カウンターパーティ(Counterparty)の概要
XCPの概要 | ||
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基本情報 | 仮想通貨名 | カウンターパーティ(Counterparty) |
ティッカーシンボル | XCP | |
発行開始年月 | 2014年1月 | |
主な利用用途 | ビットコインのブロックチェーンを利用した独自トークンの発行 | |
発行状況 | 発行主体 | なし(運営はCounterparty Foundationが行っている) |
発行方法 | ビットコインをバーンすることで、バーンされたものと同価値のカウンターパーティが新規発行される | |
上限発行量 | 2,648,755XCP | |
発行可能数の変更 | 不可 | |
発行予定・発行条件 | ビットコインのバーンに応じて発行される | |
価格移転記録 | コンセンサスアルゴリズム | PoB(Proof of Burn) |
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カウンターパーティ(Counterparty)の発行主体(財団など)について解説
カウンターパーティ(Counterparty)には発行主体は存在しません。オープンソースで公開されており、誰でも発行に携わることができます。
またカウンターパーティ財団(Counterparty Foundation)という非営利団体がリード開発やプロモーション活動を行っています。
カウンターパーティ(Counterparty)のCEOについて
カウンターパーティはロビー・ダーモディ氏という人物が創設しました。ダーモディは共同創設者としてカウンターパーティの開発に携わっています。
ダーモディ氏は独学でプログラミングを学び、アパラチア州立大学を卒業後にKnoahsoft(ノアソフト)というソフトウェア開発会社でキャリアを積みます。2012年ごろからブロックチェーン技術に関心を抱くと、2013年にはカウンターパーティプロジェクトを立ち上げ、翌年にはカウンターパーティを公開しました。
その後ダーモディ氏はソフトウェア開発やコンサルティングを行うCtiPath(シティパス)や仮想通貨に関する投資ファンドであるStoic Capital(ストイックキャピタル)を設立しています。
またクアンタムレジスタントレジャーという仮想通貨のアドバイザーも務めています。
カウンターパーティ(Counterparty)のCTOについて
カウンターパーティの共同創設者としてチーフサイエンティストを担ったのが、アダム・クレレンシュタイン氏です。アダムは物理学を専門としており、自身のサイトに論文を載せています。
2013年にはカウンターパーティの開発チームのチーフサイエンティストを担いました。リードデベロッパーとして開発の中心を担うほか、プロトコルのチーフを務めていました。
2015年にはチームを離れ、Symbiont(シンビオント)というブロックチェーン企業の共同創設者兼CTO兼チーフサイエンティストになっています。
カウンターパーティ(Counterparty)のその他主要人物について
カウンターパーティの開発に重要な役割を果たした人物としては、ダーモディ氏とアダム氏のほかにオジール・サラマ氏が挙げられます。
サラマ氏は2000年からフランスでウェブサイトやFlashゲームの開発やインターネットに関するコンサルティング業務に従事し、2009年にはフリーランスの開発者として独立しています。その後2014年にカウンターパーティの開発チームに参加し、プロダクト開発に従事しました。
サラマ氏は2015年にカウンターパーティの開発チームを離れ、アダム氏と共にシンビオントの創業に携わっています。また仮想通貨交換業を営むLGOグループのCOO(最高執行責任者)、Stashblox(スタッシュブロックス)というファンド管理会社の創設者兼CEOも務めています。
カウンターパーティ(Counterparty)の発行方法、発行条件
カウンターパーティは他の仮想通貨のようにブロックを生成したときの報酬として新たに発行されるわけではありません。
ビットコインをカウンターパーティが用意する「XCP Proof‐of‐Burn」という専用のビットコインアドレスに送る(バーンする)ことで同価値のカウンターパーティが発行される仕組みです。例えば1万円分のビットコインを送れば、1万円分のカウンターパーティが発行されます。
2014年1月にはカウンターパーティの開発者によって2140BTCものビットコインがバーンされ、約260万XCPが発行されました。このプロセスは「Burn-proof-Burn-on」と言われ、カウンターパーティのプロトコルを世に示すと共に、ICOなどに代わる公正なトークン公開の仕組みを実践するために実施されました。
またカウンターパーティを利用してトークンを発行するには、専用のアドレスへ少額のカウンターパーティを送る必要があります。そのためカウンターパーティの利用が拡大すると流通量が減少し、より価格が上昇しやすくなっています。
カウンターパーティ(Counterparty)のコンセンサスアルゴリズム
カウンターパーティのコンセンサスアルゴリズムはPoB(Proof of Burn)と言われています。先述したように、カウンターパーティを新規発行するためにはビットコインを専用のアドレスにバーンしなくてはなりません。
他の仮想通貨ではトランザクションについて不特定多数で合意を形成するための基準として、作業量や保有量など
を基準とする例が多いです。一方カウンターパーティはビットコインを基準とし、ビットコインを担保にすることで合意を形成しています。
PoBは金本位制を模した仕組みだと言われています。近年はビットコインに価格をペッグさせた仮想通貨も登場しており、カウンターパーティはそのはしりだとも言えるでしょう。
メリット
PoBのメリットとしては他のコンセンサスアルゴリズムと比べ、透明性や公平性に優れている点が挙げられます。
他の多くのコンセンサスアルゴリズムでは新規発行された仮想通貨を巡って競争が生まれ、大資本が利益の多くを握ることで弊害が生まれています。
