ビットコイン(Bitcoin)の概要
BTCの概要 | ||
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基本情報 | 仮想通貨名 | ビットコイン(Bitcoin) |
ティッカーシンボル | BTC、XBT | |
発行開始年月 | 2009年1月 | |
主な利用用途 | 送金・決済・投資 | |
発行状況 | 発行主体 | 存在しない。プログラムによる自動発行 |
発行方法 | ブロックチェーンの追記作業(マイニング)に対する報酬として新規発行される | |
上限発行量 | 2100万BTC | |
発行可能数の変更 | 可能 | |
発行予定・発行条件 | 1ブロックを生成するごとに、マイナーへの報酬として発行される。 発行開始当初は50BTCが発行されたが、21万ブロックが生成されるごとに報酬が半減し、2021年4月現在は6.25BTCが発行される。 | |
価格移転記録 | コンセンサスアルゴリズム | PoW(Proof of Work) |
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ビットコイン(Bitcoin)の発行主体(財団など)について解説
ビットコインに発行主体は存在しません。仮想通貨によっては発行主体となる財団などが存在しますが、ビットコインはオープンソースのソフトウェア(ビットコイン・コア)として公開されており、誰でも開発が可能です。
ビットコインの発行や取引はビットコイン・コアによって定められ、自動的に実行されます。
ビットコイン(Bitcoin)のCEOについて
現在、ビットコインにCEOに該当する中心人物は存在しません。しかし開発当初から現在の形であったわけではありません。
世界で初めてビットコインのアイデアを世に出し、開発を行ったのはSatoshi Nakamoto(サトシ・ナカモト)という人物です。サトシ・ナカモトは2008年に「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」(「ビットコイン:P2P電子通貨システム」)という論文をインターネット上で公開しました。
この論文では現在のビットコインや仮想通貨そのものの存在や仕組みについて論じられています。論文は日本語にも翻訳され、インターネット上で公開されているため私たちでも読むことができます。
そしてサトシ・ナカモトは論文を発表した翌年である2009年1月にビットコイン・コアを公開しました。その後もサトシ・ナカモトはビットコインの開発に関与していましたが、2010年を最後にその姿を消しています。
サトシ・ナカモトの素性や経歴については明らかにされていません。サトシ・ナカモトは有志の開発者と共にビットコインを開発しましたが、やり取りはすべてメールで行っており、性別や国籍などは不明です。サトシ・ナカモトという名前が果たして個人を指すものかどうかも分かりません。
サトシ・ナカモトが消息を絶ったのち、その正体を突き止める運動が行われたりサトシ・ナカモトを名乗る人物が表れることもありましたが、いずれも核心に至ることはありませんでした。
またビットコインの公開当初、マイニングはサトシ・ナカモトがひとりで行っていました。そのためサトシ・ナカモトは100万BTCにものぼる多額のビットコインを保有していると言われています。
ビットコイン(Bitcoin)のCTOについて
CEOと同様に、ビットコインにはCTOに相当する個人も存在しません。ビットコインはネットワークの利用者すべてが開発に関わることができます。
しかし無節操に開発が行われているわけではありません。ビットコインの仕様変更や機能の追加に関しては、開発者によって構成されるコミュニティによって決定されます。
2017年8月には開発の方針についてコミュニティが2つに分裂し、それぞれが合意を得ることなくブロックを記録したため、ビットコインが2つの通貨に分裂しました。現在、それぞれの通貨はビットコインとビットコインキャッシュとして区別されます。
またビットコインの開発者の中でも、ビットコイン・コアの開発に携わる人物はコア開発者と呼ばれています。ほとんどのビットコイン開発者はボランティアで開発を行っていますが、コア開発者の中には仮想通貨に関連する企業などから助成金を受け取っている者もいます。
