モナコイン(Monacoin)の概要
MONAの概要 | ||
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基本情報 | 仮想通貨名 | モナコイン、モナーコイン(Monacoin) |
ティッカーシンボル | MONA | |
発行開始年月 | 2014年1月 | |
主な利用用途 | 送金・決済・投資 | |
発行状況 | 発行主体 | なし。プログラムによる自動発行。 |
発行方法 | ブロックチェーンの追記作業(マイニング)に対する報酬として新規発行される | |
上限発行量 | 105,120,000MONA | |
発行可能数の変更 | 不可 | |
発行予定・発行条件 | 1ブロックを生成するごとに、マイナーへの報酬として発行される。 発行開始当初は50MONAが発行されたが、1,051,200ブロックが生成されるごとに報酬が半減し、2021年5月現在は12.5BTCが発行される。 | |
価格移転記録 | コンセンサスアルゴリズム | PoW(Proof of Work) |
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モナコイン(Monacoin)の発行主体(財団など)について解説
モナコインには発行主体は存在しません。モナコインはホームページ上でプログラムを公開しており、誰でも開発することができます。
また発行やトランザクションの管理はプログラムによって自動で行われています。
モナコイン(Monacoin)のCEOについて
モナコインのCEOとも呼ぶべき地位にいるのはわたなべという人物です。わたなべという名前はインターネット上で利用するハンドルネームのひとつで、開発自体は匿名で行っています。他にもMr.Watanabe、テクノブレイク・フォン・モナーバウムなどの名前を使って、イターネット上で書き込みをしています。
モナコインは日本最大のインターネット掲示板である2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)のソフトウェア板発祥の仮想通貨です。2ちゃんねるではテーマごとに「板」という掲示板があり、テーマについて書き込みを行っています。
2013年ごろから2ちゃんねるで仮想通貨を開発しようというアイデアがソフトウェア板で議論され、実際にわたなべが2014年1月にモナコインを開発・リリースしました。
モナコイン(Monacoin)のCTOについて
モナコイン自体の開発や機能の拡張は、わたなべが個人で行っています。事実上、モナコインはCEOとCTOをわたなべが兼任している形です。
しかしモナコインから派生したものは、わたなべ以外の匿名の利用者が開発しています。モナコインの公式サイトやソースコードの公開などは、Monacoinproject(モナコインプロジェクト)という匿名の団体が行っています。
モナコインプロジェクトのメンバーも原則として公開されていません。現在明らかになっているメンバーはCryptocoin‐junkeyという人のみです。またわたなべはモナコインプロジェクトには参加していません。
モナコイン(Monacoin)のその他主要人物について
モナコインの強みは独自のコミュニティにあります。元々インターネット掲示板発祥の仮想通貨であることから、ネットコミュニティを基盤とする独自のコミュニティがモナコインを支えています。
例えば日本最大の同人誌即売会であるコミックマーケットでモナコイン決済を受け入れたり、Twitterを利用した配信サービスであるツイキャスでモナコインを使って投げ銭を行うことができたこともありました。
他にも小規模ではありますが、有志によってイベントが行われることもあります。
モナコインについての情報はAsk Mona(アスク・モナ)というインターネット掲示板で更新されることが多いです。モナコインについて知りたい場合には、アスク・モナを利用するといいでしょう。
モナコイン(Monacoin)の発行方法、発行条件
モナコインではブロックを生成するごとに、生成したマイナーへの報酬としてモナコインが新規発行されます。
ただし、発行されるモナコインの量は常に一定ではありません。モナコインでは流通をコントロールし、希少価値を出すために半減期を設定しています。
半減期とは新規発行される仮想通貨の量を半減する時期のことです。ある一定の周期ごとに設定されます。
モナコインの場合は、105万1200ブロック生成されるごとに半減期が訪れます。モナコインは90秒に1度ブロックを生成するため、90秒×105万1200=1095日、つまり3年に1度半減期が訪れる計算です。
もっとも厳密に3年に1度半減期が訪れるわけではありません。大まかに3年から3年半に1度半減期が訪れます。
公開当初、モナコインの新規発行は50MONAでした。過去には2017年7月と2020年9月に半減期が訪れ、現在の新規発行は12.5MONAです。
