ダイ(Dai)の概要
DAIの概要 | ||
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基本情報 | 仮想通貨名 | ダイ(Dai) |
ティッカーシンボル | DAI | |
発行開始年月 | 2017年12月 | |
主な利用用途 | 送金、決済、DSR(Dai Saving Rate)への預金 | |
発行状況 | 発行主体 | なし。プログラムによる自動発行。 |
発行方法 | Maker(メイカー)というプラットフォームに、仮想通貨をロックすることで発行する。 | |
上限発行量 | なし | |
発行可能数の変更 | 不可 | |
発行予定・発行条件 | 担保となる仮想通貨をメイカーにロックすることで随時発行される。ブロック生成と共に発行されることはない。 | |
価格移転記録 | コンセンサスアルゴリズム | PoS(Proof of Stake) |
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ダイ(Dai)の発行主体(財団など)について解説
ダイ(Dai)には発行主体は存在しません。ダイの発行はプログラムによって管理されています。
またダイはMakerDAOというDeFiプロジェクトによって発行されています。MakerDAOの開発や普及活動を主導しているのがMaker Foundation(メイカー財団)という財団です。更にMakerDAOやダイの知的財産権利をDai Foundation(ダイ財団)という財団が管理しています。
メイカー財団はMakerDAOの立ち上げ以後開発をリードしてきましたが、プロジェクトのDAO(Decentralized Autonomous Organization, 自律分散型組織)化を目的に2021年5月3日に財団の運営資金をプロトコルへ返納しました。財団は2021年年内に解散する予定となっています。
ダイ(Dai)のCEOについて
メイカー財団のCEOを務めるのは、Rune Christensen(ルーン・クリステンセン)氏という人物です。ルーン氏はMakerDAO、およびメイカー財団の創設者でもあります。
ルーン氏はデンマーク出身で、コペンハーゲンのビジネススクール在学中にTry Chinaという国際的な採用を斡旋する企業の共同創設者となりました。そしてコペンハーゲン大学を卒業後に、MakerDAOを創設しました。
ダイ(Dai)のCTOについて
メイカー財団のCTOを務めるのは、Giorgio Marciano(ジョルジオ・マルチーノ)氏という人物です。
ジョルジオ氏はイタリア出身のコンピュータエンジニアです。ピサ大学で情報通信技術を修めたのち、13年以上ソフトウェア開発やソリューションアーキテクトとして従事してきました。その後創設者兼CTOであるAndy Milenius(アンディー・ミレニウス)氏がチームを離れたことで、CTOに就任しています。
ダイ(Dai)のその他主要人物について
現在メイカー財団のCOOを務めるのは、Steven Becker(スティーブン・ベッカー)氏という人物です。
スティーブン氏は南アフリカ出身で、ケープタウン大学在学中からアナリストやトレーダー、エクゼクティブディレクターなどの経験を積んできたビジネスの専門家です。
2018年4月からメイカー財団の社長兼COOとして、実際の経営の責任者となりました。スティーブン氏はChartered as an Alternative Investment Analyst(CAIA)や Financial Risk Manager(FRM)として認定された、世界でも有数の経営の専門家のひとりです。
ダイ(Dai)の発行方法、発行条件
ダイはMaker(メイカー)というプラットフォームのVault(ボールト)という機能を使い、イーサリアムかBasic Attention Token(BAT)をロックすることで発行されます。仮想通貨を担保にダイを借りる形です。
しかしダイはロックした仮想通貨と1:1の割合で発行されるわけではありません。100DAIを受け取るためには、200ETHをロックあする必要があります。
この不均衡は、担保とする仮想通貨が暴落しても安全に価値を担保できるようにする仕組みです。200ETHを担保に100DAIを受け取った場合、仮にイーサリアムが25%下落しても200ETHは150ETH分にまでしかなりません。100ETHを割り込まないため、100DAIの担保として機能します。
またロックした仮想通貨は、ダイと追加の料金を支払うことで取り戻すことが可能です。返却されたダイはバーンされます。
ダイ(Dai)のコンセンサスアルゴリズム
ダイはERC20という、イーサリアムが提供するトークン規格を利用して開発された仮想通貨です。そのため送金の記録やトランザクションの処理はイーサリアムのブロックチェーンで行われます。
