コロナが経済を直撃してからは収入が減少したり、色々な不安が生じるイベントが多かったこともあり、これから資産運用を行おうと思っている方も多いでしょう。
その中でもFXの口座開設というのは現代の経済状況や心理状況を反映しており、口座開設が増加しています。しかしFXは危険というイメージやリスクが高いという印象を根強く持っている方も多いです。
FXは利用方法によってリスクが高いこともある一方で、実際にはリスクを理解すれば安定した資産運用のための有効な手段の一つとして利用しやすいのも事実です。
ここではFX初心者の方に向けてテクニカル分析の手法の基礎を解説していきたいと思います。
FXのテクニカル分析の手法は意味がない?効率よく使う方法とは
「テクニカル分析を使ってもあまり勝率が上がらない」「意味がないのでは?」という意見も聞かれます。実際のところはどうなのでしょうか。
テクニカル分析が意味がないと言われる理由
結論から言うと、テクニカル分析に意味がないことはありません。
テクニカル分析がうまくいかないと言われてしまう理由には3つあります。
①手法をうまく使いこなせない
…テクニカル分析には種類があり、それぞれ使い手のレベルや取引に合わせた使い方があります。利用方法を間違えると勝率が上がらないという結果になります。
②ランダムウォーク理論というものがある
…ランダムウォークとは相場の動きは予測不可能なのでいくら分析をしても仕方がないという考え方です。確かに完璧な予測は不可能ですが、テクニカル分析が勝率を上げるのに役に立つこともあります。
③テクニカル分析が通用しない相場もある
…取引している相場によっては機能しない手法もありますので、注意が必要です。
テクニカル分析を効率的に使う方法はあるのか
テクニカル分析を使うさいに大切なことは次の3つです。
・自分のレベルに合った分析手法を使う
・取引している相場に合ったものを選ぶ
・見方を理解する
テクニカル分析を使うと、相場心理の理解を深めることができ、売買するときのタイミングの参考にすることができます。まずは初心者の方がよく使う「移動平均線」についてをみていきましょう。
FXのテクニカル分析の手法の1つ「移動平均線」の特徴や使い方とは
移動平均線とはトレンド系の手法です。
まずご自身で期間を設定し、その期間の価格から平均値をだします。その数字を一つのラインで結びチャート上に表したものが移動平均線です。設定日数が短いほど価格の値動きに移動平均線が敏感に反応するのが特徴です。
移動平均線を利用する意味とは
移動平均線を利用する理由としては次の2つがあります。
・相場がどんな方向に推移しているのかを把握するため
・取引を開始するタイミングを決める材料にするため
移動平均線の基本的な使い方は今後トレードを行う際に必ず必要になります。基本的な使い方は頭にしっかりと入れておきましょう。
移動平均線の基本的な使い方
移動平均線を使うときのポイントは「方向感と大局観を把握すること」「エントリーのタイミングを掴む」の2つです。
まず、方向感と大局観の把握で使うのが「ゴールデンクロス」と「デットクロス」というラインが交差する場所をみる方法です。
上記はドル円の4時間足チャートで、移動平均線は25日単純移動平均線(青いグラフ)と50日単純移動平均線(赤いグラフ)を示しています。
ゴールデンクロス(上図の黄色の◯)とデッドクロス(上図の赤色の◯)は短期の移動平均線と中・長期の移動平均線の交差の仕方をみていきます。短期の平均線が中・長期のものを上抜きしていればゴールデンクロスです。
ゴールデンクロスが発生した場合、相場は上昇トレンド入りしていると判断します。一方でデットクロスの交差の仕方は逆で、これが起こると相場が下落トレンド入りしていると判断します。
ゴールデンクロスとデットクロスを確認し、どちらの方向でトレードするか判断する投資家は多いです。
次に、移動平均線でエントリーのタイミングを考える方法を解説します。
移動平均線は投資家の行動を把握できるという特徴があります。
上記の図でいうと、デッドライン以降25日単純移動平均線が下がってきています。これはこの通貨の値段が下がってきているので投資家が売り注文を行っていることを示します。
しかし、青いラインが一番下がっているところから徐々に値段が上昇してきています。これは投資家が買い注文を行っている傾向があることを物語っています。機関投資家はトレンド相場で大きくリターンを出すトレードすることが多いため、FX初心者はこのトレンドに準じた取引を行うようにしましょう。
移動平均線のおすすめの種類と設定日数
移動平均線のおすすめの種類は「指数平滑移動平均線」で、設定日数は「62日と200日」です。指数平滑移動平均線とは直近の価格に敏感に反応する特性があります。
この方法を使うとエントリーチャンスが多くなります。
上記はドル円の日足チャートで、62日と200日の指数平滑移動平均線が表示されています。この2本を利用する理由は「62日でローソク足の動きが綺麗に止まりやすい」ということが理由です。
このように設定した日数からローソク足がどれだけブレが生じて機能するのかという点でブレが少ないのが「62日」で使いやすいでしょう。
FXで使うテクニカル分析の手法の種類と組み合わせ例とは
移動平均線以外のFXのテクニカル分析手法は5種類です。手法は大きく分けてトレンド系とオシレーター系があります。
それぞれの特徴やどんなレベルの人にオススメかをみていきましょう。
トレンド系…相場の方向性をみるもの
・一目均衡表
…初心者〜上級者まで幅広く人気のある分析方法です。チャートに5本の線を引き、これらの線とロウソク足の位置関係から傾向を見ていきます。値がどんな流れで動いているのかということや、今後の展開を読むのに役立ちます。
・ボリンジャーバンド
…移動平均線の値から標準偏差を計算し、値の上限と下限を求めて使います。価格の95%は上限と下限に入ってくるので、値が上限に近づくと下落に転じるなどと分析します。移動平均線の見方に慣れてきたらボリンジャーバンドを試してみましょう。
オシレーター系…相場の変化の大きさをみるもの
・RSI(相対力指数)
…穏やかな値動きを見せる銘柄を取引する方に向いている方法です。一定期間の終値の上げ幅と下げ幅から指数を0〜100%の間で計算します。その指数が0〜50%で下落の傾向、51〜100%で上昇の傾向と見ていきます。
・MACD(移動平均収束乖離トレード法)
…MACDラインとMACDシグナルラインの2本を使います。通貨の売買を決定するタイミングは、「2本が交わった時」または「どちらかが0ラインと交わった時」です。MACDはダイナミックな値動きの相場で使いやすいです。
・ストキャスティクス
…過去の値動きの最高値と最安値から上限と下限を設定し、その中の何%に当たるかで売買のタイミングをみる方法です。短期売買を行いたい方に向いている分析方法です。
まとめ
FXのテクニカル分析手法には、使い手のレベルや取引内容に応じて使い分けるために6つの方法があります。一部の投資家からは「分析は意味がない」という意見もありますが、分析手段が取引方法に合っていないことや、使いこなせていないという理由があります。
初心者の方は「移動平均線」を使いこなせるようになりましょう。移動平均線は相場の動きがはっきりとしていて見やすく、他のテクニカル分析の手法にも応用できる特徴があります。
FXのテクニカル分析の手法は使いこなし方が難しいという印象を持たれがちですが、効果的に使えばFXの勝率を上げることができます。