ソーシャルレンディングとは?その仕組みやメリット・デメリット、リスク回避方法を解説!

ソーシャルレンディングとは

ソーシャルレンディングとは、ソーシャルレンディング事業者を介して「お金を借りたい企業」と「お金を貸し、投資したい個人」を結びつけ、お金の貸し借りを成立させるサービスです。

 

お金を借りた企業は融資条件に応じた金利を支払い、この金利をソーシャルレンディング事業者と投資した人で取り分に応じて分け合います。

 

例えば、融資を受けた企業が貸出金利13%でお金を借りた場合、ソーシャルレンディング事業者が5%の手数料を取得したとしたら、お金を貸した人には残りの8%が分配されることになります。

元本は、融資を受けた事業の失敗など特別なことがない限り全額返済されます。

 

ソーシャルレンディングは最少投資額が1万円と少額であるため、投資のなかでも始めやすいものになります。

利回りも年利4~10%程度と高いものが多く魅力的です。

また、当サイトがおすすめするソーシャルレンディングサービスを知りたい方は【【ソーシャルレンディング19社を比較】おすすめ業者をランキング形式で紹介!!】を参考にしてください。

ソーシャルレンディングの仕組み

ソーシャルレンディングを理解するためには、その仕組みを知っておくことが大切です。

ソーシャルレンディングの仕組み

画像:https://www.sbi-sociallending.jp/pages/aboutsl

ソーシャルレンディング事業者はインターネット上で投資したい個人から資金を集め、これを取りまとめてお金を借りたい企業へと融資します。

お金の流れやリターンが得られる仕組みを見ていきましょう。

「借り手」と「投資家」

ソーシャルレンディングが成立するためには、借り手である「融資を受けたい企業」、投資家として「お金を貸し、利益を得たい人」、両者を結びつける「ソーシャルレンディング事業者」の3者が必要になります。

 

ソーシャルレンディングでの借り手は、個人ではなく「企業」です。

投資家は、「お金を貸し、投資したい個人」になります。

 

ソーシャルレンディング事業者はウェブ上に独自のウェブサイトを持っています。

そこで投資案件であるファンドを組成して投資家を募り、集めた資金を取りまとめて借り手企業に融資します。

 

融資を受けた借り手企業は、ソーシャルレンディングを通じて融資された元本にあらかじめ決められていた利率の利息を加えて毎月返済します(元本は事業完了後にまとめて一括返済の場合もあります)。

 

ソーシャルレンディングでソーシャルレンディング事業者とお金を投資した人が受け取れるリターンは、融資を受けた借り手企業が支払う「利息」になります。

 

投資した人が受け取れる利益である利回りはソーシャルレンディングのファンド(投資案件)ごとに異なり、投資リスクの高いものほど高利回りの利益が得られるようになっています。

 

ファンドの利回りは、ソーシャルレンディング事業者のウェブサイトでファンドの募集要項の中の「予定利回り」という項目を閲覧すると確認できます。

金融商品取引業者

ソーシャルレンディング事業者となるには、金融商品取引業者として登録を受けていなければなりません。

 

ソーシャルレンディング事業者だと名乗れば誰でもなれるというものではありません。

なぜなら、ソーシャルレンディングでは多くの人からお金を預かり、これを取りまとめて融資を行おうとするものだからです。

 

ファンドといった金融商品に当たりますから、金融商品取引業者として登録されている事業者でなければソーシャルレンディング事業者にはなれないのです。

 

ソーシャルレンディング事業者が金融商品取引業者として登録を受けているかどうかは、ソーシャルレンディング事業者のウェブサイトで確認できます。

 

ソーシャルレンディング事業者のウェブサイトで会社概要やページ下部を確認して、金融商品取引業者としての登録番号が記載されていれば金融商品取引業者として登録されている事業者です。

貸金業者

ソーシャルレンディング事業者は投資家から資金を募りお金を集めるだけではなく、お金を借りたい企業に対して融資も行います。

お金を貸す事業を行うためには、賃金業者としての登録が必要になります。

 

