FX取引で発生する手数料とは?FX会社の選び方を解説

 

FXに限らず金融商品を取引する際は、コストを把握しておくことが大切です。よりコストを抑えた取引を行うことで、運用益を効率的に受け取ることも可能になります。

 

そこで今回は、FX取引で発生する手数料について解説していきます。実際に各大手FX会社のコストを比較していますので、口座開設を行う際の参考にしてください。

 

FX取引にかかる主な手数料

 

FX取引を行う際は、主に以下の4つの手数料が発生します。

 

①取引手数料

②入出金手数料

③スプレッド

④スワップポイント

 

近年、多くの国内FX会社では①取引手数料と②入出金手数料が無料となっています。そのため、FX会社を比較する際には主に③スプレッドと④スワップポイントを比較してみると良いでしょう。

 

取引手数料・入出金手数料の比較

 

前項にて、多くのFX会社では取引手数料・入出金手数料が無料となっていることを説明しました。以下の表に、国内大手FX会社の入出金手数料をまとめています。

 

FX会社名取引手数料入金手数料出金手数料
MATSUI FX無料ネットリンク入金:無料

らくらく振替入金:無料

定期入金:無料

銀行振込入金:振込手数料負担

翌営業日以降の出金:無料

即時出金:330円(税込)

GMOクリック証券無料即時入金サービス:無料

振込入金:振込手数料負担

無料
みんなのFX無料ダイレクト入金:無料

振込入金:振込手数料負担

無料
LIGHT FX無料ダイレクト入金:無料

振込入金:振込手数料負担

無料
DMM FX無料クイック入金:無料

振込入金:振込手数料負担

無料

 

このように、取引手数料や入出金手数料についてはほとんどのFX会社で無料となっています。銀行振込による入金の場合は、振込手数料が発生することがほとんどであるため、それ以外の入金方法を選択することがおすすめです。

 

また、松井証券 MATSUI FXでは即時出金に330円の手数料がかかります。翌営業日以降の出金は手数料無料で利用できるため、出金の予定がある際は前もって手続きをしておきましょう。

 

スプレッドの比較

 

FX取引を行う際は、スプレッドがトレーダーが負担する実質の手数料となります。スプレッドは各FX会社によって異なるため、取引コストを抑えるには、よりスプレッドが狭いFX会社を選ぶことが大切です。

 

スプレッドとは?

 

スプレッドは、FX会社が提示する買値と売値の差額です。

 

たとえばドル円の取引で考えてみましょう。ドルを買う時、売る時にはそれぞれ別の価格が設定されています。そのため、円からドルを買って、すぐにドルを売却したとすると、売値と買値の差額分だけ損失が発生してしまいます。

 

つまり、トレーダーは最低でもスプレッド分の利益を出さなければ、運用益が得られないということです。このスプレッドは各FX会社で独自に定めているものであるため、より取引コストを抑えたければ、スプレッドの狭いFX会社を選ぶようにしましょう。

 

スプレッドは変動する場合もある

 

FX会社が定めるスプレッドは「原則固定」とされていることがほとんどです。そのため、トレーダーは取引にどれだけのコストが発生するのかを事前に予想できます。

 

しかし、原則固定のスプレッドであっても、マーケット環境や取引時間帯によって変動することがあるため注意が必要です。マーケットが大きく変動したり、市場参加者が少なかったりした場合には、変動のスプレッドが適用される場合があります。

 

各FX会社ではホームページにてスプレッドの実績を公開しているため、事前に確認しておくと良いでしょう。

 

各FX会社のスプレッド比較

 

ここで国内大手FX会社のスプレッドを比較してみましょう。各会社のメジャー通貨のスプレッドを以下の表にまとめています。

 

USD/JPYEUR/JPYGBP/JPYAUD/JPYNZD/JPYEUR/USD
MATSUI FX0.20.51.10.71.20.4
GMOクリック証券0.20.51.00.71.20.4
みんなのFX0.20.40.80.61.00.3
LIGHT FX0.20.40.90.61.00.3
DMM FX0.20.51.00.70.80.4

(2022年3月23日現在:各公式サイトより)

 

ポンド/円やニュージーランドドル/円には、ややバラつきが見られましたが、概ねどのFX会社のスプレッドにも大きな差はありません。

ただし、取引額が大きくなるとその差は大きいものとなってしまいます。次の項目で実際に試算してみましょう。

 

1ヶ月間取引した場合のスプレッド手数料の比較

 

上記表のスプレッドで、1ヶ月(20日間)毎日1万通貨を取引した場合のスプレッドについて、実際に計算してみます。

 

USD/JPYEUR/JPYGBP/JPYAUD/JPYNZD/JPYEUR/USD
MATSUI FX4001,0002,2001,4002,400880
GMOクリック証券4001,0002,0001,4002,400880
みんなのFX4008001,6001,2002,000660
LIGHT FX4008001,8001,2002,000660
DMM FX4001,0002,0001,4001,600880

(ユーロ/ドルは1ドル=110円で計算)

 

最もスプレッドに開きがあるニュージ-ランドドル/円では、最大800円の差があることが分かりました。このように、同じ通貨ペアを取引する場合でも、FX会社によっては利幅が小さくなることもあるのです。

そのため、FX会社を選ぶ際は、取引を検討している通貨ペアのスプレッドを必ず確認しましょう。

 

スワップポイントの比較

 

FX会社を選ぶ際は、スワップポイントについても比較する必要があります。

 

スワップポイントとは?

 

スワップポイントは2ヶ国間の金利差による調整分のことです。金利の低い通貨を売って、金利の高い通貨を購入すると、その金利差を利益として受け取れます。

 

反対に、金利の高い通貨を売って、金利の低い通貨を購入すると、トレーダーはスワップポイントを支払う必要があります。

 

スワップポイントは通貨を保有している間は、ほぼ毎日発生するものであるため、マイナスのスワップポイントは保有コストとして考慮しなければいけません。

 

各FX会社のスワップポイント比較

 

スプレッドと同様に、スワップポイントも各FX会社が独自に定めているものです。以下の表に国内大手FX会社のスワップポイントをまとめています。

 

MATSUI FXGMO

クリック証券

みんなのFXLIGHT FXDMM FXMATSUI FXGMO

クリック

証券

みんなのFXLIGHT FXDMM FX
買い(ロング)売り(ショート)
米ドル/円660909015-120-69-99-99-18
ユーロ/円-108-21-6-6-1618120013
ポンド /円4513815015037-135-147-159-159-40
トルコリラ/円69456666--99-54-66-66-
メキシコペソ/円2124024.327.38-51-330-24.3-27.3-11
南アランド/円 2421021.324.38-54-300-21.3-24.3-11

(1万通貨※GMOクリック証券の南アフリカランドとメキシコペソは10万通貨あたり、2022年3月23日現在:各公式サイトより)

 

スプレッドはどのFX会社もほぼ横並びでしたが、スワップポイントはFX会社によって大きな差があることが分かります。

 

特にマイナスのスワップポイントは通貨を保有している期間中ずっとかかるコストであるため、取引の前には必ず確認しておきましょう。

 

まとめ

 

FX取引では、「取引手数料」「入出金手数料」「スプレッド」「スワップポイント」の4つの手数料が発生します。特に、スプレッドとスワップポイントについては、運用益に大きく影響してくるものであるため、FX会社を選択する際にはよく比較することが大切です。

 

 

記事の監修者

中島翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。証券アナリスト資格保有 。

Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12



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