FXをこれから始めたいという方の中に、「FXは怖いもの」」という印象を持っている方もいるのではないでしょうか?
これは過去の大きく損失を出した話がネット検索で出回っており、そのような記事をいつの間にか目に入っているからだと思います。
しかし結論は「FXは危険なものではない」という点は筆者の経験から強く伝えたいポイントです。
FXは上手に利用すればFXだけでも資産運用はできると言っても過言ではないほど便利なものです。
当然使い方や潜在的なリスク等を勉強して理解することが必要ですが、みなさんが思っているほど知識を豊富に持たないと危ないというマーケットでもないでしょう。
一言で言えば「リスク管理ができれば問題ない」という一言に尽きるのが投資の世界です。
ここではそれでもリスクを取りたくないという方に向けてFXを利用した無リスクで金利が得られる手法をご紹介したいと思います。
FXのスワップポイントを利用した無リスク資産運用手法
FXのスワップポイントとは?
最初にこの手法で重要な無リスクの資産運用手法で理解すべきスワップポイントについて説明します。
スワップポイントは2国間の通貨金利の差から得られる金利です。
FXの場合は毎日各国の政策金利に連動した通貨金利から日々スワップポイントを得ることができるようになります。
スワップポイントを得られる条件としては「高金利通貨を買い(ロング)低金利通貨を売る(ショート)」というポジションによって発生し、もしもFXのポジションで「高金利通貨を売り(ショート)低金利通貨を買う(ロング)」というポジションを保有した場合はスワップポイントがマイナスとなるため、日々金利部分で損失が発生するということになります。
スワップポイントは各社下記のように公表しています。
上記の表はLIGHTFXのスワップカレンダーとなっており、「買」はその通貨ペアをロングポジションで保有した場合に発生する1lotあたりのスワップポイントです。「売」はその通貨ペアをショートポジションで保有した場合に発生するスワップポイントになります。
スワップポイントは通貨ペアによって両者ともにプラスであったりマイナスであったりするため、ポジションを長期で保有することを考えている場合は先にチェックしておいた方がいいでしょう。
FXのスワップポイントアービトラージとは
次にアービトラージという意味とFXのスワップポイントアービトラージについて説明します。
アービトラージとは「裁定取引」という意味です。
裁定取引とは「割高なものを売り、割安なものを買い、価格差が収斂してきたら両者を決済して利益を得る」という方法です。
同じものでも市場によっては違う価格で売り買いされている場合もあり、高い方で売って、安い方で同時に買ったらその瞬間全て利益となることは想像しやすいでしょう。
そしてFXのスワップポイントアービトラージとは先ほど説明したFXのスワップポイントの各社の違いを利用して無リスクで金利収入を得ようとする方法です。
スワップポイントの計算となる基準は各国の政策金利のため、基準は同じですが、FX各社はターゲットが異なっており、長期的に資産運用として利用してもらうユーザーを囲い込みたいFX会社から、短期的に何度も売買を行ってくれるようなユーザーをターゲットにしているところもあり、特徴は千差万別となっています。
前者のFX会社の場合は資産運用としてFXを利用する場合高めのスワップポイントを提供してあげないとユーザーはついてこないですが、後者のFX会社の場合はその必要はありません。
そのためスワップポイントは各社設定が異なっており、この差を利用してスワップポイントのアービトラージを行うことができるようになっています。
次は具体的な方法について解説します。
スワップポイントのアービトラージを行う方法
まずはFX会社各社のスワップポイントをチェックして2社間でスワップポイントのアービトラージができるFX会社を見つけましょう。
見つけ方は1社の買いのスワップポイントがもう1社の売りのスワップポイントを上回っていれば可能です。
例としてトルコリラ円で可能なサクソバンク証券とLIGHTFXを利用した現在(2021年11月10日現在)利用することができるアービトラージのチャンスを紹介します。
下記はLIGHTFXのスワップポイント表です。
赤色の丸印がトルコリラ円のスワップポイントの部分になります。
赤色が買い(ロングポジション)を保有した場合のスワップポイントで、黒色が売り(ショートポジション)を保有した場合のスワップポイントです。
次にサクソバンク証券のスワップポイントは下記です。
サクソバンク証券でF Xの取引を行いトルコリラ円を買い(ロングポジション)で保有した場合、10月18日で1万通貨あたり51円を日々得ることができます。
※FXのスワップポイントは日によって付与日数(スワップポイントを計算する場合の日数)が異なるため10月21日は3日分で計算されています。
ではサクソバンク証券でトルコリラ円を1万通貨をロングポジションで保有し、LIGHTFXでトルコリラ円を1万通貨ショートポジションで保有した場合、スワップポイントはどのようになるでしょうか。
まず2社でロングポジションとショートポジションが構築されているため、実質為替リスクは0の状態です。
しかしスワップポイントはサクソバンクで51円のプラス、LIGHTFXで40円のマイナスとなり差し引き11円のプラスとなります。
11円と聞くと小さく感じるかもしれませんが、トルコリラ円は現在1トルコリラ11円台であり、仮に11円で計算すると1万通貨ロングというのは11万円分のトルコリラを買っていることと同じ経済効果になります。
そして1日あたり11円得ることができると考えた場合、年間では
11円×365日=4,015円
のスワップポイントを得ることができます。
年間の利回りを計算した場合
4,015円÷11万円=3.65%
となり、無リスクで3.65%の利回りで運用することが可能ということです。
とても簡単であり、日本円の預金と比較すると格段いい利回りで運用することができるでしょう。
上記はレバレッジを利用していない場合の想定です。
レバレッジを2倍で行った場合は利回りは7%台となり、3倍の場合12%となります。
しかし当然無リスクとはいえ注意点があるため次に説明します。
FXのスワップポイントアービトラージの注意点
証拠金維持率に注意して放置しないこと
FXのスワップポイントアービトラージは2社間で反対のポジションを保有しているため、トレンドが継続して上昇したり下落したりした場合、評価損失が生まれ始めます。
レバレッジ1倍であれば問題はありませんが、5倍等少し高めのレバレッジを利用した場合証拠金維持率を下回り、気付いたらポジションが決済されているという可能性があるため注意しましょう。
日々為替レートのチェックは必要であり、また利用するFX会社の証拠金維持率は把握し管理するようにしましょう。
目先の利回りを追いかけてレバレッジをかけすぎないこと
レバレッジが3倍で無リスク10%と聞くととてもいいように聞こえますが、当然それだけリスクを保有しているということを認識しましょう。
そして紹介したトルコリラ円のような新興国通貨で高金利通貨は値動きの変動が大きく、すぐに10%程度動いてもおかしくない通貨です。
そのため長期的な運用の場合はレバレッジは2倍程度で抑えておくと安心できるでしょう。
心配な方は1倍でも全く問題ありません。
レバレッジ1倍でも現在では3%以上の利回りを無リスクで得ることができるという点はいい手法と言えるでしょう。