イングランド銀行は仮想通貨の拡大による金融リスクを改めて示唆
イングランド銀行は、直接的な危険性が「最小限」であるとしても、仮想通貨資産の急速な拡大によって、英国の金融システムに安定性の懸念をもたらす可能性があると、警鐘を鳴らしています。
12月度の中央銀行による国際金融安定性報告書で、金融政策委員会は、「仮想通貨資産はより大きな金融システムと統合されつつあり、リスク管理のために、より良い規制と法執行の枠組みが必要である」と警告しました。同報告書によると、「規制の枠組みが整うまで、金融機関は慎重に仮想通貨の導入を検討する必要がある」としています。調査によると、「仮想通貨資産は現在のところ、機関投資家のポートフォリオの中でささやかなものであるが、これから増えていく可能性が大いにある」としています。
仮想通貨に対する評価が大きく低下した場合、機関投資家による他の金融資産の売却をも促し、金融システムショックを引き起こす可能性があります。この場合においてレバレッジ取引の特性上、システムショックの波及効果を高める可能性があります。英国の大手銀行は、仮想通貨資産の直接的なエクスポージャーについては明らかにしていません。しかし、いくつかの銀行で、仮想通貨デリバティブ取引とカストディサービスを提供し始めています。
10月、イングランド銀行のJon Cunliffe副総裁は、「急成長する仮想通貨市場は、速やかに規制されなければ脅威となるかもしれない」と述べました。これまで仮想通貨を基本的に価値のない資産と見なしていた中央銀行が態度を一変しました。
英国財務省は、月曜日に発表した報告書の中で、銀行の規制権限下にあるステーブルコインに対する規制案を積極的に取り入れていく指針を表明しました。Cunliffe氏は、月曜日の記者会見で次のように述べている。
「規制基準の策定には時間がかかる。問題が起こる前に、早急に規制を整える必要があるだろう。」
通貨の希少性によってビットコインは10万ドルに到達するか
ビットコインは11月、史上最高値から30%近く下落しましたが、ブルームバーグ・インテリジェンスの最近のレポートは、「強気相場が固まりつつあり、10万ドルへの道を進んでいる」と指摘しています。
同レポートによると、ビットコインの強気相場は終わりそうになく、固定的な供給が価格の上昇を後押しするとのことです。2022年の開始を間近に控え、ビットコインが直面する重要な課題は、「ピークなのか、それとも単に強気相場が固まっただけなのか」と強調しています。
また、同レポートは、中国におけるマイニング全面禁止規制にも関わらず、ビットコインが史上最高値を更新したことを取り上げ、ビットコイン資産とその強気相場を更に強化したことを指摘しています。11月に過去の最高値を突破して69,000ドルに達し、ビットコインネットワークのハッシュレートは最近になって史上最高値を更新しました。コンセンサスアルゴリズムの大きな修復によって、強気相場を強化しているといえるでしょう。
このレポートでは、「需要増と供給減というファンダメンタルズの構造上、全ては時間の問題であると見ている」と指摘しています。ビットコインの新たな上場投資信託や先物、エルサルバドルにおけるビットコインの法定通貨化などに見られるように、ビットコインの公的な採用が進むことでその需要は増加していきます。
ビットコインの発行量が減少し、認知度が高まるにつれて、価格は上昇し、ボラティリティは低下することを指摘しています。米国においてビットコインの規制がより明確になれば、特定の投資家の間でビットコインが受け入れられるようになり、ビットコイン資産に対する需要がさらに高まる可能性があります。同レポートは以下のように指摘しています。
「2022年、米連邦準備制度理事会(FRB)による引き締めの強化から逃れるために、株式市場の下落がキーになるかもしれません。これは、ビットコインにとって少しばかり得策となるでしょう。ビットコインは、デジタル価値の貯蔵手段として確立する道を順調に歩んでいます。株式市場が下落した場合、ビットコインは当初、逆風に直面するでしょう。しかし、株式価格の下落が債券利回りに圧力をかけ、中央銀行の流動性を高めるきっかけとなる限り、仮想通貨は主要なポートフォリオとして認識される可能性があります。」
同レポートはまた、米国財務省の長期債が、より高い利回りのためのコンセンサスにもかかわらず、2%以上の利回りを維持できていない現状を問題に挙げ、来年は金融資産の中でもビットコインが有利なデフレ環境になっていく可能性について言及しました。ブルームバーグ・インテリジェンスは、「資金は古いアナログの金からビットコインへシフトしている」と伝えています。
ビットコインは4年ごとに発行枚数が減少する半減期が訪れます。ブルームバーグ・インテリジェンスは、「2020年の暴落以来10%超の調整をしていない株式市場に比べて、2022年、仮想通貨市場が先手を行く可能性がある」と伝えています。
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