米グレースケール社ビットコイン投信のロックアップ解除が市場に与える影響とは
6カ月間のロックアップ期間が7月に満了を迎え、グレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の約15億ドル相当の価値が流通市場に放出されようとしています。
GBTCのビットコインに対するプレミアムの需用が大幅に上昇し、昨年12月と昨年1月には、GBTCへの月間資金流入額がそれぞれ20億ドルと17億ドルとなり、最高額を記録していました。
Bybt.comによると、7月17日は、ロックアップ終了期間中で最も忙しい日になることが予想され、16,240BTC分のGBTCが取引可能になると言います。
世界最大のビットコイン投信の性質上、ファンドを直接購入した機関投資家は、ファンドを6ヶ月間保有した後でないと、流通市場で売却できません。待ちに待ったロックアップ解除を迎え、今月、40,000 BTC以上の価値があるGBTCの一片を手に入れることができるかもしれません。
同社が世界最大のビットコインファンドとしての地位を確立していることに鑑みれば、一部の投資家は、GBTCの売りによって、GBTCおよびビットコイン価格全般に下落の圧力をかけることを懸念しているとも思えます。
しかし、米仮想通貨取引所クラーケンの傘下である、分析機関クラーケン・インテリジェンスの研究者は、このように述べています。
「ロックアップ期間満了により、GBTCとビットコインの価格に上昇圧力をかけるかもしれません。今月ロックアップ終了予定のGBTC投資家の大部分は、大規模な機関投資家が占めているのです。」
機関投資家がポジションの決済を選択した場合、GBTCのヘッジをカバーするためにスポット市場でビットコインを購入する必要があります。クラーケンによれば、これがビットコインに「追い風」となる可能性があるといいます。
一方で、JPモルガンは6月、ロックアップ期間満了でビットコインの価格に負の圧力をかけると考え、GBTCのロックアップ解除がビットコインにとっての「逆風」を意味すると指摘していました。両者の意見は食い違っており、今月どちらに動くか真実を見守る必要がありそうです。
米上院議員ウォーレン氏の仮想通貨規制に対する姿勢
ワシントンD.C.のトップ議員は、仮想通貨の流通による問題に正面から取り組む姿勢を見せています。
報道によると、アメリカで最も注目されている上院議員の一人であるエリザベス・ウォーレン氏は、米証券取引委員会(SEC)議長のゲイリー・ゲンスラーに対して、仮想通貨業界に纏わるある手紙を送りました。報告によるとウォーレン氏は、仮想通貨に向けた国家権力を巡って、5つの具体的な質問を付した質問状への回答を要求し、7月末までに回答するよう求めているようです。これは、以下の理由で大きな意義があります。
ウォーレン氏は、議会での地位、特に金融分野での地位の高さが顕著です。彼女は、上院銀行委員会の経済政策小委員会の委員長を務めており、2008年の金融危機の際には、中小企業や持家のある者への対策が不十分だとして、オバマ政権時の財務長官を批判したことで、知名度を上げました。そのウォーレン氏が、現在の仮想通貨に対する規制の状況を快く思っていないことは確かでしょう。
「現在、仮想通貨に関するガイダンスのほとんどは、SEC、米商品先物取引委員会(CFTC(Commodities and Futures Trading Commission))、連邦取引委員会(FTC(Federal Trade Commission))、および金融規制当局を表す他の一連の組織から発表されています。」
ある著者がこのように指摘しています。さらに重要な理由は、彼女の手紙が仮想通貨の規制を議会に委ねることを示唆している、ということです。
また、報道によると、今回のプロセスは、仮想通貨市場のイノベーションを阻害しないようにするために行われているようですが、ファイナンシャルアドバイザー向けの仮想通貨資産管理技術ソリューションを提供する米仮想通貨専門投資会社オンランプ・インベストのCEOであるタイロン・ロス氏がこのように指摘しています。
「この経緯は、終局的に、金融規制当局などの規制に関する議論が、議会での議論に反映されることに近づいているものと思われます。」
今後ウォーレン氏は、質問状の回答から得た情報をどのように扱かっていくか正確にはわかりません。今年4月には、仮想通貨の規制に関する法律と管轄権を明確にする法案が可決されており、大統領の承認が待たれます。米国は、仮想通貨の規制についてまもなく決断の時を迎えるかもしれません。
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