ビットコイン(Bitcoin)のその他主要人物について
ビットコインのネットワークや価格に影響を及ぼすのは、開発者だけではありません。
2021年4月現在、ビットコインは上限発行量のうち1800万BTC以上の発行が完了しています。しかしそのすべてが均等にネットワークの利用者に分配されているわけではありません。
アドレスごとのビットコイン保有量を示すことでビットコインの分布を明らかにする「Bitcoin Rich List」によると、ビットコインアドレス全体の51.5%がビットコインを0.001BTCほどまでしか保有していません。
反対に1BTC以上保有するアドレスは全体の3%ほどです。このことから、ビットコインが大口投資家を中心に偏って分布していることが窺えます。
そのため大口投資家の動向によって、ビットコインは大きな影響を受けます。
ビットコインの大口投資家として有名なのが、ウィンクルボス兄弟です。ウィンクルボス兄弟はテイラー・ウィンクルボスとキャメロン・ウィンクルボスからなる双子の投資家です。Facebookの創設者として知られるマーク・ザッカーバーグへの訴訟で得た和解金を用いて2013年に150万BTCを購入し、その後の値上がりで巨額の利益を手に入れました。
その後ウィンクルボス兄弟は仮想通貨事業に積極的に参入しています。2015年には仮想通貨取引所Gemini(ジェミニ)を開設し、アメリカでも屈指の取引量を誇るほどに成長させました。
またビットコインを用いたETF(上場投資信託)にも積極的で、SEC(米国証券取引委員会)に対し、2017年と2018年にビットコインETFの申請をしています。いずれも却下されていますが、再申請への意欲も示しており、もし承認されればビットコインの価格にポジティブな影響を与えることが考えられます。
ビットコイン(Bitcoin)の発行方法、発行条件
ビットコインはブロックを生成するごとに、生成したマイナーへの報酬としてビットコインが新たに発行されます。
しかし新規発行量は常に一定ではありません。半減期というものが設定されており、21万ブロックを生成するごとに新規発行されるビットコインの量が半減するよう設定されています。約10分で1ブロックが生成されるため、10分×21万で約4年に1度半減期が訪れる計算です。
ビットコインが公開された当初、新規発行量は50BTCでした。2020年4月時点では既に3度の半減期を迎えており、新規発行量は6.25BTCにまで減少しています。
ビットコイン(Bitcoin)のコンセンサスアルゴリズム
ビットコインのコンセンサスアルゴリズムは、PoW(Proof of Work)です。Workと名前にあるように、マイナーの仕事量によって合意を形成し、ブロックを生成します。
ビットコインのマイナーは「ハッシュ関数」というもので暗号化されたブロックに対し、「ナンス(Number used once)」という数字を何度も変更させ、正しいハッシュ値を見つけるまで計算処理を繰り返します。
そして最も早くハッシュ値を見つけたマイナーがブロックを承認し、報酬として新規発行されたビットコインを受け取るという仕組みです。
正しいハッシュ値を見つけた人は、必然的にどのマイナーよりも多くの計算をこなしたことになります。
メリット
PoWのメリットは非中央集権性とセキュリティ面にあります。
PoWは計算に使うマシンさえあればすべての人にブロック生成の機会が与えられるという点で平等で公平です。この点は仮想通貨が掲げる非中央集権性という理念に忠実に即しています。
またマイニングにはマイナー全体の51%の計算能力を有することでマイニングを独占し、不正な取引の承認を行う51%攻撃のリスクが常について回ります。
しかしマイナー全体の51%以上の計算能力を有するにはコストが非常に大きく、不正に得たビットコインで利益を出すことは困難です。また51%攻撃を受けたことでビットコインの信頼性が下落し、価格も下がってしまいます。
PoWは複雑な仕組みを採用することなく、経済合理性によってセキュリティを担保しているのです。
デメリット
一方、ビットコインが取引量を伸ばしてきたためにPoWのデメリットも浮き彫りとなっています。
まず挙げられるのがスケーラビリティ問題のリスクです。ビットコインではおよそ10分に1度のペースでブロックが生成されるようになっています。
