ビットコインがETFの開始により6万ドルに到達
先週は、アメリカで初となる先物ベースのビットコインETFのローンチについて紹介し、同時にビットコインとイーサリアムが史上最高値に近づいていることをお伝えしました。それからちょうど1週間が経過した今、今回の「ETFのローンチ」に関しては、市場で多く見られるような「ニュースを売る」タイプの話題性のためのイベントだったのではないかと、価格の上昇の持続性を疑問視する声が上がっています。
ビットコインは先週、過去最高値に近づき、記録を更新しました。その間、大口により巨額のビットコインが大手取引所のバイナンスに移されたという報道がありました。現在、ビットコインは、下値支持線で史上最高値となる60,000ドルを超える水準に向けて、続伸しています。
専門家はより長い時間軸ではポジティブな見方をしているようです。現在の週足チャートは、市場の反転の際によく見られる十字線(寄引同時線の一種)が見られ、魅力的な終わり方をしています。
しかし、一部の投資家の間では、ビットコインETFのローンチは短期的な弱気のトリガーとなると見ている、という内容の報道もあるようです。例えば4月、コインベースのIPOによって数日後にビットコインが史上最高値の65,000ドル超を記録したことが思い返されます。また、アセットマネジメント企業のPantera Capital社CEO兼共同最高投資責任者であるDan Morehead氏は、今回のビットコインETFローンチのニュースリリース前となる、10月初めのニュースレターでは、「私はテーブルからいくつかのチップを外したいかもしれない」と記載していました。
その結果、Bizniz氏をはじめとする多くの専門家は、取引開始した米資産運用会社のProShares Bitcoin ETFなどに起因して、いわゆる「噂を買って、ニュースを売る」というタイプの歪みを懸念しています。アナリストのLark Davis氏は、「CME Bitcoin Futuresのデビュー後にビットコイン価格が下落したのと同程度に、ProShares ETFの導入後にビットコイン価格が下落したとしても、ショックを受けない。」と述べています。
しかし、多くの専門家は短期的なボラティリティーについて、ビットコインETFの好調なスタートによって、ビットコインの現物市場の下降幅はより緩やかになるだろうと予想しているようです。但しこの点については、時間が経ってみないとわかりません。
イスラエルはデジタル通貨にイーサリアム技術を検討
中央銀行デジタル通貨を実験的に導入した最新の国としてイスラエルを取り上げます。
今のところ、中央銀行デジタル通貨(CBDC/Central Bank Digital Currency)を発行した国はありませんが、多くの国で公に実験を行っています。現地メディアのGlobesによれば、イスラエル銀行はその準備を着々と進めているようです。最も興味深いのは、イスラエルはCBDCの実験に、イーサリアムのシステムを使っていることです。
イスラエル銀行のCBDCプロジェクトマネージャーであるYoav Soffer氏は、以下のように述べています。
「我々はイーサリアムの技術で実験を行いましたが、それは必ずしもその技術を採用することになると考えているからではありません。その利点と欠点を理解するために、我々が実際にやってみることができる技術だったからです。」
さらに詳細を見ると、イスラエル銀行のIT部門のチームは、パイロットプログラムの一環として、イーサリアムのブロックチェーンをベースにした試験環境を構築しました。銀行はデジタルシェケル(シェケルはイスラエルの法定通貨)というトークンを作成し、プロジェクトチームのメンバーが、銀行内で「架空のデジタルシェケル」を動かすためのウォレットを作成しました。イーサリアムブロックチェーンを利用したこのトークンは、イーサリアムネットワーク全体にも、仮想通貨としてのイーサリアムにも接続されていないクローズドネットワーク上で活用されています。
しかし、銀行がデジタルシェケルを発行するための技術を決定するには、まだ長い道のりがあるようです。Soffer氏は、先週のカンファレンスでこのように述べています。
「このようなプロジェクトを運営するのは、かなり難しいことです。一般的に、イスラエル銀行が主導するプロジェクトは開始日と終了日が決まっています。いつ終わるのか、その間に何を達成しなければならないのかが予めわかっているのです。しかし、このプロジェクトに関しては、いつ終わるかが定かではありません。」
世界の多くの銀行と同様、イスラエル銀行も銀行発行のデジタル通貨については、まだまだ手探りの段階です。
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