BitMEXの調査部門がTether(テザー)疑惑を調査
レバレッジ倍率100倍、追証なしのビットコインFXができる海外取引所である、BitMEXの調査部門がTether(USDT)疑惑に対して、詳細で広範な調査を行っています。
Tether疑惑とは、Tether Limited社が発行しているUSドルと価格が連動している仮想通貨である、USDTに関する疑惑のことです。USDTの価値を裏付ける準備金(USドル)が存在しないのではないか、USDTによってビットコインの価格が不当に釣り上げられていたのではないかということが度々議論に上がっています。
さらに詳しくTether疑惑について知りたい方は、【CFTCがUSDT疑惑で、BitfinexとTetherに召喚状を送付!】も参考にしていただければと思います。
「Tetherの準備金はおそらく存在する」
豊富な予算やプラットフォームに恵まれているBitMEXの調査チームは、他の調査機関の記者ができないような調査もすることができるとし、「Tetherへの懐疑論は間違っている」と主張しています。
まだ同調査チームは、以下のように主張し、Tether Limited社は、USDTの準備金を保有している可能性が高いが、特にアメリカからの規制圧力に影響を受けやすいと考えています。
「Tetherは、今後規制関連の問題に直面する、あるいはすでに直面している可能性がありますが、Tether保有者にとって、長期的な関心事になるでしょう」
「Tetherはブロックチェーンを必要としない」
11月に起こった約35億円分のTetherがハッキングされた事件では、ハードフォークの対応+盗まれたTethrの無効化という処置が行われました。
この事実から、BitMEXの調査チームは、「Tetherが帳簿を完全に管理できている」とし、わざわざデータベースを、ビットコインやイーサリアムのブロックチェーンに置く必要がないと考えています。
「Tetherが独自の公共データベースを作成する方が、マイナーに報酬を払うよりもずっと安いだろう」
「Tetherの透明性の欠如は詐欺を示すものではない」
BitMEXの調査チームは、準備金の状況などが明らかにされていないという透明性のなさは、詐欺を示すではないとも主張しています。ただし、Tetherが提供する匿名性の程度によっては、マネーロンダリングや、犯罪を可能にする非難などの問題に直面する可能性を指摘しています。
Tetherの特性は、犯罪者にとっては魅力的なものになる可能性が高く、規制当局が良く思うこともまずなく、銀行はTetherを懐疑的なものと見なすでしょう。
Tetherは準備金を保持するために、銀行を利用する必要がありますが、多くの銀行はTetherに関して慎重になる可能性が高く、また顧客として受け入れた場合も、銀行のコンプライアンス違反になる可能性があります。
「Tetherが規制によってサービス停止になる可能性がある」
アメリカは、これまでLiberty ReserveやE-Goldのような、ライセンスのない送金業者に対して、サービス停止という処置を取ってきました。
Tetherが規制により、サービス停止になった場合、保有する資産に一時的にアクセスすることができなくなるリスクがあるため、長期保有はおすすめできないと、結論付けられています。
日付 | ニュース |
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2018/06/21 | FSSがTether疑惑に関するレポートを発表!2018年6月1日時点でのUSドルによる裏付けを示す |
2018/06/25 | Tetherが2億5,000万ドル分のUSDTを発行!ビットコインの上昇が起こるという指摘も |
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