中国政府が管理する仮想通貨プロジェクト
上海の記者グループは、中国銀行のクレジットカード開発社や杭州のブロックチェーン研究所を訪問し、中国政府が機密に進めている仮想通貨プロジェクトについて学ぶ機会があったとされ、政府が管理する仮想通貨導入に向けて動いていることが報道されています。
実際に、中国の産業情報技術省は、ブロックチェーン技術を国内で標準化するための枠組みを探るための研究をすでに実施していることを先週明らかにしました。
すでに、Zhang Yifeng氏がリーダーを務める、仮想通貨とブロックチェーン技術の研究チームは、「紙幣ブロックチェーン技術機構」という組織を設立しています。
また、中国は、20を超えるブロックチェーン技術の特許申請を行い、Zhang Yifeng氏のチームの基盤となる技術アーキテクチャも、中央銀行が発行するデジタル紙幣も完成したとされています。
中国のブロックチェーン、仮想通貨への見解
Zhang Yifeng氏は、以下のように述べ、ブロックチェーンの重要点や役割について話しています。
「ブロックチェーンの最も重要な役割は、アプリケーションシナリオを探しながら、実際のビジネスと組み合わせて、再度ブロックチェーン技術を最適化することです。
また、プラットフォーム参加者は単に利用するだけではなく、全てのプラットフォーム参加者間で、組織的な認証や流通を実行し、相互の信頼関係を構築することができます。
仮想通貨と既に存在している電子決済(日本で言うとSuicaなど)の最も大きな違いは、口座ベースであるのかどうかということです。仮想通貨は、セキュリティや利用者のプライバシーを提供すると同時に、決済スピードや小口支払いでの安い手数料を達成しようとしています。」
また、同氏は、以下のように述べ、現状の仮想通貨に対しては、懐疑的な姿勢を持っています。
「ビットコインやイーサリアムではなく、中国の中央銀行によって発行される仮想通貨が、真の仮想通貨です。
ビットコインに代表される仮想通貨は、ボラティリティが高く、本質的な価値がほとんどない資産です。デジタル通貨であっても、お金としての基本的な特性を満たしている必要があります。
ICOで発行されるコインは、さらに馬鹿げています。」
同氏の発言から、中国は、ブロックチェーン技術に対しては、肯定的な姿勢を取っていることが分かりますが、中央集権的に管理されていない既存の仮想通貨に対しては、通貨としての基本的な属性を満たせていないという理由から、懐疑的な姿勢であることが読み取れます。
また、仮想通貨のボラティリティが高すぎることに対しても懸念を持っていますので、中国政府が管理する仮想通貨は、価格変動が少ない通貨になることが予想されるでしょう。
An Inside Look At China’s Government Controlled Cryptocurrency Project
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