仮想通貨トレード成功の秘訣?窓埋め戦略を解説!

 

 

トレードにおける「窓」とは、株や為替のチャート上にできる空間のことで、取引が行われていない時間帯の終了時と再開時の間で値が飛んでいる状態のことです。

 

24時間365日市場が開いている仮想通貨では、「窓」は存在しないはずなのですが、近年は仮想通貨の市場で「窓開け・窓埋め」という事象が注目されています。

 

この記事では、仮想通貨の「窓埋め戦略」について徹底解説します。

 

市場で発生する「窓」とは?

 

市場で発生する「窓」とは、前日の終値と当日の始値の値が飛んでいる場合を指します。チャートで見ると下記の画像の場所が「窓」になります。

 

チャートに窓ができている様子

 

例えば株の場合、株式市場が15時に閉まってから翌朝の9時に開くまでの間に大きなニュースが流れたりすると、そのニュースを織り込んだ注文が翌朝に入るため、株価に大きな影響が生まれることがあります。

 

「窓」が発生した部分を埋めに行く値動きの事を「窓埋め」といいます。

 

仮想通貨の「窓埋め戦略」とは?

 

ビットコインを含む仮想通貨市場は、24時間365日開いています。しかし、アメリカの大手デリバティブ取引所のCME(シカゴ・マーカンタイル)のビットコイン先物は週末が休場です。

 

そのため、金曜日の夜に閉まってから月曜日の朝に開くまでに窓が発生することになります。

 

週末のみ窓が発生している様子

 

CMEのチャートを確認すると窓が発生していることがわかります。他の仮想通貨取引所のチャートでは窓は発生しません。

 

仮想通貨の窓埋め戦略とは、CMEビットコイン先物においてチャートで生じる窓を活かした投資戦略のことです。

 

窓開けとは?

 

仮に、前日の終値が500円であったとします。その後市場が閉じた後に重大なニュースの影響などの要因で買い注文が多く集まったとすると、翌日の始値は前日の終値の500円より高い価格で取引されることが予測できます。

 

このように、当日の始値が前日の終値を大幅に上回って(下回った場合も同様)窓が発生することを「窓開け」といいます。

 

窓埋めとは?

 

窓埋めの値動きを示したチャート

 

上記の画像のように、窓が発生した部分を埋めに行く値動きのことを「窓埋め」といいます。100%全てがこのような値動きが起こるわけではありませんが、一般的に窓が発生すると窓埋めの動きが多いとされています。

 

チャートに窓が出現すると窓を埋めるように値が戻ることが多いため、値動きを予測する判断材料となります。

 

窓埋めの発生するタイミングと要因は?

 

窓埋めが発生するタイミングははっきりとは予測できないのが現状です。

 

当日かもしれないし、数ヶ月後かもしれません。窓埋めの要因は、「値上がりしたから売りたい」と思っている方が多いからです。

 

窓埋めのタイミンが以下のようなものが考えられます。

 

・窓開けした当日中に窓埋めが発生する

・窓開け後、数日から数週間で窓埋めが発生する

・窓開け後、数ヶ月かけて窓埋めが発生する

 

CMEビットコイン先物とは?

 

CMEビットコイン先物とは、米国シカゴにあるアメリカ人向け商品先物取引所のCME(シカゴ・マーカンタイル)によって開始されたビットコインの先物取引のことです。

 

CMEビットコイン先物には他の仮想通貨取引所とは異なるルールが有り、主に以下の4つの特徴があります。

 

・休場(ギャップ)がある

・メインユーザーは大口投資家

・毎月決済期日がある

・4種類上場している

 

それぞれの特徴について解説します。

休場(ギャップ)がある

 

仮想通貨の市場は365日24時間開いていますが、CMEビットコイン先物には休場(ギャップ)があります。

 

取引時間は、アメリカの中央時間(CT)の日曜日から金曜日の午後6時から翌午後5時となっており、CTの午後5時から60分間は取引休止時間です。また、土曜日は休場となっていて一切取引ができません。

