楽天証券は「楽天市場」や「楽天モバイル」など数多くの事業を手がける、あの楽天グループが運営する証券会社です。世間的な知名度も高く、楽天系のサービスを利用しているという方の中には口座開設を考える方もいるのではないでしょうか。
楽天証券は2021年12月の時点で総合口座開設数700万を達成しており、多くの方が利用しています。大手グループが運営するだけあり、サービス面でも他にはない優秀な点が多く、おすすめの証券会社です。
ただし証券会社を選ぶ際には、自分に合ったところをよく吟味する必要があります。中でも、自分が使用する証券会社のテクニカルツールは大切な要素です。
自分の判断だけでなく、テクニカルツールを活用して取引のタイミングを図ることでより安定して利益を出しやすくなるでしょう。
今回は楽天証券のテクニカルツールについて解説します。ぜひ証券会社選びの参考にしてください。
楽天証券の口座タイプを比較
楽天証券は「楽天FX口座」と「楽天MT4口座」の2つのタイプの口座を用意しています。この2つの口座タイプは利用できる取引ツールだけでなく、スプレッドや取扱い通貨ペアなどに違いがあります。2つの口座を比較したものが以下の表です。
楽天FX口座 | 楽天MT4口座 | |
取引ツール | ・MARKETSPEED FX ・楽天FX-WEB ・iSPEED FX | MT4(Meta Trader4) |
スプレッド(ドル円) | 0.2銭 | 0.5銭 |
取引手数料 | 無料 | 無料 |
取扱い通貨ペア | 26通貨 | 22通貨 |
最小取引単位 | 1,000通貨 | 1,000通貨 |
スマホ取引 | Android:可 iPhone:可 | Android:可 iPhone:可 |
PC取引 | Windows:可 Mac:可 | Windows:可 Mac:不可 |
デモ口座 | 利用可 | 利用可 |
注意すべき点としては、2つの口座タイプで対応するOSが異なることがあげられます。楽天MT4口座はWindows環境がなければ利用できません。
Macユーザーの方がMT4口座を利用する際は、スマホ取引かVPS(仮想サーバー)を契約する必要があります。
楽天FX口座のテクニカルツールを解説
ここからは楽天FX口座のテクニカルツールについて、更に詳しく解説していきます。
楽天FX口座は幅広いトレーダーが便利に利用できるバランスの良い口座となっています。
多彩な機能を搭載した楽天証券独自開発ツール
楽天証券は「MARKETSPEED FX」、「楽天FX-Web」、「iSPEED FX」という3つのテクニカルツールを独自に開発しています。
この3つのツールはいずれも多彩な機能を搭載しており、楽天FX口座を開設することですべて無料で利用できます。3つのツールを使い分けることで、より利益を出しやすくなるでしょう。
MARKETSPEED FX
MARKETSPEED FXはPCにインストールするタイプの取引ツールです。
約40種類のテクニカルチャート、9種類の描画系機能を搭載しており、豊富な機能を活用することで高い精度の分析が可能となります。
デザイン面も直感的に操作できる仕様に作り込まれており、初心者であっても早い段階から使いこなすことができるでしょう。画面も一目で必要な情報が網羅できるようになっています。機能性、デザイン性共に高く評価されており、2012年度のグッドデザイン賞を受賞しました。
またMARKETSPEED FXはカスタマイズ性も優れ、ほぼすべての情報を自在にレイアウトすることができます。自分に合った形で使うことができる点も大きな魅力です。
楽天FX-WEB
楽天FX-WEBはPCブラウザから接続する取引ツールです。
シンプルな操作性と30種類のテクニカルチャートでトレードから分析までをカバーしています。自分の保有ポジションなどの照会もひとつの画面でできる情報量の多さも魅力的です。
楽天FX-WEBはソフトやアプリケーションではないため、他のサイトやサービスとの併用がより気軽に行えます。画面サイズを調整することで情報サイトやマーケットニュースなどを同時に利用することも可能です。
iSPEED FX
iSPEED FXは、楽天FX口座のスマホ取引ツールです。
複数通貨ペアを4分割表示して相関関係を分析しつつ、AS(Auto Select)ストリーミング注文で建て玉を選択する必要もなくスピーディーに決済やドテンが可能です。チャートを参照しながらリアルタイムでASストリーミング注文ができるASスピード発注であれば、変化が激しい為替相場でもタイミングを逃すことはありません。
またiSPEED FXはマーケットニュースはもちろん証拠金状況や保有ポジションも簡単操作で確認することができます。小さな端末に多くの機能が凝縮されたハイスペックツールと言えるでしょう。
更にiSPEED FXにはサークルメーターという独自機能があります。サークルメーターは自動車のスピードメーターを模したデザイン性の高い取引画面で、現在の価格やチャートなど必要な情報を直感的に確認できます。スマホは画面が小さく、細かな情報は確認しづらいため、視認性に優れたサークルメーターを利用できる点は大きなメリットです。