そのため、ソーシャルレンディング事業者は金融商品取引業者として登録だけではなく、貸金業者としての登録も受けておかなければなりません。

 

ソーシャルレンディング事業者が貸金業者としての登録を受けているかどうかは、金融商品取引業者の登録と同様にウェブサイトの会社概要やページ下部に貸金業者としての登録番号が記載されているかどうかで確認できます。

投資家は融資しているわけではない

ソーシャルレンディングではソーシャルレンディング事業者のウェブサイトを閲覧して、公開されているファンドの中から投資したいと思えるものを選び投資します。

このことから、あたかも投資家自身が直接お金を借りたい企業に融資しているかのように思われがちです。

 

しかし、実際は、ソーシャルレンディング事業者が借り手企業に融資を行い、お金を出した投資家が直接借り手企業に融資しているわけではありません。

 

お金を出している投資家は、ソーシャルレンディング事業者のファンドに投資しているだけなのです。

あくまでも投資としてソーシャルレンディング事業者のファンドに出資している状態ですから、元本が必ず全額返ってくる保証はありません。

 

ソーシャルレンディングは株やFXのような変動リスクはありませんが、借り手企業の事業が失敗したり、ソーシャルレンディング事業者が倒産したりすることにより、元本が全額返金されないリスクがあります。

ソーシャルレンディングのメリット

ソーシャルレンディングには、投資としていくつかのメリットがあります。

さっそく見ていきましょう。

高い利回り

ソーシャルレンディングで得られる利回りは、年利4~10%程度(税引き前)と高いものが多いです。

これは銀行の定期預金金利などと比べても高く、ソーシャルレンディングの最大の魅力的だと言えます。

 

ソーシャルレンディングの利回りが高利回りであるのは、ソーシャルレンディングの仕組みによるものです。

ソーシャルレンディングでは、ソーシャルレンディング事業者がお金を貸したい人を募り、高い金利でもお金を借りたい企業に融資します。

 

ソーシャルレンディングで投資家の利益となる「お金を借りたい企業が支払う金利」が他の金融商品に比べて高いことから、高い利回りのリターンが得られるのです。

パフォーマンスが安定している

ソーシャルレンディングでは融資先の企業が貸し倒れになり返済不能にならない限り、投資した元本はほとんどの場合で全額戻ります。

 

また、投資してしまえば後は償還を待つのみですから、投資経験の長短にかかわらず誰でも同じ程度のパフォーマンスが望めます。

 

ソーシャルレンディングに関しては、初心者だからリターンを得るのが難しいということはありません。

少額から投資できる

1万円から投資できる

ソーシャルレンディングは、1万円から投資できます。

投資を始めたいけれど不安があるという方でも、少額から始めればスタートしやすいのではないでしょうか。

 

元本が必ず返ってくるという保証のあるものではありませんが、銀行預金よりも良い利回りで運用できます。

初めての投資にはうってつけの金融商品です。

手間がかからない

株式やFXに投資するとなると、投資を始めるまでにそれなりに勉強をしなければなりません。

しかし、ソーシャルレンディングなら特別な知識は必要ありません。

 

ソーシャルレンディングは、ソーシャルレンディング事業者のファンドに投資して償還を待つだけです。

 

ソーシャルレンディング事業者が募集しているファンドの中で投資するものを決めるだけですから、特別な勉強も不要で投資経験の少ない方でも始めやすいです。

短期間でも運用可能

ソーシャルレンディングでは、運用期間が3ヵ月~1年程度の投資案件が多くあります。

 

投資の運用期間が5年、10年と長いものは「この間に何かあったらどうしようか」と不安になるものですが、満期までの期間が1年以内なら強い不安を感じずに投資しやすいのではないでしょうか。

短い運用期間のものなら3ヵ月程度のものからあります。

 

