フィスココイン(Fisco Coin)の概要
FSCCの概要 | ||
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基本情報 | 仮想通貨名 | フィスココイン(Fisco Coin) |
ティッカーシンボル | FSCC | |
発行開始年月 | 2016年6月 | |
主な利用用途 | フィスコグループが提供するサービスの利用 | |
発行状況 | 発行主体 | 株式会社フィスコ |
発行方法 | なし。上限発行量まで発行済み。 | |
上限発行量 | 500,000,000FSCC | |
発行可能数の変更 | 可能(上限発行量のロックアップを解除する必要がある) | |
発行予定・発行条件 | なし | |
価格移転記録 | コンセンサスアルゴリズム | PoS(Proof of Stake) |
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フィスココイン(Fisco Coin)の発行主体(財団など)について解説
フィスココインの発行主体は株式会社フィスコです。株式会社フィスコは投資市場の調査と調査に基づく情報発信、コンサルティング、広告事業などを手がけています。
2016年4月には仮想通貨取引所フィスコ・コインを設立し、仮想通貨交換事業に参入しました。フィスコ・コインはフィスコ仮想通貨取引所に改称、また2019年4月にテックビューロから仮想通貨取引所Zaifの事業承継を受けると共にZaif Holdingsに改称しています。
2021年5月現在、Zaif Holdingsはフィスコと協業の関係にある株式会社CAICA(カイカ)の子会社です。しかしZaif Holdingsは依然フィスコの持株法適用会社であり、フィスコは経営に大きな影響力を有しています。
フィスココイン(Fisco Coin)のCEOについて
株式会社フィスコのCEOは狩野仁志氏が務めています。狩野氏は慶応義塾大学を卒業後、1982年に安田信託銀行(現在のみずほ銀行)に入行しました。その後は銀行を渡り歩き、2010年にフィスコのCEOに就任しています。
狩野氏がCEOに就任した後、2016年に仮想通貨交換事業に参入するなど、フィスコの仮想通貨・ブロックチェーン事業にとって欠かせない人物と言えるでしょう。
現状、株式会社フィスコ全体において、仮想通貨・ブロックチェーン事業の占める割合は決して多いとは言えません。今後は狩野氏の下、仮想通貨事業とフィスココインの更なる発展が期待できるでしょう。
フィスココイン(Fisco Coin)のCTOについて
フィスコの仮想通貨事業において、技術的に重要な役割を果たすのが株式会社CAICAです。カイカはフィンテック開発をはじめとする、システム開発を主に行う企業です。
ブロックチェーン事業にも乗り出しており、2017年には通販システムショップサーブにビットコイン決済システムを提供しています。3月15日からショップサーブに出店する全店でビットコイン決済ができるようになりました。
またカイカはフィスコ仮想通貨取引所のビットコイン決済事業、取引システムにおいても技術支援を行っています。
カイカはZaif Holdingsを子会社化しており、仮想通貨取引所Zaifの実質的な経営権を手に入れています。Zaifにはフィスココインをはじめ、カイカが自ら発行するカイカコインを上場しており、今後のサービス展開に期待できるでしょう。
フィスココイン(Fisco Coin)のその他主要人物について
2021年5月現在、株式会社フィスコの筆頭株主はシークエッジ・インベストメントが務めています。シークエッジ・インベストメントはフィスコの発行する株式のうち、約30%を保有する投資会社です。国内外の事業に幅広く投資しています。特に中国企業に積極的な投資を行っています。
会社法によると、株式の3%を保有する株主は株主総会の招集請求権および会計帳簿の閲覧及び謄写請求権が与えられます。一方、33.4%までは保有していないため株主総会の特別決議を単独で否決する権限は与えられていません。
ただし筆頭株主である以上、その影響力は決して無視できません。
フィスココイン(Fisco Coin)の発行方法、発行条件
フィスココインは2016年6月に株主に無料配布される形で公開されました。公開時点で5000万FSCCが発行されています。またその後2016年10月、2017年5月にも配布されました。
本来、フィスココインは上限発行量を定めない形で発行されています。しかしフィスココインの大部分は株式会社フィスコが保有しており、流通が不充分な状態で新規発行を進めて発行枚数を増やすと価値の希薄化(ダイリュージョン)を引き起こすおそれがありました。