モナコイン(Monacoin)のコンセンサスアルゴリズム
モナコインはコンセンサスアルゴリズムとしてPoW(Proof of Work)を採用しています。モナコインはライトコインという仮想通貨をベースに開発されており、コンセンサスアルゴリズムもライトコインに準拠しています。
PoWは日本語に訳すと「仕事の証明」です。P2Pネットワークでトランザクションの合意形成をするために、仕事量を用います。
PoWではブロックを生成する際に「ハッシュ関数」というものを使い、トランザクションをまとめたブロックを暗号化します。マイナーは「ナンス(Number used once)」というものを何度も変更させ、ハッシュ関数の答えであるハッシュ値にたどり着くまで計算処理をしなくてはなりません。
そして最初にハッシュ値にたどり着いたマイナーがトランザクションを承認し、ブロックを生成して新規発行された仮想通貨を受け取ります。最初にハッシュ値にたどり着いたマイナーは、すべてのマイナーの中で最も多く計算処理をこなした、最も多くの仕事量を費やしたことになります。
メリット
PoWのメリットとしては、まず不正に強いことがあげられます。PoWではトランザクションを不正に改ざんするために、マイナー全体の計算能力の過半数を単独で占めなくてはなりません。
計算能力を向上させるためにはより処理能力の高いマシンを導入する必要がありますが、処理能力の高いマシンはそれ自体が高価なうえ、消費電力も高く、電気代がかかります。加えて不正が発覚すれば仮想通貨自体の価格が低下します。
そのため不正行為で利益を出すことが困難です。PoWは特別な仕組みを導入することなく、経済的合理性によって不正に強い仕組みを作り出しているのです。
またPoWはマシンさえあれば、あらゆる人にマイニングの機会が与えられます。平等で公正な仕組みであり、仮想通貨の掲げる非中央集権の理念に即しています。
デメリット
一方PoWにもデメリットはあります。PoWではマイナー間の競争が激しくなるにつれて、要求されるマシンパワーが高くなってしまいます。
パワーの高いマシンは消費電力量も大きく、マイニングを行うためにはマシンをずっと稼働させなくてはなりません。電力の消費量が大きく、環境に負荷がかかってしまうのです。半減期によって報酬が減ると、マイニングで利益を得ることが難しくなってしまい、マイナー離れを招くおそれもあります。
またスケーラビリティ問題のリスクもあります。スケーラビリティ問題とは、ネットワークの利用量が増え、トランザクションが増加することで処理能力が追いつかなくなってしまう問題です。送金の遅れや手数料の高騰を招きます。
PoWはトランザクションの承認に計算処理という余計なプロセスを挟みます。その結果スケーラビリティ問題を起こしやすくなってしまうのです。
更にモナコインのような小規模な仮想通貨の場合、PoWでは51%攻撃のリスクが高くなってしまう問題もあります。PoWでトランザクションに不正を働くためにはネットワーク全体の計算能力の過半数、51%を占めなくてはなりません。
ビットコインのようにマイニングの規模が大きければ過半数を占められることはほとんどないでしょう。しかし小規模な仮想通貨の場合、大きな処理能力を持つマイニングプールなどが結託すれば過半数を占めることは難しくありません。
実際にモナコインでは2018年5月13日から15日までの2日間に51%攻撃による二重送金が確認され、約1000万円もの被害が発生したことがあります。
PoWには上記のデメリットが存在しているため、後発の仮想通貨ではデメリットを克服しうる新しいコンセンサスアルゴリズムが考案されています。
モナコイン(Monacoin)のプロジェクトポリシー(発足の目的・背景など)
モナコインは初めて日本で開発された仮想通貨です。
2013年ごろから、日本最大のインターネット掲示板である2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)のソフトウェア板という、ソフトウェアについて話す掲示板で2ちゃんねる発祥の仮想通貨を作ろうという話題が持ち上がりました。
そして2013年12月23日に、わたなべがライトコインをベースにモナコインを開発し、ソフトウェア板にβ版を公開。2014年1月1日に正式にライトモナコインをリリースしています。わたなべはライトコインなどのマイニングプールである「2chpool」を運営しており、ブロックチェーン技術に明るかったのです。
モナコインという名前は、アスキーアート(ASCII文字コードに含まれる文字・記号を用いて描かれるイラスト)で描かれた、2ちゃんねる発祥のキャラクターである「モナー」に由来しています。
モナコインは2ちゃんねるの内輪のお遊びによって作られた仮想通貨で、大きな目的があって開発されたわけではありません。しかし他の仮想通貨にはなかなかない強みが2つあります。