ソーシャルレンディングなら、不安を感じずに投資できる運用期間のものを選び投資できます。

ソーシャルレンディングに慣れるまでは、運用期間が短いものを選び投資してみると安心です。

ソーシャルレンディングのデメリット

ソーシャルレンディングには、メリットだけではなくデメリットもあります。

デメリットも十分に確認しておきましょう。

運用期間中は途中解約できない

ソーシャルレンディングでは投資してしまうと、運用期間の途中で解約することは原則としてできません。

この間ソーシャルレンディングに資金が拘束されてしまいます。

 

ソーシャルレンディングに投資するお金は、運用期間中に引き出さなくても問題の無い余剰資金で行うようにしましょう。

融資先の貸し倒れリスク

ソーシャルレンディングは元本が必ず全額返ってくると保証されたものではありません。

融資先の状況によっては、運用期間の途中で貸し倒れ(デフォルト)になってしまうリスクもあります。

 

貸し倒れになると必ず元本割れするというものではありませんが、予定していた利回りよりもリターンが少なくなったり、場合によっては元本割れしてしまうという最悪の事態になることもあります。

 

「ソーシャルレンディング=必ず儲かる」というものではありません。

ただし、ソーシャルレンディングでの貸し倒れリスクを軽減する方法が無いわけではありません。

 

「卵は1つのカゴに盛るな」という言葉は、投資でよく言われている格言です。

これは、「卵を1つのカゴに全部入れてしまうと万一カゴを落としたりした場合には全部壊れてしまいますが、分けて保管しておけば損失は一部で済む」ことから、分散投資を勧めるものです。

 

ソーシャルレンディングでもこの格言のとおり1つの投資案件に全額投資するのはなく、分散投資しておくことで貸し倒れリスクを軽減することができます。

 

例えば、ソーシャルレンディングに総額で10万円投資しようと決めたとします。

この時、1つの投資案件に集中投資するのではなく、10の投資案件に1万円ずつ分散投資します。

 

こうしておけば、たとえ1つの投資案件が貸し倒れになったとしても、他の9つの投資案件の投資が順調であればトータルでの損失を軽減することができます。

早期償還や延滞の可能性

ソーシャルレンディングには、早期償還や延滞といったリスクもあります。

 

早期償還とは、融資先が償還日を待たずして全額返済した場合に予定よりも早く投資家に償還されることです。

早期償還になると運用期間が予定よりも短くなるため、利益が見込みよりも少なくなります。

 

例えば、利回り年利10%で1年の運用期間を予定しているファンドが半年で早期償還となったとします。

この場合、予定では10%得られる利益が1年の運用期間を待たずに半年で早期償還となったため、半分の5%しか得られないことになります。

 

早期償還の場合には元本は全額返済されますが、予定していた運用益が十分に得られないということになります。

 

延滞とは、融資先が返済期日の延長を申し出て運用期間が長くなることです。

運用期間が予定よりも長くなるため、資金が拘束される期間が予定よりも長くなります。

 

例えば、3ヵ月で償還される予定だったファンドが延滞で1年に延長された場合、資金が償還される時期が9か月も遅れることになります。

 

早期償還と延滞はどちらも当初予定していた運用期間と異なる期間で運用され、早期償還はリターンの減少、延滞は資金の拘束期間の延長というリスクを伴います。

申込から運用開始までのタイムラグ

ソーシャルレンディングでは、投資の申し込みをした後、実際に申し込みしたファンドの運用が始まるまでのタイムラグがあります。

 

このタイムラグの期間はファンドの運用が開始されていない状態ですから、金利を生み出すこともなく、資金がソーシャルレンディング事業者に拘束されているだけの状態です。

お金の運用という観点から見ると、損失とも言える期間になります。

 

例えば、ファンドの募集期間が4/22日で終了であった場合、翌日の4/23日からすぐ運用が開始されるというわけでありません。

実際のファンドの運用は、4/23日ではなく別の日から運用が開始されることがあります。

 

これは、ファンドの募集要項を閲覧する段階ではファンドの運用開始日が明記されていないためです。

ファンドの募集要項には「4月下旬から運用開始」というように、大体の運用開始時期が書かれています。

 

