ビットコインのハッシュレートが6カ月ぶりの低水準に
中国の仮想通貨マイニングに対する取り締まりは、業界全体に波紋を広げており、ビットコインのハッシュレートが半年ぶりの低水準となりました。
ウェブメディアのCompass Mining Memoは、MiningPoolStatsの統計を引用して、世界15大マイニングプールのひとつであり、中国に拠点を置く1Thashの先週のハッシュレートが70%近く低下していたことを伝えました。
5月には、中国政府のビットコイン封じ込め政策の一環として、マイニングと取引に対する規制を発表しました。これによって一部のマイニング事業者の間では、中国からの脱出を試みています。仮想通貨業界ではこの傾向を、「The Great Mining Migration(マイニング大移動)」と称されています。
中央政府が打ち出した環境目標を達成できなかった中国各省の地方政府の一部は、エネルギー不足を仮想通貨のマイニングのせいにして、ビットコインのマイナーに2ヶ月間のマイニング停止を命じました。全世界のビットコインマイニングの約半数が中国で行われていますが、北京の規制当局は現在、彼らをできるだけ早く退去させたいと考えています。
先日米テキサス州で、州の主要なビジネス法の適用範囲に仮想通貨を含める新法案が成立しました。テキサス州は、再生可能なエネルギーが発展していて電力費用が安く、また、テキサス州知事は仮想通貨市場への寛容な態度で有名となっています。このマイニング大移動はテキサス州がビットコインマイニングの聖地になる可能性を秘めています。
海外のマイナーにホスティングサービスを提供しているXive社を経営するBekbauov氏は、CNBCにこの様に語っています。
「あるマイナーによると、規制当局は、国有の発電所においてのみマイニングを制限しており、民間の発電所は引き続きマイナーたちにサービスを提供しているとのことです。しかし、ほとんどの電力は国の発電所で作られているため、マイナーたちはマイニング事業を継続するために、別の場所へ移動しなければなりません。彼らは就業場所を奪われ不安になり、他の場所を探すのに必死になっています。」
すべてのマイナーが中国から退去すれば、化石燃料を使いエネルギーを大量排出するマイニング量が減ると同時に、再生可能なエネルギーを使用したマイニングのネットワーク全体の割合も減ります。第三者によると、ビットコインのハッシュレートの低下は、一部のマイナーが中国を離れて別の場所に移動し改めて事業を再開することで、そのうち反転し、再び上昇する見通しとのことです。
ビットコインやアルトコインのハッシュレートの鍵を握っているのは、間違いなく中国ですが、今後どのような影響を与えるかをもう少し観察しなければいけません。 短期的には弱気な市場となっていますが、仮想通貨業界では、いつも表と裏があるのです。
わずか4年前にはほとんど認知されていなかったこの仮想通貨業界は大きく変貌を遂げており、金融機関やヘッジファンドが仮想通貨の配当金の大幅アップをすることが期待されています。
資金運用管理会社のIntertrustがヘッジファンドの最高財務責任者100人を対象に行った調査によると、経営者たちは5年後に資産の平均7.2%を仮想通貨で保有すると予想しています。それを業界全体で見れば、総資産は約3120億ドルになるかもしれません。
中国でのマイニング禁止というネガティブニュースと同時に、配当金の大幅アップを期待するポジティブな話題を提供できるのは、常に流動的な性質を帯びている仮想通貨の性質をよく表しています。
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