ氏は2007年からロサンゼルスを拠点に映画プロデューサーを務めています。

 

代表作としては『マックス&エリー ~15歳、ニューヨークへ行く!』があげられるでしょう。また他にもChi Rho Filmsという映画制作会社のオーナー兼プロデューサーやMineplexと言われるゲーム会社の共同所有者でもあります。

 

ケイレブ氏は2019年6月にエンジンにCOOとして招かれました。映画やゲームといったエンターテイメント業界において10年以上の経験と実績を有しており、これからのエンジンやエンジンエコシステムの発展に欠かせない人物のひとりと言えるでしょう。

 

エンジンコイン(Enjin Coin)の発行方法、発行条件

エンジンコインは公開時に上限発行量まで発行されており、今後発行される予定はありません。エンジンコインの上限発行量は10億ENJと、ビットコインやライトコインなどの仮想通貨と比べて非常に多く設定されています。

 

エンジンは2017年9月にプレセールを実施しており、全体の40%にあたる4億ENJが発売分にあてられました。またもう40%もSimple Agreement for Future Tokens (SAFT)という契約やアフィリエイトという形で販売されています。これらの販売形式で売れ残ったものが、一般販売という形で仮想通貨取引所に上場しています。

 

また10%はコミュニティやベータテスターなどへのインセンティブとして確保され、残りの10%はエンジンコインの開発チームで分配されました。

 

チームに分配されたトークンは市場の価格操作に使えないよう、ロックアップで段階的に配られました。6か月で全体の25%、その後は3か月ごとに12.5%が開放され、24か月ですべて譲渡されます。またエンジンのアドバイザーに配られたぶんは、2か月ですべて開放されています。

 

エンジンコイン(Enjin Coin)のコンセンサスアルゴリズム

エンジンコインはイーサリアムのトークン規格のひとつであるERC1155を用いて開発されました。そのためエンジンコインのトランザクションはイーサリアムのブロックチェーンで管理・記録され、コンセンサスアルゴリズムもイーサリアムのものに準拠します。

 

ERC1155はエンジンのCTOであるウィテク・ラドムスキが開発した規格です。2019年6月18日に正式にイーサリアムのトークン規格として認められています。

 

ERC1155はイーサリアムのブロックチェーン上でトークンを発行できるERC20とメタデータなどを設定することで唯一無二のトークンを発行できるERC721の長所を組み合わせた規格です。1つの規格でERC20のような汎用性の高いトークンとERC721のように唯一無二のトークンを発行することができます。

 

メリット

イーサリアムのトークン規格を用いてイーサリアムのブロックチェーン上でトークンを発行するメリットとしては、まず利便性が高い点が挙げられます。

 

イーサリアムは時価総額でビットコインに準ずる市場規模を有しているうえ、dApps(分散型アプリケーション)開発の主流となっている仮想通貨です。

 

サードパーティ製のウォレットも多く開発され、利用者も多数です。そのためイーサリアムのトークン規格を使うだけで、多くの人がシームレスにトークンを利用することができます。

 

またスマートコントラクトの実装や枚数の管理などをゼロから設定することは簡単ではありません。イーサリアムの規格を用いることで、煩雑な設定を省略でき、本当に力を入れたい部分に注力できます。

 

加えてイーサリアムのブロックチェーンは高速送金が可能です。ビットコインのブロック生成が10分に1度なのに対し、イーサリアムは理論上15秒に1度に設定されています。その分送金を高速で行うことができます。

 

デメリット

イーサリアムのブロックチェーン上でトークンを発行するデメリットとしては、トークンがイーサリアムに左右されてしまうことがあげられます。

 

イーサリアムの規格で発行したトークンを送金するには、手数料(GAS代)としてイーサリアムが必要です。イーサリアムが高騰すればその分手数料が高騰して需要が低下、価格に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

またイーサリアムのGAS代が高騰しつつあることも問題です。イーサリアム自体をはじめ、dAppsやエンジンコインのようにイーサリアムの規格を用いて開発されたトークンなどの利用が拡大しており、トランザクションが増大しています。

 

結果としてイーサリアムの処理能力が圧迫され、GAS代の高騰を招いているのです。もしトランザクションが増加し続ければ送金の遅れなどにつながる可能性もあります。

 

そのうえエンジンコインが採用するERC1155は他の規格と比べて互換性が乏しいというデメリットもあります。

 

ERC1155はイーサリアムの代表的なウォレットであるMetamask(メタマスク)に対応していません。またdAppsゲームなどで広く使われるERC721とも互換性を持たないため、既にERC721を利用したゲームではERC1155への乗り換えを躊躇するケースも見られます。

 

エンジンコイン(Enjin Coin)のプロジェクトポリシー(発足の目的・背景など)

エンジンコインはエンジンが自社の提供するブロックチェーンプラットフォームであるEnjin Platform(エンジンプラットフォーム)を中心としたエコシステムで利用されるよう開発された仮想通貨です。

 

エンジンプラットフォームはEnjin Multiverse(エンジンマルチバース)と言われる35種類のゲームのプレイヤー向けやdAppsゲームの開発者向けのプラットフォームです。エンジンマルチバースには日本でも有名なMinecraft(マインクラフト)も選ばれています。

 

エンジンコインはエンジンプラットフォーム上でNFT(Non-Fungible Token, 非代替性トークン)のやり取りに用いられます。

 

