停電が続くイランでマイニング業者の取り締まり。既に1,600の施設が閉鎖
今週のOverbit insightsでは、仮想通貨マイニング量が世界トップ10に入るイランについて取り上げます。
イランはこのところ慢性的な電力不足による停電に悩まされており、イラン当局はビットコインマイニングに原因があるのではないかと目を付けています。現在イラン中のビットコインマイニング業者の取締をしており、既に1,600のマイニングセンターが閉鎖に追い込まれています。
イラン経済を麻痺させている銀行制裁を回避するように、イラン国民はビットコインの取引をしており、イラン国内でビットコインは利用価値を見出してきました。
イランの首都テヘランを拠点とするビットコイン専門家ジヤ・サドル氏は以下のように述べています。
「イラン人は他国に比べて、グローバル決済ネットワークにアクセスすることができないため、ビットコインのようなボーダーレスネットワークの価値を充分に享受している。また、イランの電気料金は米国の3分の1近く、ビットコインマイニングに非常に適していると言える。」
私達は2021年の主要なテーマの一つに「中央政府と仮想通貨ユーザーの闘い」をあげていますが、イランでもそれが加速しているようです。
ビットコイン価格に強気な機関投資家
次にビットコイン市場を見てみましょう。
2020年末に大暴騰したビットコインは一時約42,000ドルから約30,000ドルまで下落したことを受けて、一部の投資家・トレーダーは動揺しているかもしれません。
しかし、機関投資家は微動だにしていません。パンデミックの間、いわゆる「景気刺激策」で前例に無いレベルの金融インフレが起きたことへの反動でもあります。また2019年末頃からビットコインを高く評価する伝統的金融の関係者が増え続けています。
ビットコインに注目しているこれらの機関は価格の目標を高く設定しているようです。
JPモルガンチェース戦略チームは今年初めに、ビットコインは2021年末までに14万6000ドルの目標に向けて続伸すると主張。同様にPantera Capitalもポジティブな意見を発しています。
時間の経過とともに多くの人々がビットコインへの投資を加速し、その価値を確信していっているように見えます。これは小さな修正があったからと言って、保有資産への信念が揺らぐのは好ましくないということを示しています。
バイデン大統領就任に伴う米国の変化と不変
最後に、米国の最近のニュースがユーロをはじめとする世界経済にどのように影響しているのかを考察します。
トランプ氏からバイデン氏に大統領職が移行しましたが、過去の米国の問題が消えたわけではありません。新大統領に選出されたバイデン氏は就任後の数日間で、世界保健機関(WHO)やパリ気候協定への再加盟の成約を掲げたほか、キーストーンXLパイプラインのライセンスを剥奪するなど、トランプ氏の負の遺産をとり戻すための声明を発表しました。
こうしたトランプ路線の脱却を推進しているにも関わらず、なかなか変わらないのが中国との関係だと言われています。
パンデミックがもたらした経済の減速に加えて、米ドルはファンダメンタルズ的に重くなっているのは確かです。米連邦準備制度理事会(FRB)は来週の金融政策決定会合を予定していますが、ほとんど変化はないと予想されています。同様に、欧州中央銀行(ECB)も1月21日に会合が開催されていますが、特に大きな変化は無く、この傾向は2022年3月まで変わらないとも言われています。
従来の市場は触媒が訪れるまでは現在のトレンドの方向に推移していくと思われます。Overbit.comでは、今後も引き続き最新情報をお届けしていきます。
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