仮想通貨界隈には多くの日本発プロジェクトが存在しますが、成功を収めているプロジェクトはあまり多くありません。今回はその中から古参プロジェクトのコバン(c0ban)という通貨をご紹介します。
コバンは株式会社LastRootsが発行する仮想通貨で、2016年にICOで6億円を調達したことからも話題になりました。トークンは同社の仮想通貨取引所c0banにて取引が可能です。また、シンボルはRYOとなっています。
- c0banは株式会社LastRootsが発行する仮想通貨
- 同名の仮想通貨取引所など包括的なプロジェクトを展開
- 金融庁からの認可を取得しているなど信頼性も
- 現在は取引所業務に注力
日本発のブロックチェーンで世界一を目指す
ビットコインから始まった分散型ネットワークの可能性は10年間で大きく飛躍しました。現在ではブロックチェーンは仮想通貨にとどまらず幅広い分野で応用されています。そんな中、c0banはインターネット革命で後れを取った日本からもう一度世界を目指すべく立ち上げられました。
プロジェクトの名前は日本で江戸時代前後に使われていた「小判」に由来します。ビットコインをベースとした通貨で2016年12月に発行されました。総発行枚数は8,800万RYOとなっています。
コバン(c0ban/RYO)の特徴
広告モデルを改変するシステム
コバンは現在の広告モデルを一変することを目標としたプロジェクトです。従来の動画広告モデルでは視聴者が興味のない動画サービスを視聴する必要がありました。コバンでは動画広告視聴に特化したc0ban.tvというプラットフォームをリリースし、ユーザーが自ら選んで動画広告を視聴するモデルを提案します。
ユーザーは動画広告を視聴することでコバンを獲得することができます。企業側は今まで広告代理店などに支払っていた広告料を直接ユーザーに支払うため、広告料の効率的な活用が可能になります。
動画広告視聴のためのc0banアプリと取引所のデータセンター、ウェブウォレットはすべて同一のアカウントで利用できるようになっており、シームレスなプラットフォームを構築します。c0ban.tvはリリースから一年半後の2018年7月ごろから利用者が急増し、同年9月には月間で600万回以上広告の視聴数を記録したといいます。
取引所が認可取得済み
仮想通貨コバンと取引所コバンは同じ会社によって運営されており、唯一の取り扱い通貨となっているため密接な関係にあります。そのため、取引所に関連するニュースによってコバンの価格が変動することも多々あります。
取引所コバンは2017年3月に設立され、みなし業者として業務改善命令を受けていましたが、2019年11月に仮想通貨交換業の認可を取得し、ホワイトリスト入りを果たしました。
認可を取得するにあたって会社の経営基盤や社内環境、プロジェクトの透明性などを厳しく審査されます。株式会社LastRootsはこの審査を通過したことで一定の基準を満たした企業だと捉えることができます。
運営体制の強化に注力
株式会社LastRootsはコバンのICO実施後9か月でウォレット、Androidアプリ、仮想通貨取引所、Webアプリのすべてをリリースしています。当時怪しいICOプロジェクトが数多く存在していた中で、ICO時に提示していたすべての計画を実行し、その運営体勢に注目が集まりました。
また、当初からSBIグループによる出資を受けていたLastRootsですが、2019年2月にはQ&AコミュニティのOKWAVEを運営する株式会社オウケイウェブの株式取得によって同社の関連会社となっています。上場企業であるオウケイウェブからエンジニアなどの派遣も受けていたようで、プラットフォームの開発強化に力を入れていました。
その約一年半後の2020年10月には主要株主がオウケイウェブ社からエクシア合同会社へと移っています。エクシア社はグループ会社に金融二種ライセンスを保有するエクシアアセットマネジメント株式会社を有しており、国内外へ融資事業を展開しています。今後は同社とのパートナーシップでc0banネットワークのさらなる価値向上を目指していくとしています。
コバン(c0ban/RYO)の将来性
c0banはICOで6億円を調達している他、2016年に開催されたフィンテックサミットでIBM Blue Hub Awardという賞を受賞しています。プロジェクトのローンチ時点から勢いの良いc0banは2017年にオウケイウェブとの提携も発表しています。
2019年11月にはc0ban.tvやウェブウォレットのサービス終了が発表されました。同社は今後、エクシアグループの一員としてc0banの知名度向上や取引の拡大、流通価値の向上に取り組むとしています。現在はウェブウォレットに代わるQTウォレットが配布されています。
