仮想通貨デリバティブ取引所Bybit(バイビット)は100倍のレバレッジをかけて仮想通貨取引を行えることで話題になっている新進気鋭の取引所です。
日本人にも使いやすい設計となっている同取引所は着実に取引量を増やしており、2020年3月のビットコイン価格暴落の際にも安定して取引が行えていました。
そんなBybitはこの度USDT無期限契約の取り扱いを発表しました。この記事ではUSDT無期限契約の特徴を解説します。
- 新進気鋭の取引所BybitがUSDT無期限契約の取り扱いを開始!
- USDT無期限契約は投資家にとって様々なメリットがある取引方式!
USDTとUSDT契約とは?
まず最初にUSDTについてですが、USDTは米国のTether社が運営するステーブルコインでUSDTもしくはテザーと呼ばれています。
米ドルに価値が連動するように設計されており、基本的には1USDT=1USDに固定されています。これはテザー社が発行する1USDTごとに1米ドルを担保として保管することによって成り立っています。
USDTをはじめとしたステーブルコインは価格変動率の大きい仮想通貨市場においてリスクをヘッジするために使われています。
USDTについて詳しく知りたい方は【USDT(Tether/テザー)とは?】を参考にしてください。
USDT契約は仮想通貨デリバティブの一種で、価格および決済の単位としてUSDTを使用します。複数の取引ペアのロングおよびショートポジションをUSDTで保有することができ、損益もUSDTにて計算されます。現在ではBybit以外にも複数の仮想通貨取引所で取り扱われています。
Bybit(バイビット)のBTC/USDT無期限契約の詳細
契約 | BTC / USDT |
種類 | 無期限契約 |
ベース通貨 | BTC |
クオート通貨 | USDT |
決済通貨 | USDT |
契約バリュー | 1 BTC/契約 |
維持証拠金 | 0.5%から *契約バリューによって証拠金率は 算出される |
最低価格変化 | 0.01USDT |
最小契約サイズ | 0.001 ユニットの契約 |
BybitがUSDT無期限契約ベータ版をローンチしました(現状はBTC/USDTペアのみ)。これは、上で説明したようにUSDTを用いて複数の取引ペアでロングおよびショートのポジションを保有できる仕組みになっています。
USDT無期限契約はデリバティブの一種ですが、その名の通り契約に期限はありません。そのため、投資家はいつまでもポジションを保有することができます。
USDT無期限契約ではロングとショートポジションを同時にかつ、異なるレバレッジで保有できるため、柔軟性に富んだ取引が行えます。また、全ての損益や残高はUSDTで計算されるため、投資家はより簡単に判断を下すことが可能になります。
Bybit(バイビット)USDT無期限契約のメリット
直感的に損益の表示がわかりやすい
USDT無期限契約の損益はUSDTを基準に計算されます。そのため、投資家は複数の通貨を用いて計算をする必要がありません。USDT無期限契約の損益は以下のように計算されます。
契約損益=契約数量×(平均決済価格ー平均参入価格)
ロングポジションにおける損益率=(平均決済価格/平均参入価格−1)×レバレッジ
ショートポジションにおける損益率:(1ー平均決済価格/平均参入価格)×レバレッジ
例として価格が10,000USDTの時にロング契約を20倍のレバレッジで購入し、11,000USDTで売却した場合の損益と損益率は以下のようになります。
損益=2×(11,000ー10,000)=2,000USDT
損益率=(11,000/10,000ー1)×20=200%
ビットコイン(BTC)などの仮想通貨で損益を計算する場合と異なり、2,000USDTは2,000ドルに相当すると直感的に理解することができる点も特徴の一つです。
クロスマージンと分離マージン:両建てポジション
また、Bybitではロングとショートの契約を同時に保有できる点も魅力となっています。同時に保有する際にはクロスマージンと分離マージンという二つのモードを選択することができます。
クロスマージンはロングとショートのポジションの未実現損益が共有され、相場の変動で清算されることを防ぎます。分離マージンはそれぞれのポジションで異なるレバレッジをかけることができるモードです。
例えば長期的にビットコインの価格が上昇していくと予想し、低レバレッジでロングポジションを保有している中、一時的にファンダメンタル的要因により価格が下落しそうになった場合には分離マージンモードを使って高レバレッジで売りポジションを保有することができます。
資金利用率最大化:共有された未実現損益
全保有ポジションの損益を共有するクロスマージンモードでは未実現利益を別のポジションの資金として活用することができます。反対に未実現損失は利用可能残高から差し引かれます。
未実現利益と損失はリアルタイムで実現損益として換算が可能となっており、投資家は保有中のポジションの損益を用いて新しいポジションを開いたり、出金を行えます。
投資家はいつでも利用可能残高から出金を行えますが、証拠金が減少することにより、ポジションが清算されるリスクが高まる点に注意が必要です。
USDT無期限契約は投資家により効率的なレバレッジでの取引を可能にし、資金効率を最大限に高めることに貢献しています。
契約保険(共有証拠金)の設置:最大限の安全保障を提供
今回のUSDT無期限契約ローンチはBTCペアのみの取り扱いとなっていますが、ETH/USDTなどの他のUSDT無期限契約がローンチされると、クロスマージンモードで全てのUSDTマージン契約のみ実現損益は資本使用率を最大化するために共有されます。
ビットコインをはじめとした仮想通貨はボラティリティが非常に高く、レバレッジをかけたポジションが解消されるリスクが高いという問題点があります。これに対してBybitでは全てのUSDT無期限契約において保険基金(共有証拠金)を利用することで資本使用率を最大化できます。
過去のデータからも主要取引所のビットコイン契約が相当額の保険基金を保有していることがわかっており、保険基金を共有することで価格変動による損失リスクを抑えることができます。
保険基金共有モードによって投資家は契約取引の安全性および利益を保護することが可能になります。