UBS銀行会長が仮想通貨を個人顧客に対して販売しないと発言
スイスのチューリッヒに拠点をおく、世界最大級の金融グループUBS銀行のアクセル・ウェーバー会長が「自社の個人顧客に対しては、仮想通貨投資へのアドバイスは行わない」と発言しました。
ダボス会議に参加しているUBS銀行のウェーバー会長は、アメリカのCNBCの取材に対して、「個人顧客に対して仮想通貨投資のアドバイスは行わない。機関投資家と個人投資家は分けて考える必要がある。」と述べています。
機関投資家はリスクを判断する能力を有しているが、一般投資家は仮想通貨についてよく知らないという前提のもとに、「個人投資家は仮想通貨市場への投資から保護される必要がある」と考えているようです。
2008年の金融危機の再現を防止したい考え
ウェーバー会長がこうした発言をするには2008年の金融危機が背景として存在しています。
UBSは2008年の金融危機の際に、金融商品を積極的に一般投資家に対して販売したことで、UBSの責任を追及する声や非難された過去を持っているため、同様の事態を引き起こさないようにと、細心の注意を払っていることが伺えます。
将来、一般投資家が仮想通貨暴落の影響を受けた場合、どの銀行が彼らに仮想通貨を売ったのかが再び問題となり、銀行が結果について再び非難されることになる。
NASSAも個人投資家に対して警告を鳴らしている
北米証券監督官協会(NASSA)は、個人投資家に対して「仮想通貨やICOに安易に投資しない」よう注意を促しています。この警告の背景には、仮想通貨はテクノロジーなどの難しい情報が多いため、個人投資家が投資対象としている商品に対して、十分な情報を得ることが難しいことを理由に挙げています。
いくつかの大手金融機関などは、個人投資家向けの仮想通貨関連商品の企画検討していると発言しているなど、各金融機関によって仮想通貨投資への対応は異なっていますが、今回のUBS銀行会長の発言が他社の動向にどういった影響を与えるのか注視が必要です。