ソウル市が独自通貨「Sコイン」の開発を進める
韓国の首都であるソウル市は、市が出資する社会福祉プログラムで使用される予定である、独自通貨「Sコイン」を開発していることが報道されています。
ソウル市長の朴ウォンソー氏は、CoinDeskのインタビューで、Sコインの計画があることや、ソウル市が「ブロックチェーン技術や関連するスタートアップを支援するための基金」を設立することを明らかにしました。
これらの計画は、ソウル市のブロックチェーンに関する総合計画(2017年11月にサムスンSDS社と共同で設計)の一部であり、4月中に完了する見込みになっています。
ソウル市は、ブロックチェーンを導入するロードマップを作った最初の都市であり、ブロックチェーンに対して非常に前向きな姿勢を取っています。
ソウル市長は、ブロックチェーンへの見解
朴ウォンソー氏は以下のように述べ、ブロックチェーンに対して前向きな見解を示しています。
「ソウル氏は、情報通信分野において世界有数の都市であるため、私たちはブロックチェーンのような新しい技術を学ぶべきでしょう。私は国内のブロックチェーン関連の多くの企業に会いましたが、様々な国内規制があるために、国内企業は希望の光を見ることができていません。
しかし、韓国のブロックチェーン技術は、他国と同じくらい発展しています。ブロックチェーン関連の企業の設立や、スタートアップ企業が新しい技術を開発することを許可することによって、韓国から世界に向けて、ブロックチェーンを開発し、広めていくことができます。」
さらに同氏は、行政プロセス全般にブロックチェーンの技術を適用させようと試みているエストニアを引き合いに出し、以下のようにも述べています。
「ブロックチェーンは、市が運営する公共交通機関のシステムや、青少年手当の支給などの全ての官庁行政に適用することができます。」
また、その中で、Sコインは、公務員や若い求職者、電気水道ガスなどを節約することで、環境の保全をする市民などを対象にしている福祉プログラムへの支払いに使用される予定です。
ただし、Sコインの実現には課題があると同氏は考えており、「Sコインを作るためには、私たちは組織的、法的な支援の準備をする必要があります。」と同氏は述べています。
韓国は仮想通貨に厳しい規制を取る国として知られていましたが、国民からの大きな反対を受けたこともあり、規制緩和の方向性に転じています。ソウル市発行の仮想通貨が実現された場合、他の通貨の規制にも影響がある可能性がありますので、注視していく必要があるでしょう。
また、中国でも政府が管理する仮想通貨プロジェクトが進行していることが明らかになりましたので、こちらの記事も参考にしていただければと思います。
South Korea's Capital Is Planning to Launch Its Own Cryptocurrency
参考サイトはこちら