南アフリカランド円への投資はオススメ?変動要因や今後の見通しとは

 

 

南アフリカランド円は政策金利の高さに惹かれる方が多く、トルコリラ・メキシコペソと並び、日本で多くの個人投資家がトレードの対象にしています。

 

この通貨は高金利かつ代表的な資源国通貨で、世界景気に敏感です。

 

南アフリカという国の名前はよく聞くかもしれませんが、残念ながら入ってくるニュースは限定的です。政治的にも経済的にも不安定なためボラティリティーが高く、取引する際にはリスク管理が重要になってきます。

 

南アフリカランド円はどんな要因で値動きがあるのか、今後の見通しとともに知っておくと投資する時も安心できます。

 

南アフリカランド円とはどんな特徴がある?南アフリカの概要も

 

まずは知っているようで知らない南アフリカの概要を経済的な動きを中心に見ていきましょう。南アフリカランド円のメリット・デメリットを公平な目線で見られると、しっかり見極められます。

 

南アフリカ共和国の経済状況とは

 

アフリカ大陸最南端に位置する共和制国家の南アフリカ共和国は近年はあまり情勢がよくないです。歴史と現在の状況をみていきましょう。

 

経済に関係する歴史

 

与党アフリカ民族会議(ANC)は1994年当時のネルソン・マンデラ元大統領がアパルトヘイトを撤廃に追い込んで以来、25年間政権の座を守り続けています。現在はラマポーザ大統領が2期目の政権を担っています。

 

その後、経済の自由化が進み、アフリカを代表する経済大国へと発展した経歴があり、アフリカでは唯一のG20参加国です。2021年時点で米ドルベースでの南アフリカの名目GDPは、世界第42位と、アフリカ大陸に位置する国の中ではナイジェリア(27位)に次ぐ経済規模を有します。

 

また、金・ダイヤモンド・プラチナなどの鉱物資源が豊かな国です。

 

こうしたことから資源国通貨に位置づけられています。2000年代半ばにかけて年5%台という高い経済成長を記録し、新興国のなかでも特に高い成長が期待される「BRICS」(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の一つとして数えられるようになりました。

 

近年の経済状況

 

最近の南アフリカ経済はやや停滞気味です。

 

巨額の負債を抱える国営電力会社エスコムの経営危機や高い失業率(2020.10〜12で32.5%)が原因です。さらに、労働環境が悪いことにより、労働ストライキが頻繁に起こっています。

 

その結果、経済に与える影響が懸念されるなど、国内情勢はあまり安定していないのが現状です。国民1人あたりの名目GDPも低く、労働生産性はそれほど高くありません。

 

南アフリカランド円の魅力的なところ

 

南アフリカランド円の最大の特徴は政策金利が高水準というところです。日本は金利が低いので、スワップポイントを狙った取引をしたい方にはオススメの通貨です。

 

また、米ドルなど100円を超えている通貨で取引するよりも、投資開始金額を抑えられるメリットがあります。実際、2022.1時点で1ランドは7円台で推移しています。

 

アフリカ諸国を牽引する経済大国という事実とインドとの友好関係からインドが経済発展するとその恩恵を受ける立場にあるのも魅力です。

 

投資する前に知りたいデメリット

 

経常収支が赤字

 

恒常的な経常赤字体質にあり、資金調達を海外に頼っている状態で世界の資金移動の影響を受けやすいです。

 

また、中国は南アフリカにとって輸出入の最大の貿易相手国なので中国経済の動向にも十分注視していく必要があります。

 

流動性リスクがある

 

南アフリカランドを取引する上では流動性リスクを意識しなければなりません。

 

先進国通貨と比較すると市場での流動性が低く取引量が少ない、また信用力もあまり高くないのです。

 

そのため、金融危機などの事態に陥った場合には、外国資本が急激に流出し、通貨価値が暴落するといったリスクが顕在化することもあります。

 

資源価格に影響を受ける

 

金やダイヤモンド、プラチナ、鉄鉱石、石炭、銅などの鉱物資源に恵まれているため、鉱物資源価格に影響を受けやすいのが特徴です。

 