しかし取引量が増加することで10分に1度のペースでは取引データを処理しきれなくなり、送金の遅れや手数料の高騰などを招きます。これがスケーラビリティ問題です。
またビットコインではマイニングに必要なマシンパワーが大きくなっています。マイニングをするには専用の高価なマシンと多大な電力消費が必要です。
そのため現在ではマイニングは大資本を有する企業によって多くを占められ、個人でビットコインのマイニングに参加するのはほぼ不可能です。電力消費量が増えたため環境への負荷も大きくなっています。半減期によって報酬が減少することでマイニングで採算を取ることも難しくなっており、マイナー離れも懸念されています。
ビットコイン(Bitcoin)のプロジェクトポリシー(発足の目的・背景など)
サトシ・ナカモトは自身の論文の冒頭で「完全なP2P電子通貨の実現により、金融機関の介在無しに、利用者同士の直接的なオンライン決済が可能となるだろう」と述べており、ビットコインを現在の電子取引に代わる新たな決済手段として考案したことを示しています。
またブロックチェーンを用いたP2Pネットワークの構築やPoWについてなど、ビットコインは当然のこと、仮想通貨全体に共通する仕組みを論じています。
ビットコインが公開され、既に10年以上が経過しました。現在は多くの仮想通貨が公開されていますが、いずれもビットコインの課題を解決するものやブロックチェーンの仕組みを利用して生活をよりよくするものであり、すべてビットコインを元に開発されたと言っても過言ではないでしょう。
ビットコイン(Bitcoin)のアライアンス、過去のビッグニュース
最後に、ビットコインに関連する過去の大きなニュースを紹介します。
2010年5月22日 世界で初めてビットコインが現実世界で取引された
https://twitter.com/bitcoin_pizza/status/1382864448566792196
この日、プログラマーのラズロ・ハニエツは、ピザチェーン店パパ・ジョンズのピザ2枚を1万BTCで購入しました。
この取引は世界で初めてビットコインを使って行われたもので、現在も5月22日は「ビットコイン・ピザ・デー」として、世界中の仮想通貨愛好家に祝われています。
またTwitterにはこの日に購入されたピザの価格、すなわち1万BTCの価格を毎日投稿するアカウントが存在しています。
ちなみに2021年4月16日現在、ビットコインの価格は1BTC=約669万円です。当時購入されたピザは現在約669億円にまで高騰しています。
2010年7月18日 世界初のビットコイン交換所が稼働を開始
この日、世界初のビットコイン交換所であるマウントゴックス(Mt.Gox)が東京で稼働を開始しました。稼働以前は1BTC=0.2円ほどで推移していましたが、稼働を機に7円にまで値上がりしています。
2011年6月19日にハッキング被害に遭うなど、マウントゴックスは順風満帆の運営とは行きませんでしたが、2013年には世界のビットコイン取引量の7割を占める世界最大の取引所となりました。
しかしその後は払い戻しの遅延が相次ぎ、2014年2月28日には民事再生法の適用を申請、同年4月24日に破産手続きに移っています。
2021年2月18日 世界初のビットコインETFが上場する
この日、カナダのトロント証券取引所に世界初のビットコインETFであるパーパス・ビットコインETF(BTCC)が上場しました。カナダのパーパス・インベストメンツという会社が運用しています。
ETFとは証券取引所に上場し、株価指数などの指標に価格を連動させることを目指して運用会社が株式などの複数の銘柄(現物株バスケット)を運用する金融商品です。1つのETFに投資をするだけで複数銘柄に分散投資できるうえ、指標全体への投資もできます。
ビットコインETFはETFの現物株バスケットの中にビットコインを含めたものです。アメリカではウィンクルボス兄弟などが幾度もビットコインETFの申請をしてきましたが、SECが却下しています。
管理者の不在で価格が安定せず、公正な価値判断が困難であるなどの課題は存在しますが、ビットコインETFの上場は投資家にとって好ましいニュースです。仮想通貨の社会的な信用が高まることで機関投資家の資金が流入し、ビットコインの価格上昇が見込める点や、税金面の優遇などが期待されています。
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