コンセンサスアルゴリズムも、イーサリアムに即したものとなっています。
メリット
ERC20を利用するメリットとしては、利便性の高さがまずあげられます。
独自のブロックチェーンを利用する場合は、対応するウォレットなどのアプリを1から開発しなくてはなりません。その点、ERC20を利用するとイーサリアムに対応したアプリで動作するため手間を省けます。
また理論上、イーサリアムは15秒ほどで送金できます。ERC20を利用することで、イーサリアムの高速送金を導入することが可能です。
デメリット
一方ERC20を利用するトークンは、イーサリアムへの依存度が高くなってしまうというデメリットがあります。
ERC20を利用して開発されたトークンを送金するには、少額のイーサリアムを手数料(GAS代)として支払わなくてはなりません。イーサリアムが高騰した場合、トークンの利用に関係なく手数料が高価となり、トークンの価格に悪影響を与える可能性があります。
またイーサリアムのスケーラビリティ問題も問題です。イーサリアムは利用の拡大に伴って処理能力が圧迫され、手数料の高騰や送金の遅れを招いています。そのため以前ほど便利にイーサリアムを利用できません。
加えて、ERC20にはセキュリティに欠陥があると言われています。過去には盗難被害も発生しました。そのためERC20を利用するときにはセキュリティに気をつけなくてはなりません。
ダイ(Dai)のプロジェクトポリシー(発足の目的・背景など)
ダイはMaker(メイカー)というプロジェクトの一環で開発された仮想通貨です。アメリカドルと価格をペッグされるステーブルコインのひとつで、1DAI=1ドルとなるよう調節されています。
アメリカドルと価格をペッグさせたステーブルコインは他にも数多くあります。例えばTether(テザー)/USDTやUSD Coin、TrueUSDが有名です。
ダイは他のステーブルコインと異なり、ERC20を採用した点と発行主体が存在しない点が特徴的です。
ダイはERC20を採用することで、イーサリアムに対応したアプリやサービスで管理できます。そのため利便性が高く、ステーブルコインとしてのユースケースの拡大も期待できます。
またステーブルコインには、発行主体が存在するケースが多いです。担保となる資産を管理し、価格が1ドルになるよう調節する組織が必要なのです。
しかしダイはCDP(Collateralized Debt Positions)というスマートコントラクトを利用することで、発行や価格の調節を自動化しました。発行主体を置かないことで、汚職や破綻などのリスクを回避することができます。
ダイ(Dai)のアライアンス、過去のビッグニュース
2019年11月18日 MCD(Multi-Collateral Dai)がリリースされる
この日、MakerDAOがMCD(Multi-Collateral Dai)という仮想通貨をローンチしました。MCDは現在のダイを指します。
ダイと呼ばれる仮想通貨は2種類存在します。2019年11月まではイーサリアムのみを担保とし、上限発行量を1億DAIとするダイが発行されていました。しかし2019年11月に上限まで発行されたため、現在のダイに置き換えられました。古いダイは区別のためにSAI(Single Collateral DAI)に改称されています。
またMCDの発行と共に、DSR(Dai Savings Rate)という機能も実装されました。DSRはダイの預金のようなもので、ダイを預けることで利息を稼ぐことができます。
2021年6月16日 メイカー財団が特定の管理権をDAOへ移行するプロセスを開始
この日、メイカー財団はMakerプロトコルをDAOへ移行するステップとして、ソフトウェア開発のインフラの一部や特定のウェブの管理権などをDAOへ移行するプロセスを始めることを発表しました。
メイカー財団は2021年12月31日までにMakerDAOを完全なDAO(Decentralized Autonomous Organization, 自律分散型組織)へ移行する計画を実行しています。2021年5月3日には財団の保有する資金をプロトコルへ返納しました。
DAOへの移行は、プロジェクトの大きな目標のひとつです。移行が完了すればダイにも影響を与えることが予想されます。メイカー財団は「Daiが安定した公平なステーブルコインとして成功し続けるために、そしてプロトコルがその規模を拡大していき、長期にわたって利用されるためには、Makerシステムのガバナンスは、オープンかつ、全てのステークホルダーの利益と一致している必要があります」と述べています。
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