しかし、現在は地下数千メートルの鉱脈から採掘しているため、労働者は非常に過酷な環境下で労働を強いられてストライキが発生しています。

 

エネルギー供給が不安定

 

発電施設の老朽化によって電力供給能力が低くなっており、慢性的な電力不足の状態です。

 

供給が不安定で、たびたび計画停電を行っているので、国内の経済活動に悪影響を及ぼしています。エネルギーの不安定さは南アフリカランドの慢性的な下落要因のひとつとなっています。

 

 南アフリカランド円が地獄と言われるには2つのワケがある

 

投資家の間では、「南アフリカランド円で失敗した、地獄をみた」という噂もあります。高金利で投資したい通貨ですが、現状や理由はどうなっているのでしょうか。 

 

コロナ禍の影響

 

どの国にも大きな影響を及ぼした新型コロナウイルスですが、南アフリカ共和国にも負の影響があります。この国では累計292万人の感染者がおり、累計死者は8万9千人です(2021.11.11現在)。

 

これにより、一部業種で職場が閉鎖されたり、時短勤務になる状況が繰り返されています。働く場所の需要が減ったことで失業率が上がってしまい、経済にも大きな打撃を与えています。

 

また、金利を下げる政策も行っているのでスワップ狙いの投資家には厳しい状況です。

 

高金利通貨の落とし穴

 

南アフリカランド円などの新興国通貨は高金利ですが、値下がりや暴落が起こりやすいです。他の国からお金を借りている状況なので、お金を貸している国が危機的な状況になるとお金が引き上げられるというリスクの高い通貨です。

 

世界情勢や経済状況に左右されやすいので、世界全体の情報を入手し続けるのが成功の秘訣です。また、資産を分散しておくことでリスクを軽減できます。

 

南アフリカランド円に投資すべきか?今後の予測や対策とは

 

現在の状況が芳しくないので不安だと思う一方で、挑戦してみたいと思う方も多いでしょう。南アフリカランド円は今後どうなっていくか、どんな対策をしていくべきかをご紹介します。

 

コロナショックからは回復傾向

 

新型コロナウイルスの影響で2020年は下落しましたが、現在は回復傾向にあります。

 

南アフリカ共和国の国内事情や失業率などの懸念はありますが、世界経済が回復してくると資源を活用した貿易が回復してくるとみられています。

 

また、貴金属等の需要が拡大すると資源価格が上がり、南アフリカランド円の価値が上がると考えられます。世界経済の状況や資源価格の動きをチェックできるようにしておきましょう。

 

取引の際には高金利通貨に適したFX会社を選ぶ

 

高金利国のスワップポイントが高いところで口座開設をして取引をすると、スワップでの利益が期待できます。高金利通貨は世界の状況などで変化しやすいため、情報を入手しやすいFX会社での取引も欠かせません。

 

チャートがみやすいところや経済ニュースチェックできるところにしておきましょう。

 

まとめ

 

高金利が魅力的な新興国通貨。特に南アフリカランド円はスワップを狙って取引をする方が多いです。南アフリカ共和国の経済や国内情勢は安定していないところがありますが、少額で取引ができるところが嬉しいポイントです。

 

投資家の中には「南アフリカランド円で地獄をみた」という方もいらっしゃいます。コロナ禍の影響や新興国通貨ならではの理由があります。

 

現在はコロナ禍での値下がりも回復しつつあり、世界の情勢からも資源価格が高騰するのではないかと予測されます。取引を始める際は、スワップポイントを狙えて、かつ情報をたくさん入手できるFX会社で行うと良いです。

例えば、外為オンラインならスワップポイントが高水準であり、なおかつ無料セミナーやアナリストレポートが提供されているため、南アフリカランドドルの取引をするには適していると言えるでしょう。

 

気になるかたは、ぜひこちらの記事もご覧ください。

 

 

記事の監修者

中島翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。その後国内大手仮想通貨取引所Coincheckでトレーディング業務、新規事業開発に携わり、NYのブロックチェーン関連のVCを経てCWC株式会社を設立。証券アナリスト資格保有 。

Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12



おすすめの記事