トークンの価格に関しては2017年10月に「c0ban」が商標登録されたことで500円近くまで急騰しました。2020年12月現在は23円前後で取引されています。
また、2018年10月に自社の取引所の他にLATOKENという海外取引所にも上場の発表をしています。海外からの取引も取り込めるため、流動性の改善が期待されていましたが、LATOKENにて探したところ、見当たらず、既にデリスト(上場廃止)しているようです。しかし、公式サイト(https://www.c0ban.co/)には未だにLATOKENの表記があり、開発の進捗具合に疑問をいだきます。
c0ban.tv Webおよびc0banウェブウォレットが閉鎖
2019年11月25日にLastRootsはc0ban.tv Webおよびc0banウェブウォレットなどのサービスを終了することを発表しました。現在はc0ban取引所の運営に注力する方針のようですが、c0ban自体の開発の進捗に関して大きな発表はこのところ見られません。
運営会社経営陣の交代が相次ぐ
前述の通り、運営会社のLastRoots社が2019年2月に株式会社オウケイウェブの子会社となり、その後約1年半で別会社に売却されています。経営陣がその都度変わっていることも気になるポイントです。
また、株式会社LastRootsの商号を「株式会社OKウォレット」に変更すると2020年01月31日に発表しましたが、その後中止しています。
https://www.lastroots.com/news/event-2020430/
さらに2021年1月に商号を株式会社LastRootsからエクシア・デジタル・アセット株式会社に変更すると発表しました。
コバン(c0ban/RYO)の購入方法
c0banを扱っているのは発行元のLastRootsが運営する同名の取引所のみとなっています。c0ban取引所は国内取引所かつ金融庁から認可取得済みのため、無名の海外取引所よりは安全性が高いと言えます。また、国内取引所のため日本円で入金して取引が可能となっています。
会員登録
まずはc0banの公式ウェブサイトにアクセスし、「無料口座開設」をクリックします。メールアドレスとパスワードを入力して次へ進みます。
取引用のパスワードと秘密の質問二つをそれぞれ設定してメールアドレスを確認をクリックします。
続いて入力したメールアドレス宛に届いた認証コードを入力し、会員登録を完了させます。
初期設定
ここまでの操作が完了すれば、メールアドレスとパスワードを使ってログインできるようになります。トップページからログインし、右上のプロフィールを設定から「アカウント管理」をクリックします。
取引を行う前には左側の!マークがついている箇所をすべて入力する必要があります。まずはプロフィールの設定から行います。ここでは住所や氏名などの個人情報、投資経験などを入力していきます。画面下のプロフィールを設定するをクリックして入力を進めてください。
続いて銀行口座の登録を行います。日本円の入出金に使用する口座を登録してください。
銀行口座の登録が完了したら、SMS認証を完了させます。送信をクリックするとプロフィール設定の際に入力した番号に番号が送られるので、入力します。
続いて二段階認証を設定します。メールもしくはAuthenticatorを選択し、設定を完了させます。Authenticatorの場合はGoogleの提供するアプリのインストールが必要になります。
最後に本人認証の設定をクリックし、免許証など本人確認書類をアップロードします。ここまで完了すれば取引の準備は完了です。
購入方法
まずはマイページメニューの入金から日本円の入金を行います。続いて上部メニューの購入をクリックして取引画面へ進みます。c0banが購入できるのは平日の10時から19時までとなっています。取引画面は以下のようになっており、チャートを確認してから購入することができます。
画面左側に必要数量を入力してc0banを買うをクリックすれば購入が可能です。
まとめ
広告業界は市場規模が非常に大きく、たくさんの企業がひしめき合っています。c0banはエクシア合同会社との提携によって広告業界および金融業界での存在感を増すべく注力しています。今後大きな発表があればトークンの価値やプロジェクトの注目度に貢献することになるでしょう。
現時点では、取引ボリュームはそれほど大きいとは言えない状況です。その分大きな発表があればその後、資金が流入すれば一気に価格が上がることも考えられます。
仮想通貨c0banは現在c0ban取引所でしか購入ができません。登録がまだの方は早めに登録しておきましょう。