FX取引を行う際には、証拠金をFX会社に預ける必要があります。そして、取引の損失などによって証拠金がある一定割合未満に減少した場合は、追加の証拠金の入金をFX会社から要求されます。
これがFXにおける追加証拠金で、省略して「追証」と呼ばれます。追証が発生した場合は期日までに追加証拠金を入金しなくてはなりません。
では、海外仮想通貨取引所BIngXに追証はあるのでしょうか?この記事では、人気急上昇中の取引所BingXの追証について解説いたします。
BingXに追証は無い
結論から話しますと、BingXに追証はありません。
BingXは「追証なし(ゼロカット)」というシステムを採用しており、FX取引でユーザーの残高がマイナスになった場合、BingXがユーザーの損失を補填する仕組みになっています。
また、日本では「追証なし(ゼロカット)」は法律で禁止されているため、国内の取引所で「追証なし」で仮想通貨FXの取引を行うことはできません。
具体的には以下の金融商品取引法によって禁止されています。
第三十八条の二 金融商品取引評者等は、その行う投資助言・代理業又は投資運用業に関して、次に掲げる行為をしてはならない 二 顧客を勧誘するに際し、顧客に対して、損失の全部又は一部を補てんする旨を約束する行為(損失補填等の禁止) 第三十九条 金融商品取引業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。 三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補填し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為 |
第三十九条三の”補填”が”追証なし”に該当するため、損失を補填する「追証なし(ゼロカット)」の導入は国内の取引所では認められていません。
追証とは?
一般的に、FXの取引はレバレッジをかけて手元の資金以上の通貨を取引します。
別の言い方をすれば、ユーザーはレバレッジをかけている分だけFX会社から借金をしている状態です。
そのため、規定されている証拠金維持率を上回る口座資金を維持しておかなければなりません。損失が拡大して証拠金維持率を下回った場合は、追加の保証金「追証」を入金しなくてはなりません。
追証はなぜ発生するの?
証拠金が一定以上減少し、「証拠金維持率」が一定水準以下になった場合又は「証拠金以上の損失が出たとき」に追証は発生します。
証拠金維持率とは、現在保有しているポジションが証拠金残高に対してどれくらいの比率なのかを表す数字です。証拠金維持率の計算式は以下のようになります。
・証拠金維持率=有効証拠金(純資産)+必要証拠金×100
・(※有効倉庫金=資産合計額+評価損益額−出金依頼額)
追証を解消するための方法は?
追証を解消するための方法は、以下の2つ以外にありません。
・証拠金を追加入金する
・保有しているポジションを決済する
以上の2つの方法のいずれかで、期限内に追証を解消しないとペナルティが発生してしまいます。
追証を支払えないとどうなる?
証拠金維持率が一定水準を下回って追証が発生します。期限内に追加証拠金を入金しないと、保有しているポジションがFX会社によって強制的に決済されてしまいます。
強制決済しても追証を解消できない場合は、損失分の一括返済をFX会社から求められることになります。
レバレッジ倍率を低く抑えるなど、ユーザー自身で損切りのラインを設定して、追証が発生しないための対策が必要になることを理解しておきましょう。
追証とロスカットの違いは?
FX取引ではロスカットという仕組みが導入されており、追証と似ていますが違いがあります。
ロスカットは、証拠金維持率が一定の水準を下回った場合、投資家の意思に関係なく保有しているポジションがFX会社によって強制的に決済されてしまいます。
ロスカットは水準以上に損失が広がらなくする仕組みで、投資家を守るためのものです。
追証がないことのメリットは?
FX取引によって発生した損失を業者が補填する「追証なし」という制度は、ユーザーにとってメリットしかありません。主なメリットは以下の2つになります。
・口座資金以上の損失が発生しなし
・ハイレバレッジ取引が行える
それぞれのメリットについて解説します。
口座資金以上の損失が発生しない
追証が支払えない場合は、基本的にロスカットが執行されて返済が完了します。
仮にロスカットが執行されない場合は、証拠金維持率が0%以下になったらその時点で発生した超過分も支払わなければなりません。
そのため、「追証なし」なら口座資金以上の損失は発生しません。
ハイレバレッジ取引が行える
国内のFX会社は金融庁の定めたレバレッジ規制を遵守しなくてはならないため、25倍を超えるレバレッジ倍率を設定することはできません。
その一方で、海外のFX会社は200〜1,000倍といったレバレッジ倍率を提供しており、ゼロカットとハイレバレッジの両方が利用できます。
つまり、「追証なし」ならゼロカットシステムで口座資金以上損失が発生せず、ハイレバレッジ取引を行うことが可能となっています。
追証がなくても気をつけるべき点
上記で説明したとおり、「追証なし」という制度はユーザーにとってメリットしかありません。ただし、追証がなくても気をつけるべき点が以下の2つになります。
・証拠金の額に注意する
・レバレッジをかけすぎないように注意する
それぞれの注意点について解説します。
証拠金の額に注意する
ゼロカットシステムがあれば本来ならばユーザーが負うべき損失分がFX会社の負担になり、ユーザーはFX会社にマイナス分を支払う必要はありません。
ただし、ユーザー自身が許容できない額の証拠金を入れてしまうとその分はマイナスになってしまいます。事前に許容できる証拠金の額を決めておくといいでしょう。
特に仮想通貨FXは、為替FXと比べてボラティリティが大きいので注意が必要です。相場の変動額が大きいために安定性が低く、十分な証拠金があっても一気にマイナスに転じる可能性があるためです。
レバレッジをかけすぎないように注意する
高いレバレッジ倍率を設定すればハイリスク・ハイリターンでの資産運用が可能になりますが、損失を出した場合は証拠金がマイナスになるという事実は変わりません。
ゼロカットシステムによって借金のリスクは減りますが、ロスカットが起こってしまいますのでレバレッジをかけすぎないように注意しましょう。
スプレッドの広さに注意する
追証がないFX会社はユーザーの損失を肩代わりするため、スプレッドを広く設定しているケースが多くあります。
そのため、「追証なし(ゼロカットシステム)」で削減できるコストよりも、日々の取引で積み重なっていくスプレッドの負担の方が結果的に大きくなってしまう可能性もあります。
そのため、気が付かないうちにユーザーが損をしている場合があります。追証なしの取引所とはいえ、スプレッドなどの取引コストには注意しながらトレードしていくのをおすすめします。
まとめ
この記事では、BingXの「追証なし」というシステムについて詳しく解説しました。
FX取引の魅力はレバレッジによって大きな利益を狙えることです。しかし、追証の仕組みを理解していないと、痛い目にあう可能性があります。
その点、「追証なし」はユーザーにとってメリットの多いサービスです。これからFX取引を始めようとしている方は海外仮想通貨取引所のBingXの利用を検討してみてはいかがでしょうか。