NFTとはメタデータなどを活用することで唯一無二、他とは代替のできないものをブロックチェーン技術を活用しているトークンにしたものです。デジタルアートやファッションなど権利問題の厳しいものやコレクターズアイテムなどをNFTにすることで安全に、かつ自由に取引することができます。

 

エンジンプラットフォームの場合はエンジンコインを利用することでゲーム内のアイテムをNFTに変換し、自由に取引をすることができます。他のオンラインゲームプラットフォームとは異なり、例えばあるゲームAのNFTを別のゲームBのプレイヤーが購入するなど自由度の高い取引が可能です。

 

開発者であれば既存のゲームやエンジンプラットフォーム上で構築したdAppsのアイテムをプラットフォーム上で公開されるSDK(Software Development Kit, ソフトウェア開発キット)とエンジンコインを用いて簡単にNFTにすることができます。

 

そしてゲームのプレイヤーは開発者などが提供するNFTをエンジンコインを基軸通貨として売買することができます。プレイヤーはNFTの売買で利益をあげられるほかエンジンコインのMelt(メルト)と言われる機能を使って不要なNFTをエンジンコインに戻すことも可能です。

 

エンジンコインはNFT活用し、ゲームで遊びながらお金を稼ぐことができる仕組みを作っています。この仕組みはユーザーがゲームを続けるインセンティブとして機能し、よりエンジンコインの利用拡大を促すよう機能します。

 

エンジンコイン(Enjin Coin)のアライアンス、過去のビッグニュース

最後にエンジンコインに関する過去の大きなニュースを紹介します。

 

2019年2月25日 Samsung(サムスン電子)がGalaxyS10に搭載されるウォレットアプリにエンジンコインが対応することを発表

この日Samsung(サムスン電子)は新しく発売されるスマートフォンであるGalaxyS10に搭載されるSamsung Blockchain Wallet(サムスンブロックチェーンウォレット)というウォレットアプリにおいて、エンジンコインをはじめとする4種類のdAppsに対応することを発表しました。

 

GalaxyS10は大手の携帯メーカーでは初めて仮想通貨技術を導入したスマートフォンです。Blockchain Keystore(ブロックチェーンキーストア)という秘密鍵を管理する機能を搭載しており、仮想通貨の管理や決済などが可能となっています。

 

サムスンブロックチェーンウォレットでは公開当初、イーサリアムとERC20を用いて開発されたトークンのほか、エンジンコインをはじめとする4種類のdAppsをサポートすることが発表されました。

 

この発表以前からエンジンとサムスン電子の間にはパートナーシップを締結したという噂が流れており、2019年3月にはサムスン電子が公式に噂を認めています。

 

2020年5月27日 エンジンがEnjinCraft(エンジンクラフト)を発表

この日エンジンはMinecraft(マインクラフト)にブロックチェーン技術を導入するプラグインであるEnjinCraft(エンジンクラフト)のリリースを発表しました。

 

マインクラフトは2011年11月に初めてリリースされたオンラインゲームです。世界中で高い人気を誇り、YouTubeで最もプレイ動画が再生されるゲームであるほか2019年5月には世界で最も売れたゲームとして認定されています。月間アクティブユーザー数は日本の人口とほぼ同数である1億3000万人を突破しています。

 

マインクラフトはエンジンマルチバースのひとつでもあり、プラットフォーム上に存在するコミュニティの大半がマインクラフトに関するものです。

 

エンジンクラフトはjava版のマインクラフトに適応することができ、マインクラフト内のアイテムをトークンに変換しやり取りをできるようにします。その他にもウォレットをマインクラフトと統合することでウォレット内のエンジンコインやイーサリアムの残高を管理できたり、保有資産に基づいて特別なアイテムを受け取ったりすることができます。

 

マインクラフトは日本でも高い人気があるゲームです。2020年9月には日本の仮想通貨取引所Coincheck(コインチェック)が自社で開発予定のNFTマーケットプレイスでエンジンプラットフォーム内で発行されたマインクラフトのNFTを取り扱うことに向けてエンジンと提携を結びました。

 

2021年4月6日 エンジンがJumpNet(ジャンプネット)をローンチ

この日エンジンの公式Twitterは新しいブロックチェーンであるJumpNet(ジャンプネット)のローンチを発表しました。

 

https://twitter.com/enjin/status/1379378698042871811

 

ジャンプネットはエンジンコインをネイティブトークンとする独自のブロックチェーンです。それ以前はエンジンコインはイーサリアムのブロックチェーン上で発行されていました。NFTの発行にはGAS代(手数料)が必要であり、高騰が懸念されていました。

 

ジャンプネットはPoA(Proof of Authority)という、管理者が選んだノードのみがトランザクションの検証作業を行うコンセンサスアルゴリズムを採用しています。PoAは高速・低手数料のトランザクション処理を実現しており、利用者はGAS代無料でNFTの発行が可能です。

 

またジャンプネットの利用者は旧来のエンジンコインが存在するイーサリアムのブロックチェーン、またEfinity(イーフィニティ)と言われるPolkadot(ポルカドット)という仮想通貨をベースとしたプラットフォームと相互にエンジンコインやNFTをやり取りできます。

 

ジャンプネットのローンチ後、わずか2週間ほどでエンジンのパーティー企業をはじめ50以上のNFTプロジェクトがジャンプネットで立ち上げられました。その中にはBinance(バイナンス)やOKEx(オーケーエックス)などの仮想通貨取引所・ブロックチェーン企業やMicrosoftなどの世界的大企業も名を連ねています。日本の人気VTuber(Virtual YouTuber)も参加しています。

 

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