ソーシャルレンディングにはこういったタイムラグがあることを知っておきましょう。

借り手企業の詳細が不透明

ソーシャルレンディングのファンドの募集要項には「どんな事業を行うためにお金が必要なのか」という借入目的は記載されていますが、借り手企業の詳細な情報は不明です。

借り手企業の企業名はもちろん、財務状況、経営の状態などは、ファンドの募集要項を見ただけでは分かりません。

 

このことから、ファンドの本当のリスクは投資家にはなかなか分かりづらいということがあります。

 

また、ファンドの借り手企業が投資家には分かりませんから、分散投資したつもりが実は同じ借り手企業のファンドに投資していて分散投資されていなかったということもあります。

ソーシャルレンディングでのリスク回避方法

リスクヘッジ

ソーシャルレンディングは投資ですから、それなりのリスクがあります。

しかし、ソーシャルレンディングでのリスクは、以下の対策を行うことで随分と減すことができます。

ぜひ、参考にしてみてください。

短期間で少額分散投資

ソーシャルレンディングで得られるリターンは、同じ利回りなら運用期間が長いほど大きなリターンが得られます。

 

しかし、その一方で運用期間が長くなるとこの間に万一のことが起こり、貸し倒れが生じたり、お金が急に必要になったりする事態が起こることもあり、「投資するのではなかった・・」と感じるはめになることもあります。

 

ソーシャルレンディングでのリスクを最小限に抑えたいなら、「短期間で少額分散投資」することが大切です。

運用期間は、半年から1年程度の短期間のものを選びます。

 

そして、「ファンド(投資案件)」、「テーマ」、「ソーシャルレンディング事業者」、「融資先」の4つを分散投資していきます。

 

投資先をこのように分散して少額ずつ投資していけば、万一、1つのファンドが貸し倒れになったとしても他のファンドの利益でカバーできる可能性が高まります。

 

ソーシャルレンディングの投資テーマでよく目にするものには、不動産関連、太陽光発電、風力発電があります。

例えば、テーマを不動産関連と太陽光発電のファンドに1つずつ投資するだけでも投資先が分散され、リスクの軽減に役立ちます。

担保付きの案件

ソーシャルレンディングのファンドでは、担保や保証が付いているものがあります。

こういったファンドを選んでおくとリスクが軽減されます。

 

担保や保証がついているファンドが貸し倒れの状態になった場合、担保を売却したり、保証人に代理弁済してもらうことができ損失が補填されます。

 

担保や保証がついていないファンドが貸し倒れになった場合には、このような損失が補填される機会がありません。

 

ファンドに担保や保証がついているかどうかは、ファンドの貸付条件の項目に担保、保証という欄で確認できます。

担保や保証がある場合には、その詳細が記載されています。

上場企業運営の事業者

ソーシャルレンディングでのリスクを軽減したいなら、上場企業がソーシャルレンディング事業者となっているものを選ぶとよいでしょう。

 

こうすることでソーシャルレンディングの最悪の事態、ソーシャルレンディング事業者の倒産というリスクを軽減することができます。

 

ソーシャルレンディング事業者となる企業は様々で、規模の小さい会社から上場企業まであります。

規模の小さい会社が必ずしもリスクが高いというわけではありませんが、上場企業は株式市場に上場している分、経営ノウハウがしっかりとしていて倒産リスクが小規模の会社に比べると少なくすみます。

 

また、上場企業であれば、その企業の経営状態や財務状況をIRなどで確認することができます。

ハイリターンの案件は控える

ソーシャルレンディングで得られる利回りは、年利4~10%程度と幅があります。

 

同じ投資するなら利回りの高いものに投資したいものですが、高い利回りのファンドにはそれなりのリスクがあることを承知しておく必要があります。

「ハイリスク-ハイリターン」とよく言われますが、この言葉はソーシャルレンディングにも当てはまります。

 

例えば、年利4%の利回りと年利10%の利回りのファンドでは、年利10%の利回りのファンドの方がリスクの高い投資案件だと言えます。

 

初めのうちは、利回りが低めのものに投資してみるのがおすすめです。



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