 

年中無休で取引できる一般の取引所と比べて空白の期間が生まれることになります。

 

メインユーザーは大口投資家

 

公式サイトによると、ビットコイン先物は5枚を最小単位としており、1ビットコインの値幅は5ドルとなっています。つまり、ビットコイン先物のポジションを持つ場合の最小価格変動は25ドルです。

 

そのため小口投資家はあまりいなく、メインユーザーは大口投資家となっています。

 

毎月決済期日がある

 

CMEビットコイン先物取引には毎月決済期日があります。世界標準時の毎月最終金曜日の15時と決まっていて、ビットコインの値動きに大きな影響を与えることがあります。

 

決済期日を狙うトレードについては後ほど解説します。

 

4種類上場している

 

CMEビットコイン先物は全部で4種類が上場されていて、四半期サイクル(3ヶ月先物)で取引されています。例えば、6月限月の先物が決済期日で終了した場合、12月先物が上場されます。

 

毎月限月交代があり、新旧の終了と上場を繰り返す仕組みとなっています。

 

CMEビットコインのトレード方法は?

 

ここでは、CMEビットコイン先物の効果的なトレード方法について解説します。主なトレード方法は以下の3つになります。

 

・決済期日を狙うトレード

・窓開けを狙って窓埋めを行うトレード

・順鞘と逆鞘を狙うトレード

 

それぞれのトレード方法について解説します。

 

決済期日を狙うトレード

 

先程紹介しましたが、世界標準時の毎月最終金曜日の15時はCMEビットコイン先物の決済期日です。決済期日は、ビットコインの価格が大きく変動する可能性があります。

 

CMEで取引を行っている大口投資家達のロングポジションまたはショートポジションの優劣によって、価格の変動がある程度予測することができます。

 

一般的に以下の傾向があります。

 

・決済期日前にロング優勢→期日前に上昇

・決済期日前にショート優勢→期日前に下落

 

窓開けを狙って窓埋めを行うトレード

 

CMEビットコイン先物には休場時間があるため、休場時間に大きな値動きが起こると他の仮想通貨取引所では起こらない「窓開け」が発生します。

 

窓が発生した部分を埋めに行く値動きのことを「窓埋め」といいます。必ずではありませんが、CMEビットコイン先物では窓埋めが頻繁に起きています。

 

そのため、「窓開け」を確認したら、またその価格帯にチャートが戻ってくる可能性を考慮してトレードを行えば成功する確率が上がるでしょう。

 

リサーチ機関「Market Science」のレポートによると、CMEビットコイン先物は窓開け発生時に生じた価格ギャップを約95%の確率で埋めているとされています。

 

ただし、窓埋めされる日数はわからない点には注意が必要でしょう。

 

順鞘と逆鞘を狙うトレード

 

CMEの公式サイトでは、ビットコインの先物銘柄が一覧で表示されており、先物間の価格差を確認することができます。

 

CMEビットコイン先物の価格差

 

期近物より期先物の方が高い状態を「順鞘」、期先物より期近物の方が高い状態を「逆鞘」といいます。

 

一般的に「逆鞘」の状態が起きているときはビットコイン現物が枯渇しているため、価格が上がりやすい傾向があります。

 

まとめ

 

この記事で解説した仮想通貨の窓埋め戦略はとてもシンプルな方法です。この記事でお伝えしたいのは、「きちんと統計分析すれば、窓開け・窓埋め戦略は誰でもできる」ということです。

 

仮想通貨の窓開け・窓埋めのトレードの手法は、トレーダーには広く知られており、多くのトレーダーが窓が発生していないか毎週チェックしています。

 

仮想通貨の窓埋め戦略は、仮想通貨FXの中でとてもシンプルで利用しやすいトレード手法です。この記事を参考にして、窓開け・窓埋めのシュミレーションをしてみてはいかがでしょうか。

 

記事の監修者

中島翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。証券アナリスト資格保有 。

Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12



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