そこでフィスコは2017年7月に追加発行のロックアップと、フィスコ仮想通貨取引所でのフィスココインの上場を決定しました。そのため現在でもフィスココインは新規発行されていません。
フィスココイン(Fisco Coin)のコンセンサスアルゴリズム
フィスココインは元々カウンターパーティー(Counterparty)という仮想通貨の機能を使って開発されたトークンです。カウンターパーティーはビットコインのブロックチェーン上にトークンを発行するため、フィスココインのコンセンサスアルゴリズムもビットコインに準拠するものでした。
しかしフィスコは2020年5月にフィスココインのプロトコルをカウンターパーティーからイーサリアムに移管しました。フィスココインはカウンターパーティートークンからERC20トークンになっています。フィスココインの送金記録などもイーサリアムのブロックチェーンで承認されるようになりました。コンセンサスアルゴリズムもイーサリアムに準拠する、PoS(Proof of Stake)となりました。
メリット
イーサリアムのブロックチェーンを利用するメリットはまず開発者が多く、イーサリアムに対応した様々なサードパーティアプリケーションを利用できる点にあります。
イーサリアムはdApps開発の主流であり、多くのアプリケーションが開発されています。イーサリアムに対応するアプリケーションの多くがERC20などの規格にも対応しているため、フィスココインの利便性が向上しました。イーサリアムや他のイーサリアム規格に対応するトークンを取引する人でも気軽にフィスココインを管理できます。
またイーサリアムはビットコインよりも送金速度が優秀です。ビットコインはトランザクションの承認が10分に1度行われるのに対し、イーサリアムでは15秒に1度行われます。
ビットコインは長くスケーラビリティ問題が課題となっています。スケーラビリティ問題とはトランザクションが増加することで処理能力を上回り、送金の遅延や手数料の高騰を招く問題です。イーサリアムのブロックチェーンを利用することでスケーラビリティ問題を回避し、より快適な送金などを実現できます。
PoSのメリットはマイニングのコストを低下させられることにあります。PoSでは通貨の保有枚数や保有期間に応じてブロックを承認する権限が与えられるため、特別なマシンは必要ありません。
そのため誰でもマイニングに参加でき、環境への負荷も抑えられます。非中央集権性を重んじる仮想通貨の理念にもかないます。
またPoSではマイニングの際に余計なプロセスを挟む必要がありません。そのため取引データの処理を高速で行うことができます。イーサリアムの場合、理論上15秒に1度ブロックを生成することが可能です。
デメリット
イーサリアムのブロックチェーンを利用することで通貨の価格がイーサリアムに大きく依存してしまう点は、大きなデメリットと言えるでしょう。
イーサリアムの規格で開発された仮想通貨は、送金時に手数料(GAS代)としてイーサリアムを支払う必要があります。そのため通貨の利用がイーサリアムの価格変動に左右されてしまうのです。
例えばイーサリアムが高騰すると、フィスココインに関係なく手数料も高価となってしまいます。実態に反する形で手数料が高くなれば利用者が離れてしまい、需要が低下することでフィスココインの価格が下がってしまう可能性があります。
またイーサリアムの取引量が増えることで、GAS代が高価になりつつある点も問題です。イーサリアム自体の利用も増えていますが、フィスココインのようにイーサリアムのブロックチェーン上で動作するトークンが増えることもGAS代上昇の一因です。
GAS代の高騰を防ぐためにイーサリアムではシャーディングと言われる処理能力を向上させる技術の導入を計画しています。またイーサリアムのGAS代を低下させることを目的とした、レイヤー2(L2)ソリューションも数多くリリースされています。
PoSは保有枚数や保有期間に応じてブロックを承認する権利が与えられます。そのためマイニングが盛んになると仮想通貨の流動性が低下してしまうというデメリットがあります。
流動性が低下すると価格が安定しなくなり、通貨の信頼性を損なうリスクがあります。
またPoSでは大量に仮想通貨を保有しなければマイニングに参加できません。そのため大口投資家によってマイニングが寡占化する可能性もあります。
イーサリアムではステーキングサービスを提供し、個人でもマイニングに参加できるようにして寡占化のリスクに対抗しています。