大手グループ運営による優れた取引環境も魅力
楽天FX口座を語るうえでは、テクニカルツールだけでなく取引環境にも触れる必要があるでしょう。楽天証券は日本を代表する大手グループである楽天が運営する証券会社のため、国内業者の中でも取引環境が優れています。
スプレッドや取扱い通貨ペア数も高水準であるうえ、最小取引通貨単位も1,000通貨からとなっているため、少額資金でのトレードも可能です。
また、楽天グループならではのサービスも魅力です。
楽天証券では取引数量に応じて楽天スーパーポイントを貯めることもできます。そのためリスクを落として資産運用しつつ気軽にポイ活感覚で取り組んでいる方も多くいます。
そのうえ楽天証券に口座を開設すると、日経テレコンというサービスを利用して日本経済新聞の電子版を無料で読むことが可能です。通常、日本経済新聞の電子版は月額約4000円、年間で約5万円もかかります。
投資で利益を出すためには社会や経済の動きを知ることが大切です。楽天証券であれば、無料で日本経済新聞を活用して投資に役立てることができます。
楽天FX口座はFX初心者におすすめの口座
ここまで解説した通り、楽天FX口座は多彩なツールや高水準の取引条件を提供している、初心者におすすめの口座タイプです。
豊富なテクニカルチャートで分析精度を高めながら、出先はスマホでチャートチェックとトレードをするなど、シーンによってツールを切り替えることも可能です。
最狭クラスのスプレッドは取引コストを抑えることにも繋がるため、少額資金でリスクヘッジしながら、効率良くトレード経験を積むこともできる口座です。
楽天MT4口座のテクニカルツールを解説
次は楽天MT4口座の特徴を見ていきましょう。
主要ネット証券の中でもMT4が利用できるのは楽天証券のみとなっているため、特徴を掴んでトレードに活用して下さい。
高機能なMT4を使える
MT4は世界中のトレーダーが愛用している汎用取引プラットフォームであり、主に海外のFX業者で採用されているツールです。
スマホやPCにインストールできることはもちろん、MT4は圧倒的な高機能を誇ります。約50種類のチャートツール、約50種類のテクニカル分析を搭載しており、アナリストや著名投資家が監修したインジケータを表示させることも可能です。
更にひとつの金融商品に対し、分足から月足まで最大で9つの時間軸のチャートを表示することができます。チャートとテクニカル分析、時間軸を活用することで、プロのノウハウをそのままトレードに活かすことが可能です。
一方楽天MT4口座は楽天FX口座よりもスプレッドが広く設定されている点には注意が必要です。ただしMT4をメインに採用している海外FX等では注文方式の違いもあり、平均して1.5銭程度のスプレッドとなっているため、MT4が利用できる口座としては大変狭い水準を提供しています。
EAをインストールして自動売買ができる
FXトレードではEA(Expert Adviser)というエントリー条件等をプログラミングしたソフトがあり、MT4にインストールすることで自身が操作しなくても自動売買ができるようになります。EAには無料で公開されているものから、数万円ほどもかかるものもあります。
自動売買は機械的な売買と損切りができ、感情に流されないパフォーマンスの実現が可能です。普段は仕事があってなかなかチャートに張りつけない方でも充分に取引をし、利益を出すことが可能になります。
またMT4に搭載されているバックテストやチューニング機能を使えば過去のチャートを利用してEAの性能を検証することもできるため、相場に対する有効性が高いものを選定、あるいは切り替えるなどして有効性の高いものを採用していきましょう。
楽天MT4口座はFXの中上級者向けの口座
ここまで解説した通り、MT4は多彩な機能を利用することができる取引ツールですが、楽天MT4口座はスプレッドが若干広く設定されているため、詳細なエントリー判断ができなければ利益を出すことは難しくなります。
またMT4は高機能であるが故に選択肢が多く、初心者では持て余してしまうおそれもあります。楽天MT4口座はFXについて経験や知識が身についた、中上級者にマッチした口座タイプといえるでしょう。
MT4の目玉である自動売買も注意が必要です。
時間と利益効率を高められるメリットがありますが、速報や経済指標発表による相場の急変動には弱いというデメリットもあります。
常に情報収集に努める姿勢や自動売買を作動させるタイミングを管理するスキルがなければ、最大限の効果を引き出すことは難しくなってしまいます。
まとめ
今回は楽天証券の楽天FX口座と楽天MT4口座のテクニカルツールや取引条件の違いについて解説してきました。
両者はテクニカルツールの違いのほか、スプレッドや取扱い通貨ペア数等、それぞれに特徴があります。それらの違いを理解することで、効果的に活用することができます。
本記事で解説した通り2つの口座は初心者向けと中上級者向けとで大きく分かれます。自分のスキルを適切に把握して口座タイプを決めるといいでしょう。
興味を持たれた方は、まずは楽天証券に無料で口座開設してみてはいかがでしょうか?