PoBではアドレスへバーンしたビットコインの価格と等しい分だけカウンターパーティが発行されるとプロトコルによって定められています。たとえ大資本を有していても、バーンした分しか手に入れることはできません。そのため高い公平性を確保することができます。
加えてPoBでビットコインが送られるアドレスは秘密鍵が誰にも分からないようになっており、ビットコインを引き出すことができないため誰かが得をするということはありません。
またバーンに用いるアドレスは公開されており、ビットコインがいくら送金されたのかをすべての人が確認することができます。いくら送られ、いくら発行されたのかがすぐに分かるため、透明性も高いです。
この透明性と公平性はPoBの大きな強みとなっています。
デメリット
PoBのデメリットとしては通貨の新規発行をビットコインに強く依存している点にあります。ビットコインの価格が乱高下をすればカウンターパーティの発行量も安定しなくなってしまいます。結果として、利用に悪影響を及ぼすかもしれません。
またビットコインの利用が拡大し、価格が高騰することも危惧されます。ビットコインの利用が拡大すれば、カウンターパーティへ利用される分がなくなってしまうおそれもあります。
PoBの元となった金本位制も第二次世界大戦後にヨーロッパや東南アジアの国の輸入拡大によって金の需要が高まったことがきっかけとなって崩壊しました。
カウンターパーティを利用する際には、常にビットコインの価格に気を配る必要があるでしょう。
カウンターパーティ(Counterparty)のプロジェクトポリシー(発足の目的・背景など)
カウンターパーティは、ビットコインによって世間に広く知られるようになったブロックチェーンを非金融分野にまで応用しようとする「ビットコイン2.0」に位置づけられる仮想通貨です。同様の仮想通貨としてはEthereum(イーサリアム)やRipple(リップル)、Mastercoin(マスターコイン)などが挙げられます。
カウンターパーティはビットコインのトランザクションに追加でデータを記録することで、いわばシステムに間借りする形でビットコインのブロックチェーン上に独自のトークンを発行することができる仮想通貨です。
ビットコインのブロックチェーンは利用者も多く、公開以後一度も停止したことがないため、信頼性は高い評価ができます。またUTXO(Unspent Transaction Output)という残高管理方式は複雑な分送金元のアドレスをたどりにくく、高い匿名性やセキュリティを有しています。一方で、ビットコインは金融分野にしか使うことができません。
カウンターパーティはイーサリアムのスマートコントラクトをそのまま実行することができ、投票やdAppsゲームのアイテム、個人やブランドの証明など多くの分野にビットコインのブロックチェーンを応用できます。
またカウンターパーティでは特別な手順を踏むことなく、独自のトークンを発行することができます。専用のアドレスにカウンターパーティと手数料としての少額のビットコインを用意し、バーンすれば完了です。
カウンターパーティ(Counterparty)のアライアンス、過去のビッグニュース
最後にカウンターパーティに関連する過去の大きなニュースを紹介します。
2016年7月12日 Storj(ストージ)がカウンターパーティと協力し、Lightning Network(ライトニングネットワーク)ベースの決済テクノロジーを作成
この日、分散型クラウドストレージサービスプロバイダーであるStorj(ストージ)がカウンターパーティと協力し、Lightning Network(ライトニングネットワーク)という技術を利用した新しい決済テクノロジーを作成したと発表しました。2016年第3四半期からベータテストを開始しています。
ライトニングネットワークとは、二者間で送金する際にブロックチェーンの外で送金し、最後に分配配分のみを記録するペイメントチャネルという技術を利用した送金ソリューションです。
ペイメントチャネルは取引の最初と最後のみを記録するため、トランザクションを圧縮できます。一方、新たな相手と取引をするたびに立ち上げなければならないため非効率的というデメリットもありました。
ライトニングネットワークは複数のペイメントチャネルでネットワークを構築し、ペイメントチャネル同士をつなぐことでいつでもオフチェーン取引を可能にし、高速・低手数料の送金を実現します。
カウンターパーティはビットコインのブロックチェーン上でトークンを発行しているため、送金などもビットコインに依存しています。そのため取引量の増大に伴って処理能力を圧迫されるスケーラビリティ問題とも無縁ではありません。
カウンターパーティはビットコインに先んじてライトニングネットワークを導入を決め、スケーラビリティ問題に独自に対策したのです。
2018年12月28日 カウンターパーティがハードフォークを実施
この日カウンターパーティはバージョン9.56.0にアップデートを行い、その過程でハードフォークを実施しました。
このアップデートでは、Bitcoin Coreの最新バージョンに対応したほかSegwit(セグウィット)やアトミックスワップ、ライトニングネットワークが実装されています。
セグウィットとはトランザクションの署名データを署名領域という独立した領域に分けることでトランザクションを圧縮する技術です。アトミックスワップとは異なるブロックチェーンの間でP2P(ピアツーピア)に仮想通貨を交換できる技術です。
セグウィットの実装に伴ってカウンターパーティはハードフォークを実施。カウンターパーティで開発されたトークンの取引が一時停止されました。
セグウィットやライトニングネットワークといった技術の本格的な導入により、カウンターパーティは独自トークンの高速送金を実現しています。イーサリアムをはじめトークンの開発プラットフォームには競合も多いですが、ビットコインのブロックチェーンという強みを活かしつつ問題点を解決することでシェアの獲得を目指しています。
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