フィスココイン(Fisco Coin)のプロジェクトポリシー(発足の目的・背景など)
フィスココインはフィスコが独自の経済圏を構築するために開発した仮想通貨です。フィスコは日本の上場企業では初めて独自の仮想通貨を発行しています。
仮想通貨取引所が独自の仮想通貨を発行する例は珍しくありません。例えば世界有数の仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)は独自のブロックチェーンを開発し、Binance Coin(バイナンスコイン)という仮想通貨を発行しています。バイナンスではバイナンスコインを決済に用いることで、手数料を抑えることができます。
しかしフィスココインはZaifで決済に使うことはできません。その代わりフィスコグループが提供するサービスの決済に利用することで、法定通貨よりも有利に購入することができます。
例えばフィスコグループは投資情報や投資に関する教育を行うクラブフィスコという会員制サービスを提供しており、フィスココインを決済通貨にすることで書籍やレポートをお得に購入できます。
またカウンターパーティートークンからERC20トークンに変更することで、イーサリアムに対応したウォレットアプリやサービスでフィスココインを扱えるようになり、利便性が向上しました。
フィスコは今後もフィスコ独自の経済圏を拡大していく方針を示しています。フィスココインは経済圏の中心として機能することとなるでしょう。
フィスココイン(Fisco Coin)のアライアンス、過去のビッグニュース
最後にフィスココインに関連する過去の大きなニュースを紹介します。
2020年7月31日 フィスコがFDAP(FISCO Decentralized Application Platform)を発表する
この日フィスコはFDAP(FISCO Decentralized Application Platform)という、複数のdApps(分散型アプリケーション)を駆動させるためのプラットフォームを実現させるプロジェクトを発表しました。同名の子会社が開発に当たり、協業の関係にある株式会社クシムと株式会社CAICAテクノロジーズを開発パートナーに迎えています。
FDAPはフィスココインをユーティリティトークンとするプラットフォームです。プロジェクトの発表時にはスマートコントラクトを活用したバーチャル株主総会の議決権行使アプリケーション、株主優待アプリケーション、フィスココインのステーキングアプリケーションの開発を計画していました。
ステーキングアプリケーションはフィスココインのレンディングアプリケーションへと変更されましたが、開発計画は概ね順調に推移しました。2020年11月25日には議決権行使アプリケーションが開発完了。2021年4月28日にはレンディングアプリケーションがリリースされ、5月1日に第1回のレンディングが開始されています。
2020年12月21日 フィスココインが仮想通貨取引所Finexbox(フィネックスボックス)に上場
この日フィスコはフィスココインが仮想通貨取引所Finexbox(フィネックスボックス)に上場したことを発表しました。フィネックスボックスはシンガポールに本社を置き、セイシェル共和国に登録する仮想通貨取引所です。
フィスココインはそれまでZaifでしか取り扱いがありませんでした。フィスコはフィスコ独自の経済圏の拡大とフィスココインの価値向上をうたっており、流動性の向上が課題となっていました。
このフィネックスボックスに続き、2021年1月には韓国の仮想通貨取引所Probit(プロビット)、2021年3月にはセイシェル共和国の仮想通貨取引所Coinsbit(コインズビット)に相次いで上場しています。
2020年12月30日 フィスコがフィスココインスタートアップコンテストを実施
この日フィスコはフィスコ経済圏の拡張とフィスココインの価値、知名度の向上を目的とした、フィスココインスタートアップコンテストの実施を発表しました。
フィスココインスタートアップコンテストはFDAPおよびフィスココインを用いたキャッシュフローやフィスココインの価値向上をもたらすスマートコントラクトを募るコンテストで、日本だけでなく世界中から募集しています。
募集期間は当初2021年1月1日から2021年3月15日まで、審査期間が2021年3月16日から3月末日でした。しかし3月15日の応募数が多かったために審査期間を延長し、4月末までとしています。
審査結果は2021年5月6日に発表され、チューリンガム株式会社が優勝しました。
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