ひとつは決済速度です。モナコインはライトコインをベースに開発され、高い決済速度を有しています。ビットコインが10分に1度、ライトコインが150秒に1度ブロックを生成するのに対し、モナコインは90秒に1度ブロックを生成します。
更にモナコインではマイニングの難易度であるdifficulty(ディフィカルティ)の算出方法を過去に2度変更し、ブロックの生成間隔を一定に保てるよう調整しています。
もうひとつがコミュニティの強さです。モナコインは2ちゃんねるをベースとする、独自の強固なコミュニティを有しています。
中央に管理者を置かない仮想通貨では、開発や普及活動を進めるためにその通貨の支持者で形成されるコミュニティの存在が欠かせません。ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨でもコミュニティが開発面をリードしていますが、過去には仕様の変更などを巡ってコミュニティ内で対立が起き、通貨が分裂してしまうことがありました。
その点、モナコインのコミュニティは強固です。2017年4月にはモナコインでsegwitというトランザクションの圧縮技術が導入されましたが、その前月から導入の賛否を問い、1か月をかけて75%以上の賛成を集めました。充分に期間を置き、コミュニティ内でコンセンサスを得てsegwitを導入した初めての事例です。
他にもモナコインではコミュニティ内の意見を取り入れてアトミックスワップやライトニングネットワークなど、新しい技術を積極的に導入しています。
またモナコインは小規模な仮想通貨です。しかしコミュニティが率先して利用用途を提供しています。投げ銭に使われるほか、オンラインショッピングや実店舗などでも決済手段としてモナコインを導入する例があります。モナコインのコミュニティではモナコインでの決済を「モナ払い」と呼ばれ、「Monazon.jp」などのサイトでモナ払いができる店舗、サービスを探すことが可能です。
ほかにも有志によってモナコインのマスコットキャラクター「モナコインちゃん」が考案されてグッズなどが販売されたり、モナコインを使って土地を購入し「モナコイン神社」を建立するなど、モナコインのコミュニティは独自の活動をしています。
モナコイン(Monacoin)のアライアンス、過去のビッグニュース
最後にモナコインに関連する過去の大きなニュースを紹介します。
2021年4月7日 CHOCOMONACA(チョコモナカ)のβ版がローンチされる
この日、NFT(Non-Fungible Token, 非代替性トークン)の売買をする取引所であるCHOCOMONACA(チョコモナカ)のβ版がローンチされました。
NFTはブロックチェーン技術を使って作られた、鑑定書や所有証明書の役割を果たすトークンです。ブロックチェーン技術を使っているため改ざんができず、実際の商品と紐づけることで流動性を維持しながら、偽物などの対策ができます。
ファッションやアート、コレクターズアイテムなど多くの分野でNFTの利用が拡大しています。
チョコモナカは仮想通貨取引所をモデルとしたNFTの取引所です。チョコモナカはNFTを売りたい人とNFTを買いたい人を募り、販売場所を提供します。上場されたNFTをチョコモナカが管理し、利用者はモナコインでNFTを売買します。
これまでモナコインのユースケースは小規模で、かつコミュニティ内に閉じたものがほとんどでした。匿名掲示板が発祥であり、内輪で盛り上がるものが多かったのです。
チョコモナカはこれまでモナコインに関わってこなかった人でもモナコインを利用する機会を与えられます。正式リリースの暁には、モナコインの利用が拡大するきっかけになることも考えられます。
2021年5月25日 モナコインが仮想通貨取引所CoinEx(コインエックス)に上場
この日、仮想通貨取引所CoinEx(コインエックス)はTwitterでモナコインを上場させたことを発表しました。
https://twitter.com/coinexcom/status/1397104252477190147
コインエックスはイギリスに拠点を置く仮想通貨取引所で、ビットコインキャッシュを基軸通貨としています。取引所としての規模は中堅どころで、取引高自体はbitFlyer(ビットフライヤー)やCoincheck(コインチェック)などの日本の仮想通貨取引所には及びません。
モナコインは日本発の仮想通貨でしたが、取り扱いは日本の仮想通貨取引所が多く、国際的な広まりは見せていませんでした。
2021年3月にはシンガポールの仮想通貨取引所Bitrue(ビットゥルー)でモナコインが上場、4月にはアメリカの仮想通貨取引所Bittrex(ビットトレックス)でモナコインを取引できる通貨ペアが追加されるなど、2021年に入り、海外の仮想通貨取引所でもモナコインを取引できる機会が増えています。
海外の資本が入り、モナコインの市場やサービスがより拡大することが予想されます。
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