楽天ウォレットとは?
楽天株式会社は仮想通貨取引市場への参入の足掛かりとして2018年10月1日にみんなのビットコイン株式会社の買収を行いました。買収に伴い経営陣を刷新、2度の増資を行い財務基盤の強化・事業拡大・利便性と安全性を向上させ、2019年3月1日から商号を「楽天ウォレット株式会社」に変更して新体制で仮装通貨取扱所を運営しています。
みんなのビットコインはみなし業者として運営されましたが、楽天ウォレットは3月25日に仮想通貨交換業の登録業者認定(関東財務局長第00015号)を受け、金融庁から認定を受けた事業者として仮装通貨取引所運営を行っています。
楽天ウォレットの口座開設には楽天ユーザーIDが必要で入出金は楽天銀行からしか行えないため楽天銀行の口座開設も必要です。楽天に会員登録済みで楽天銀行に口座を保有している場合はデータをそのまま利用できます。
みんなのビットコインとは?
楽天の100%子会社となった「みんなのビットコイン」は「みんなのFX」を提供するトレイダーズ証券を有するトレイダーズホールディングスと仮想通貨取引所QUOINEX(現Liquid by Quoine)を運営するQUOINEが業務提携して2017年3月末にサービスを開始した仮想通貨取引所です。
トレイダーズ証券の持つFXトレードのノウハウが生かされ、毎秒100万のトランザクション処理が行えるBTトレーダーを採用し、ビットコイン・イーサリアムの2銘柄に対して最大25倍のレバレッジ取引が行える取引所として注目されました。
しかし金融庁の認可を受けていない「みなし業者」であったため、2018年の仮想通貨取引所に対する規制強化の中で関東財務局から経営管理体制の構築をはじめとする幅広い業務改善命令を受けていました。
みんなのビットコインの提供サービスは2019年3月31日付けで終了しており、ログインは既に停止されています。保有する口座・残高・ポジションは楽天ウォレットには持ち越せず、未清算や取引履歴が必要な場合は楽天ウォレットのカスタマーセンターで本人確認後に対応しています。
楽天ウォレットカスタマーセンター:https://www.rakuten-wallet.co.jp/support/inquiry/inquiry.html
代表取締役社長に就任した 山田 達也氏とは?
楽天の買収によってみんなのビットコインの経営陣が刷新され、新たに代表取締役社長に就任したのが 山田 達也氏です。
山田氏は杏林大学 社会科学部卒業後、Refco Japan・Newedge Group・ひまわり証券・Fimatなどで25年以上もデリバティブ取引上場商品や相対取引のブローカレッジやクリアリング営業などの金融ビジネスに従事、2013年に楽天証券に入社後プロフェッショナルトレーディング本部長・フィンテック推進室長を経て現在に至ります。
楽天ウォレットの親会社・楽天ペイメント株式会社とは?
みんなのビットコインの買収を行った楽天は、現在オンラインビジネスでは国内最大級のマンモス企業となり9分野80社以上を抱えるグループ企業へと成長しました。
このため2019年4月にグループ内でインターネットサービス・通信・フィンテック・決済分野の組織再編が行われ、楽天Edyや楽天ペイ、仮想通貨などの決済事業集約のためグループ企業のスポットライトの商号を変更し誕生したのが「楽天ペイメント」です。
楽天ペイメントは楽天グループのデジタルマネーの取扱いを一手に担うことになりますが、電子決済市場は2025年には約113兆円規模までの成長が予想される上に、併せて仮想通貨取引を取扱うことで高い相乗効果が期待でき、楽天ペイメントはグループ内でも非常に重要な位置付けとなる企業だと考えられます。
楽天ウォレットのサポート(AIボット)の特徴
楽天ウォレットでは人工知能(AI)技術を利用した自動応答システム「AIボット」を採用し、利用者からの問い合わせに24時間365日体制で対応します。公式サイト内のQ&Aで入力キーワードに対する回答の検索をAIボットが行うほか、AIボットが対応するチャットサービスも公式サイト内に実装しています。
サービス開始直後の現在はチャットサービスの精度は高いとは言い難いレベルですが、多くの利用者が積極的に利用することで人工知能の学習機能による精度向上が期待できると考えられます。
楽天ウォレットの取り扱い仮想通貨と通貨ペア
楽天ウォレットの取扱い通貨銘柄は法定通貨の日本円と次の3銘柄の仮想通貨です。
取扱い通貨ペアは法定通貨と仮想通貨のみが設定されており、次に挙げる3ペアのみのシンプルな設定になっています。
- JPY/BTC
- JPY/ETH
- JPY/BCH
楽天ウォレットの手数料
仮想通貨取引所選定の際に気になるのが各種手数料の金額ではないでしょうか?現在国内の多くの取引所では口座開設・口座維持・入金手数料・取引手数料などの手数料は無料化が半ば常識化しており、楽天ウォレットも無料化に対応しています。
取引手数料
2019年4月末現在、楽天ウォレットで行える仮想通貨取引は現物取引のみとなっており、取引手数料は設定されていませんが、最小発注量・最大発注数・1日取引数上限などが次のように指定されています。
- 最小発注量:ビットコイン(0.001BTC)、イーサリアム(0.01ETH)、ビットコインキャッシュ(0.01BCH)
- 最大発注数:ビットコイン(5BTC)、イーサリアム(100ETH)、ビットコインキャッシュ(100BCH)
- 1日の取引数上限:ビットコイン(100BTC)、イーサリアム(2,000ETH)、ビットコインキャッシュ(2,000BCH)
入金手数料
楽天ウォレットは楽天銀行口座と直結しており、他の金融機関からの入金や出金には対応していません。楽天銀行の登録口座からの日本円入金に対する手数料は無料ですが、日本円の出金に対しては300円の手数料が必要です。
なお楽天銀行ではクレジットカード・デビットカードの発行を行っていますが、クレジットカードを利用した仮装通貨取引には対応していません。
送金手数料
仮想通貨取引所 楽天ウォレット内のウォレットで仮想通貨の送金・受金は行えますが、送金には通貨銘柄ごとに次の出庫手数料が発生します。
- ビットコイン:0.001BTC
- イーサリアム:0.01ETH
- ビットコインキャッシュ:0.01BCH
楽天ウォレット内のウォレットでの受金に対する入庫手数料は無料です。